2024年03月09日

「キボリノコンノ」超絶リアル木彫り作品クイズ展覧会行ってきた

1年半ぶりの更新です!

1本書くのに数時間かかってしまう筆の遅さに加え
園館訪問で撮った写真を整理するだけで数時間かかったり
更新間隔がくそ長くなると,再開するエントリはちゃんとしたのを書かないととハードルあがったりで
昨2023年はまるまる1本もupしないことになってしまいました。

で,前回の更新頃から続いていた仕事の繁忙が一段落したこの3月

今週,「キボリノコンノ クイズ型展覧会 どっち?」に行きまして
がっつり楽しみましたので,
開催期間が終わる前って〆切あるなら書けるだろうってことで
生存確認を兼ねて上げておこうと思います。

仕事帰りに行ってきました渋谷パルコの「ほぼ日曜日」。
blog240308_キボリノコンノどっち?展01_0304o (1)入口.JPG
「ほぼ日」(ほぼ日刊イトイ新聞)のリアルスペースイベントでの開催。

受付して撮影可のスペースで作品を見た後,
全20問の,本物か木彫り作品かを当てるクイズへ進むという構成。

blog240308_キボリノコンノどっち?展06_0304o (20)うなぎパイ.JPG
うなぎパイ
まさに木彫りの質感と相性がいいというか,こんな看板があってもと
思いますが,リアルさが半端ない。

blog240308_キボリノコンノどっち?展05_0304o (5)コーヒー.JPG
コーヒーという透明な題材を見事に表現!
実物を見てみると,なるほどこういうあしらいかと

blog240308_キボリノコンノどっち?展07_0304o (23)生卵.JPG
生卵
実物を見ると黄身のところは確かに絵ですし
白身の透明の表現,おもしろいですね。


blog240308_キボリノコンノどっち?展08_0304o (85)溶けかけの氷(正しい向き).JPG
溶けかけの氷
透明シリーズの発展形というか,木彫りの形作りにこだわる方向性と
着色によるリアルの追求と2つのテクニックの配合具合がおもしろいですね。
こちらは木彫りというよりはだまし絵的な作品。

さらにはこちら
blog240308_キボリノコンノどっち?展09_0304o (32)透明な材木.JPG
透明な木材

これなんか,小学生が見て,自分も作りたい!作れる!って刺激を受けるような
作品じゃないかと思います。
なんなら,ペーパークラフトで作ってもいいわけですし。
blog240308_キボリノコンノどっち?展11_0304o (33)透明な材木.JPG


ほかにもどら焼き,たい焼き,マカロン,カヌレ,焼き鮭など食品サンプル的な作品

blog240308_キボリノコンノどっち?展12_0304o (47)生わさび.JPG
わさび。

実際に触って確かめること禁止ですし,
全く本物と同じすぎても
「木彫りなのにこんなにリアル」を出すために
あえて木彫りとわかるところも残していたりするということで,
予習OKというか,だいたいどんなものか掴めた気がしました。

そこでいよいよクイズに挑戦!

全20問の内容はこちら!(ネタバレ防止のため写真撮影は禁止)

問1 柿&ピー   (1粒ずつの片方が木彫り)
問2 フランスパン (2本のうち一方) 
問3 アーモンド  (2粒のうち一方)
問4 白い恋人   (2つのうち一方)
問5 OREOとクッキー (2つのうち一方)
問6 コアラのマーチ(2つのうち一方)

問7 文具     (10点のうち2点)
問8 おつまみ   (4品のうち1品)
問9 チョコレート (21粒のうち1粒)
問10 おせんべい  (6品のうち1品)
問11 きのこの山  (10個のうち1個)
  &たけのこの里(18個のうち1個)
問12 石      (7個のうち1個)
問13 コーヒー豆  (17粒のうち1粒)
問14 タマゴボーロ (16粒のうち1粒)
問15 ヨックモック (8本のうち1本)
問16 おっとっと  (16個のうち2個)
問17 ルマンド   (8本のうち1本)
問18 煮干し    (100個のうち1個)
問19 ポップコーン (14粒のうち1粒)
問20 ミックスナッツ(63粒のうち2粒)


…え?? 難しない?!


ほとんどの展示がガラス越しということもありましたが
ほんとに難しい!

でも,ガチで挑戦しましたよ!

結果はこちら。

問1 柿&ピー   (2択) →
問2 フランスパン (2択) →(○つけるほう間違えた!)
問3 アーモンド  (2択) →
問4 白い恋人   (2択)→
問5 OREOとクッキー (2択)→
問6 コアラのマーチ(2択)→

問7 文具     (2/10)→
問8 おつまみ   (1/4)→
問9 チョコレート (1/21)→
問10 おせんべい  (1/6)→
問11 きのこの山  (1/10)→
  &たけのこの里(1/18) →
問12 石      (1/7)→
問13 コーヒー豆  (1/17)→
問14 タマゴボーロ (1/16)→
問15 ヨックモック (1/8)→
問16 おっとっと  (2/16)→
問17 ルマンド   (1/8)→
問18 煮干し    (1/100)→
問19 ポップコーン (1/4)→
問20 ミックスナッツ(2/63)→

たくさんある中から1つないし2つのニセモノを見つけるということは
逆にいえばたくさんの本物から共通要素を抽出して
該当しないものを探せばいいということになるので
そこから正解できたものもあるのですが,
見れば見るほど,本物がニセモノっぽく見えてくるものもあって
おもしろかったですね。

作者のキボリノコンノさんと糸井重里さんの対談でも語られていますが
私たちが物に対してこういうものだと思っている
記憶は正確ではなくてずれがあって
そのイメージに合うように作る(写真に撮ったときにその
イメージを再現できるようにする)とリアルな作品が完成するということなんですね。

https://www.1101.com/n/s/kiborinoitoi/index.html

というわけで,24問中17問正解!

blog240308_キボリノコンノどっち?展20_0304o (91)ランクと認定証.JPG
プロ級」ということで,木製の認定証いただきました。

いやコアラのマーチはここがポイントだよね とか
煮干しは絶対(現時点では)再現不可能なポイントがあるからここを見ればわかる!
と思ったら,それでもニセモノに該当しちゃう本物がある
(つまりニセモノは何個?って問題だとわからないw)とか
おっとっとは油がしみ出してるフェイクまでしっかりしてあるwとか
語りたくなるポイントがたくさんあって楽しかった。

会場を出たところに来場者の成績(最高点平均点)が。
blog240308_キボリノコンノどっち?展30_0304o (93)日別成績_最高点と平均点.JPG

ズコー――――――――!!!

めっちゃいい成績だと思ってたのにもろ平均やん。

毎日数人全問正解がいるってことは,1問や2問不正解は大勢いるってことよね。
ほんとにどれもそっくりだったのに,わかる人には違って見えるのかなあ。

どっち? - キボリノコンノ, 脇田あすか, 山口日和
どっち? - キボリノコンノ, 脇田あすか, 山口日和

なにができる? - キボリノコンノ
なにができる? - キボリノコンノ

キボリノコンノ作品集 キボリアル - キボリノコンノ
キボリノコンノ作品集 キボリアル - キボリノコンノ

posted by ドージマ・ダイスケ at 09:07| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月12日

鑑賞メダカ展示会2022春in松戸

前のエントリで触れた東大五月祭の2日目と被る5月15日,松戸市の愛好会が毎年春秋鑑賞に開催しているメダカ展示会に行ってきました。

blog220605_01_鑑賞メダカ展示会_松戸0515au (1).JPG

今回は続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 14:18| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年12月11日

エンリッチメント大賞2021 表彰式・受賞者講演会

私がその存在を知って表彰式を見に行ったのが2019年,その後新型コロナ禍によって2年連続会場開催がなくなりましたが,市民ZOOネットワークの『エンリッチメント大賞』,今年も無事大賞と奨励賞が決定し,表彰式が開催されました。

「エンリッチメント大賞2021」
―動物福祉を組織として保証する時代に―
〜市民ZOOネットワーク
http://www.zoo-net.org/enrichment/award/2021/index.html


エンリッチメント大賞2021 表彰式・受賞者講演会


今年の受賞園館は,
大賞:京都市動物園
「動物園全体の動物福祉向上のための体制整備」
奨励賞:横浜市立金沢動物園
「オオツノヒツジの生態展示とその検証」

の2園。

「エンリッチメント大賞2021」
―動物福祉を組織として保証する時代に―
http://www.zoo-net.org/enrichment/award/2021/

発表を聞くとほんとうにレベルが高いというか,近年では大賞とほかの賞を合わせて例年3〜5園館が受賞していたのですが今回2園館というのも納得というか内容が濃いなあと感じさせられました(新型コロナ禍で園館側も審査側も制約があった要因もあるかと思いますが)

目次

  1. 大賞:京都市動物園 「動物園全体の動物福祉向上のための体制整備」
  2. 奨励賞:横浜市立金沢動物園 「オオツノヒツジの生態展示とその検証」
  3. ■一次審査通過(6園)
    1. 盛岡市動物公園ZOOMO: アフリカゾウの福祉向上のための取り組みと 産学連携による自動給餌機の開発
    2. 狭山市立智光山公園こども動物園: カワウソのエンリッチメント サル山のエンリッチメント ペンギンビーチの制作
    3. 東京都井の頭自然文化園: 縦横無尽に駆け回る「リスの小径」
    4. 横浜市立野毛山動物園: できることからコツコツと 〜動物福祉向上に向けた取り組み〜
    5. 大牟田市動物園: ゴマフアザラシの踊り食いフィーダー
    6. 鹿児島市平川動物公園: コアラの累代飼育と新展示への試み
  4. 「正田賞」創設

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posted by ドージマ・ダイスケ at 11:14| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月21日

【忘備】国際生物学オリンピック2021・2020result

当ブログでは例年ニュースとして追いかけていて,漫画の単行本では生物部の目標となっていた国際生物学オリンピック。

昨年・今年と全く触れることなく時期を過ぎてしまいまして
このテーマで連続性を途切れさせるのはダメだということで
忘備録的に結果をupしておきます。
(といっても日本代表の成績まわり程度ですが…)

国際生物学オリンピック2021ポルトガル大会
2021 年 7 月 19 日〜22 日
ポルトガルの首都リスボンを実施本部とし
「IBO Challenge U」続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 19:29| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月24日

【行ってきた】植物のことはこれで全部わかる!?科博「特別展・植物」

7月10日より東京・上野公園の国立科学博物館で開催中の特別展「植物」,行ってきました。
植物より動物好きの私ですが,なかなかダイナミックな植物の姿・生き様,楽しめました。
210724 特別展「植物」-01科博0718o (68).JPG

音声ガイドは続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 18:09| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月07日

科博「大地のハンター展」2・言いたかったあるある【行ってきた】

3月9日より東京・上野公園の国立科学博物館で開催中の「大地のハンター展」,東京都の緊急事態宣言による臨時休館をはさんでついに会期が残り1週間となってしまいました。
完全に情報としては遅くなってしまいましたが,前回3月にupした第1弾のワニ推し編の続きを描きたいと思います。

ワニ推し!化石からアルフィーまで/科博「大地のハンター展」1【行ってきた】

今回は「現地で言いたい言いたい」(言いたかった)編。

会場には自分以外にも大勢の人が来られているわけですけど,
その展示へのリアクションとか会話とかが耳に入ると
雑学おじさんとしては一言いいたい,一言いいたい…
という衝動に駆られることが1度や2度ならず。
てなわけで,当地で言えなかった一言二言をここで書いてしまおうと思います。



続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 00:28| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月09日

第2回 動物園水族館大学シンポジウム「保全の彼方と動物園・水族館の未来」

私がここ最近見に行く(昨年以降はオンライン)ようになった学術・生き物イベントは『ペンギン会議』と市民ZOOネットワークの『エンリッチメント大賞』なのですが,今年知った,これらと同様に動物園や水族館のスタッフの最前線の知見に触れられるイベントがこちら。

第2回 動物園水族館大学シンポジウム「保全の彼方と動物園・水族館の未来」
https://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/projects/za/2021-03.html

オンライン開催で,今年2021年3月4-5日と平日木・金の日中だったので
後日のアーカイブ公開を待っての視聴になりました。

基調講演が続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 23:55| 東京 ☁| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月08日

【ペンギン】国際ペンギンの日2021(&2020)

ていっ!大型連休を機に6日連続更新!
たまっている話題を忘備的に流しているだけという感もあり
情報発信という点ではあまり価値がございませんが
ネットというのは速報性よりアーカイブに価値があると考えておりますので遅すぎることはないと,指を動かしていきたいと思います。

4月25日は世界ペンギンの日ということで
近年日本国内でも認知が広がり,
続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 23:59| 東京 ☁| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月07日

【メダカ】1年ぶり鑑賞メダカの会・即売会2021in松戸

知る人ぞ知る存在から最近はかなり広く知られるようになってきた鑑賞メダカの世界,目覚ましい進化を遂げています。
私は2010年から飼い始め,続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 07:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月04日

サンシャイン水族館 名探偵コナンコラボ&ざんねんないきもの展2

緊急事態宣言の東京都下で臨時休館を強いられているサンシャイン水族館,前エントリでは4月25日の「世界ペンギンの日」,5月26日の「世界カワウソの日」記念イベントについて紹介しましたが,今回は『名探偵コナン』コラボ企画,第2部が始まった『ざんねんないきもの展2』について,サンシャイン水族館の近況ということで様子をupしたいと思います。

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posted by ドージマ・ダイスケ at 15:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月28日

ワニ推し!化石からアルフィーまで/科博「大地のハンター展」1【行ってきた】

3月9日より東京・上野公園の国立科学博物館で開催中の「大地のハンター展」行ってきました。
行ってから大分日が経ってしまいましたがざっと内容をご紹介したいと思います。

平日には全く仕事を休めない状況のうえ,週末には参加したいオンラインイベントもあったりして行けるのはもう少し先かな…と思っていたところ,オンラインイベントがチケット買えてないことにその週気づき,そのときには売切れという事態に。これは科博に行けという「天啓です!」だなと早速入場予約。
※新型コロナ禍の感染拡大防止のため,入場にはネット予約が必要

そしたら年内他に見ないほどの見事な土砂降り。
思いっきりのオンラインイベント日和w
202103_科博_大地のハンター展_01_0313o (3)入口.JPG


めげずに入場!
202103_科博_大地のハンター展_01_0313o (10)オープニング.JPG



ガイド音声(館内貸出機:税込600円)の声は
獲物を屠るイエーガー(の中の人)こと梶裕貴さん。
202103_科博_大地のハンター展_02_o (7)音声ガイド_梶裕貴 (2).JPG
ワイアレスイヤホンの応答音声にもなってたりしますよね。
梶さんファンには,スマホアプリのダウンロード(税込610円)がおすすめ。
6月13日まで館外でも美声ガイドを聞くことができます。



さて,今回の特別展ですが,特別展になくてはならないのが
アイコンとなる巨大な展示標本
やっぱり5〜6mくらいはないとですよね。

ちなみに過去の特別展,
「恐竜博」は2011,2016,2019が(NHKと共催の回もありますが)朝日新聞社
「大恐竜展」(2013-2014)「大哺乳類展(2)」「太古の哺乳類展」
「昆虫」「大英自然史博物館展」が読売新聞社
「深海」2013,2017が読売新聞社・NHK
「大アマゾン展」等がTBS の企画となっていて
「生命大躍進」(2015)など,NHKが関連すると展示や図録が豪華になる印象があります。

今回の「大地のハンター展」は,「ヒカリ展」などのアカデミックな
特別展の印象が強い日本経済新聞・テレ東系列の企画。
系譜としては2016年の「海のハンター展」に連なるシリーズということになりますかね。
当時は首長竜の全身骨格,メガロドンの実物大模型,2mのホホジロザメの液浸標本などが空間を支配し,ミナミゾウアザラシの剥製(上半身を起こしただけで人間よりはるかに巨大)が強烈な存在感を示していました

【行ってきた】 科博の2016夏は海のハンター展


当然今回も目玉となる巨大展示ありますよ。
どんな動物でしょうか?


ワニです。
202103_科博_大地のハンター展_10_o (60)ディノスクス_ワニ.JPG
デイノスクス(中生代白亜紀)

202103_科博_大地のハンター展_12_p (30)ディノスクス_ワニ.JPG

恐竜じゃねえのかよ!
という声に対して「恐竜を食うワニです」と。
202103_科博_大地のハンター展_11_o (34)会場_ディノスクス恐竜を襲う.JPG

ワニ推しです。


会場は3章構成なのですが,
第1章「太古のハンター」のスペース
ざっくりいって
半分くらいがワニといっても過言ではないです。

看板標本&模型のディノスクス(「巨大なワニ」)のほか
パカスクス
エロスクス
シモスクス
ハマダスクス

…バカとかエロとかダウンタウンとか,お笑い系なの?
とか連想してしまいましたが(注:バカではなくPakaです)
名前の意味はわかりません。
生物名・解説のラベルにも図録にも説明なかったので…
解説文にはぜひ名前の意味も載せてほしいなあと思いました。

そしてスクスの名前がついているけれど
恐竜っぽいというか顔が短くがっしりしているのが
ポストスクス
202103_科博_大地のハンター展_15_o (45)ポストスクス_古生代三畳紀.JPG

図録には載ってなくて代わりに帆掛け動物として有名な
ディメトロドンが載ってたりしますが,どちらも
古生代の動物のなかでも哺乳類型爬虫類という位置付けで
重きを置いて紹介されることが多いんじゃないかと思います。

どこが哺乳類型なのかと聞かれたとき
一番わかりやすいというか,頭骨で説明できる特徴が
歯の大きさに変化があるってことですかね。

トカゲやヘビは,毒ヘビの牙は別として上下のあごに
同じ形の歯がずらりと並んでいますが,
このポストスクスはメリハリのついた違う大きさの歯が並んでいます。
(デイノスクスなどの古代ワニ類や現生のワニも
大きさに変化があったり,前歯と中間の歯の間が空いていたりしていますね)
202103_科博_大地のハンター展_16_p (27)ディノスクス_ワニ.JPG
ここから門歯・犬歯・臼歯の違いをもつ哺乳類へと進化していったのかと

ワニの化石といえば,
年配の方には認知度が高いマチカネワニ
202103_科博_大地のハンター展_18_o (77)マチカネワニ_化石_新生代.JPG
時代が進んで,新生代の化石になります。

マチカネというと,40代くらいの競馬ファンにはマチカネ軍団
(競走馬のマチカネフクキタル,マチカネタンホイザなど)
のほうが有名だったり,若い世代にはぴんとこない名前かもしれませんが
大阪大学の敷地から発掘された新生代のワニなんですよね。

戦後,それまで学部ごとにバラバラだった学舎を集約すべく
豊中キャンパスを造成していた工事で発見されたと。
地元で親しまれている待兼山,
地層(茨木層)が属する待兼丘陵からとって学名と和名がついたんですね。
ガビアル系の細い顎をしていますね。


古代のハンター…

古生代のポストスクス
中生代のデイノスクスをはじめとする数々の古代ワニ類
新生代のマチカネワニ


ワニ推しにもほどがあると思うじゃないですか。


第2章「大地に生きるハンター」
202103_科博_大地のハンター展_20_o (96)会場.JPG
オープニングアクトもワニです

「水辺のハンター」と題して,
デスロール映像など(撮影禁止)捕食シーンを紹介するとともに
ずらりと並んだ剥製の一団。
202103_科博_大地のハンター展_21_o (100)ワニ.JPG

手前左から
マレーガビアル(ガビアルモドキ)
アメリカアリゲーター
ヨウスコウワニ
コビトカイマン
2列目が
メガネカイマン
イリエワニ
一番奥が ミンドロワニ

そしてワニの主要グループの違いがわかる
頭骨の展示
202103_科博_大地のハンター展_22_o (103)ワニ_頭骨.JPG
マレーガビアル(ガビアルモドキ/クロコダイル科)
インドガビアル(ガビアル科)
イリエワニ(クロコダイル科)
アメリカアリゲーター(アリゲーター科)

現生で最大種といわれるイリエワニ(インド〜オセアニアに生息)の
迫力とか,北米の食物連鎖の頂点に立つアメリカアリゲーター
かつてはペットショップでもしばしば見られたメガネカイマン
クロコダイル科なのにガビアル以上にガビアってる(口吻が細い)
魚色のスペシャリスト・マレーガビアル(ガビアルモドキ)
などどれも特色あるワニなのですが,
展示の一番手前,さりげなく鎮座しているコビトカイマン
202103_科博_大地のハンター展_24_o (102)コビトカイマン_.JPG

その説明を見ると
202103_科博_大地のハンター展_25_o (99)解説_ワニ_0000.JPG

202103_科博_大地のハンター展_26_o (101)コビトカイマン_.JPG

「本標本はミュージシャンであるTHE ALFEEの坂崎幸之助氏
長年飼育していた個体を剥製化したもの」


なにこのパワー情報。

マチカネワニについてさえエピソード的な情報
紹介文に全く入ってなかったのに。

そういうの大好き。

坂崎さん情報については,
第2会場(グッズショップ手前の最終コーナー)の一角を使って
「ヘビだけは他のメンバーに飼ったら解散と禁止されているので断念」
などといったエピソードを解説するパネルと
彼が撮影した愛爬虫類・愛両生類個体の写真が
展示されているほか,
公式図録も1ページを割いて,その筋金入りのマニア歴
(このコビトカイマンも20年飼育)について紹介されています。
202103_科博_大地のハンター展_27_o_図録_坂崎幸之助.JPG

公式サイトで通販もしているので,
坂崎さんをもっと知りたいALFEEファンは買うといいよ♪


前半部分のワニについて紹介するだけで
これだけのボリュームになる
「大地のハンター展」。
他の見どころポイントについては回を分けて
紹介したいと思います。

ではひとまずこのへんで


【公式】大地のハンター展 ツイッターアカウント
https://twitter.com/huntersonland

かはく【国立科学博物館公式】ツイッター
https://twitter.com/museum_kahaku

国立科学博物館 公式サイト
https://www.kahaku.go.jp/

大地のハンター展 サイト
http://daichi.exhn.jp/
(トップに事前予約ページへのリンクがあります
202103_科博_大地のハンター展_30_大地のハンター展公式サイトヘッダ.png
入場の際は事前予約を。平日は比較的とりやすいですし
土日も時間帯によっては当日とれる場合があります。

過去の科博特別展関連エントリ
【行ってきた】 かはくミイラ展 「永遠の命」(2019年12月21日)
  ※そうか,前回の特別展入場は2019年に遡るんだ…

【行ってきた】見どころは人それぞれ!恐竜博2019(2019年07月20日)

【行ってきた】実質「骨展」!科博『大哺乳類展2』(2019年04月14日)

【行ってきた】科博特別展・昆虫!(2018年08月15日)
【行ってきた】科博特別展 人体(2018年04月30日)
【行ってきた】オンデンがおんねん・ちきゅうも見どころ!科博特別展・深海2017(2017年07月15日)
【行ってきた】【科博】 モアが!始祖鳥が!お宝たくさん!大英自然史博物館展(2017年03月25日)
【行ってきた】 科博の2016夏は海のハンター展(2016年08月06日)
【行ってきた】スピノサウルス登場!科博「恐竜博2016」(2016年04月04日)
【行って来た】 科博特別展「生命大躍進」(2015年07月10日)
【行ってきた】国立科学博物館「大アマゾン展」(2015年03月29日)
【科博】「ヒカリ展」行って来ました(2014年10月29日)
【10/5まで】 科博「太古の哺乳類展」行って来ました(2014年08月12日)
科博『大恐竜展 ゴビ砂漠の驚異』 行きました(2014年02月10日)
国立科学博物館特別展「深海」【行ってきた】(2013年07月12日)
【2013.7.16〜10.6】国立科学博物館 特別展「深海」(2013年05月01日)
恐竜博2011(2011年09月23日)











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2020年12月08日

オンライン!エンリッチメント大賞2020授賞式(後編)

昨年東大弥生講堂で開催され,私もその場で熱気を体感した『エンリッチメント大賞』授賞式。
今年は12月5日(土)にオンラインで開催されました。

市民ZOOネットワークエンリッチメント大賞2020〜YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UClYn_MSOvm7q1vxkKt6dEqA

前回紹介しました
■大賞■ 札幌市立円山動物園
「21世紀のゾウ飼育の最低条件を寒冷地で実現させる試み」
■敢闘賞■横浜市立金沢動物園
「インドゾウに対するQOL向上の取り組み」
に続き,今回は残る3賞について。

■グッドアイディア賞■
続きを読む
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2020年12月06日

オンライン!エンリッチメント大賞2020授賞式(前編)

環境エンリッチメント(environmental enrichment)
ー「動物福祉の立場から、飼育動物の“幸福な暮らし”を実現するための具体的な方策」

2002年から毎年開催され,昨年は東大弥生講堂で開催された
『エンリッチメント大賞』授賞式。
私もその場で熱気を体感しましたが,今年は12月5日(土)にオンラインで開催されました。

市民ZOOネットワークエンリッチメント大賞2020〜YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UClYn_MSOvm7q1vxkKt6dEqA

当日は残念ながら生配信中に音声トラブルが発生して一部プログラムを残して終了しており
12月6日現在視聴できる動画では授賞講演映像の音声が聞き取れなかったり
審査委員によるパネルディスカッションが行われていなかったりしています。

授賞講演映像やパネルディスカッション(別途録画)については正常に見られる状態で後日改めて配信されるそうなので,それまでのつなぎとしまして,当日許可されていましたスクショ画像を軸に,各受賞園館の取り組みを紹介したいと思います。
201205エンリッチメント大賞-01_Screenshot_20201205 (7).png

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posted by ドージマ・ダイスケ at 13:25| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月01日

【行ってきた】リアル&ライブ「金魚愛四季」(いとしき)

8年前に衝撃を受けて以来とても好きな金魚絵師 深堀隆介先生の作品展が西武渋谷店で行われたので行ってきました。

201101金魚愛四季01_1018o (7).jpg
西武渋谷店では2011年に初開催後,2016年から2018・2020年と隔年の開催になるんですね。

6章構成の作品展,「金魚酒」など代表的な作風の透明樹脂にレイヤーを重ねて描く2.5D Paintingのほか,キャンバスや陶器などさまざまな素材の作品(鮭のかわりに金魚の木彫り熊のインパクトが(;^ω^)),金魚スケッチ(作品を描くときに生きている金魚を見ることはしないが飼育している金魚が亡くなったときにはその個体のことを書き留める),金魚酒の歴史などが展示。


この「ケロリン百済」も展示。
基本的には大量の金魚が描かれる作品は1尾1レイヤーかなという描かれ方なのですが
一番手前の金魚はすごく立体的。視点を動かして見ると金魚の角度が変わるんですよね…

金魚酒の歴史…続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 14:44| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月21日

【行ってきた】 超絶技巧と美「和巧絶佳展」

パナソニック汐留美術館で開催されている和巧絶佳展行ってきました。

12人の工芸美術家たちの作品を集めた作品展。
1970年以降生まれの縛りで選ばれた方々とのことですが
いずれも『日曜美術館』や『情熱大陸』クラスの
お茶の間でも目にされた人も多い有名な作家・作品ばかり。
それを114作品も一堂に会して直に見ることができて
どれも「すご!」と声が出るくらい見事でした。

写真OK・拡散推奨ということで
Twitterのほかここブログでも紹介したいと思います。
(照明がとてもよくて写真撮りやすかった…)

館鼻則孝
https://wakozekka.exhibit.jp/tatehana-noritaka.html
江戸時代のファッションリーダーたる花魁にインスピレーションを受けた
Heel-less ShoesやFloating Worldなどの個性的な靴の数々
レディ・ガガ様からオーダー受けて話題になった
あの

200921 和巧絶佳展01_0920o (7)館鼻則孝_靴.JPG

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posted by ドージマ・ダイスケ at 16:06| 東京 ☁| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月11日

【行ってきた】アフリカマナティ報告会

先週末,国連大学行ってきました。
200311-1 マナティ0307R (4)国連大学.JPG

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posted by ドージマ・ダイスケ at 08:31| 東京 🌁| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月31日

熱かった!エンリッチメント大賞2019(4)葛西臨海エトピリカ&長野飯田市ニホンカモシカの環境改善

『エンリッチメント大賞』2019年表彰式・受賞者講演会のレポート,
(1)全体の流れ
(2)秋田大森山動物園のトナカイ放牧等エンリッチメント
(3)福岡県大牟田市動物園の屠体給餌
について,紹介しましたが
締めくくりとしまして,外部提携が重要な役割を果たした取り組みについて,
ツイートで紹介した内容に補筆して紹介したいと思います。


■大賞(技術賞)■
海鳥の遊泳を促す採食エンリッチメント

191231エンリッチメント大賞030_1207(33)概要スライド_葛西臨海水族園.JPG

葛西臨海水族園 野島大貴さん
191231エンリッチメント大賞031_1207 (53)表彰_葛西臨海水族園_野島大貴さん.JPG


191231エンリッチメント大賞050_1207 (188)スライド_葛西臨海水族園_海鳥_遊泳を促す採食_0000 - コピー.JPG

191231エンリッチメント大賞051_1207 (190)スライド_葛西臨海水族園_海鳥_遊泳を促す採食_0000 - コピー.JPG

取り組みの対象となった課題は
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posted by ドージマ・ダイスケ at 19:49| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

熱かった!エンリッチメント大賞2019(3)駆除動物をご馳走に―大牟田市動物園の屠体給餌!

『エンリッチメント大賞』2019年表彰式・受賞者講演会のレポート,
(1)全体の流れ,(2)秋田大森山動物園のトナカイ放牧等エンリッチメント
について,紹介しましたが
続きまして,大森山のトナカイに劣らず多くのマスコミに取り上げられた
あの取り組みについて,ツイートで紹介した内容に補筆して紹介したいと思います。


■大賞(インパクト賞)■
Wild meǣt Zoo〜駆除された動物を動物園のご馳走に

191231エンリッチメント大賞001_1207 (32)概要スライド_大牟田市動物園.JPG

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posted by ドージマ・ダイスケ at 15:55| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月29日

熱かった!エンリッチメント大賞2019(2)柴田典弘さんとトナカイ

前回は『エンリッチメント大賞』2019年表彰式・受賞者講演会
流れや出来事について,紹介しましたが
続きまして,受賞した園館の取り組みについて,ツイートで紹介した内容に補筆して紹介したいと思います。

まずは,当日の授賞式全体の流れについて。


■大賞(総合評価賞)■
 「トナカイの放牧飼育を含むエンリッチメント」
191221エンリッチメント大賞2019_011_1207 (31)概要スライド_大森山動物園0000 - コピー.JPG

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posted by ドージマ・ダイスケ at 09:59| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月22日

熱かった!エンリッチメント大賞2019(1)

ツイッターではざっとお伝えしましたが,
さる12月7日に行われました
『エンリッチメント大賞』2019年表彰式・受賞者講演会について,
より詳しい情報も加えて このブログにもupしたいと思います。

まずは,当日の授賞式全体の流れについて。

191221エンリッチメント大賞2019_001_1207 (10)東大弥生.JPG

会場は東京大学の続きを読む
posted by ドージマ・ダイスケ at 10:11| 東京 ☀| Comment(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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