2008年04月15日

【本】人体解剖図vs骨格写真集

木原アイコン
学生がお気軽に買うような本じゃないわなー,趣味じゃないって人も多いだろうなーと思うけど,生物(学)好きとしてはつい手にとりたくなる本。


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■■
    
人体解剖図
ベンジャミン・リフキン,ジュディス・フォルゲンバーグ,マイケル・J・アッカーマン,松井 貴子(翻訳)
二見書房 (2007/12/1) 336ページ
→Amazon
まずは,『人体解剖図』。
美術史家兼美術商のリフキン,バイオメディカルの研究者・アッカーマン,フリーライター兼装幀家のフォルゲンバーグが共作した“医学的歴史学的美術書”とでもいうべき,神聖ローマ帝国時代のヴェサリウスから現代の詳細なCG画像まで歴史上の解剖図をあまねく収集・収録した本だな。


美可理アイコン(niko)

レオナルド・ダ・ヴィンチの描いた人体解剖のスケッチも紹介されてるわね。完成した絵画じゃなくて素描だから序章での扱いだけれど。

史絵アイコン(niko)

「耳管」の別名「エウスタキオ管」に名前が残っているエウスタキオという人も解剖図の本を出していたんですね。

美香理アイコン

この本に収録されている解剖図は,欧米の医学史を物語るようにさまざまな描かれ方をしているけどすごいわね…。
生きているようにポーズをとっている人の体が切り開かれて内部の構造が見えるという絵も。悪趣味のようにも見えるけど,当時の人たちの「知りたい」という執念みたいな思いを感じるわ。
何年か前,「人体の不思議展」ていう,プラスティネーションで生きたときの色や形で保存された人体標本を展示するイベントが大都市を巡回してて,何回かシリーズになってたけど,私が2度目に行ったときにはおかしなポーズをとらされている遺体があって,体を提供された人をばかにしているようでもう行かないと思ったことがあったけど,この本の解剖図はなんか違う感じがするわ。

樅男アイコン

あのイベント,回を追うごとに見せ物主義的な傾向が強まったのと,遺体の入手方法に疑惑があって(世界一死刑の多いあの国から安価で買い集めてたとか…),立ち上がりのとき顧問をしていた養老孟司先生も早々に絶縁宣言してたよな。

史絵アイコン(niya)

欧米では,人骨を紋章のデザインに使うなど,骨や遺体(のデザイン)を身近に置くことが珍しくない文化がありますから,日本とは死や死体に対する考え方が違うかもしれませんね。

樅男アイコン

二次大戦後の日本だかベトナム戦争だかでアメリカ兵が小さな女の子に頭蓋骨をおみやげに贈ったって写真が当時の雑誌に当たり前のように載ってたとかいうよな。てことは,海賊みたいなドクロマークの旗を掲げてるあの環境“問題団体”の「シー・シェパード」も,怖く見せようとかじゃなくて普通に「俺たち,かっけー!」とか思ってる可能性が高いわけだ。

涼アイコン(うう…)

この,
おなかの赤ちゃんの絵が延々と続くページ,こわいです…。

美加理アイコン(ee)

モノクロでリアルに描かれているけど,鉗子で頭を挟まれた(掴まれた)胎児の絵とか,冷たいというか残酷にも見えるわね…。解説を読むと,このハンターとスメリーという人たちは産婦人科の分野をすごく発展させたんだって。医学向上のためにこれらのしっかりした図の入った医学書を作った功績は大きいそうよ。

樅男アイコン

変なポーズをとらせればふざけてる,リアルに描けば残酷って言いたい放題だな。

木原アイコンnika

人体解剖って,どうしても「死」と隣り合わせだから,いろいろ考えてしまう,いろんな感情が出てしまうのはしかたないわな。
それだけに,今の日常生活ではまず見る機会のない人体の内部構造に対して昔の人が持っていた好奇心ってのはすごいものがあったと思うんだよ。だれもが自分の体に持っている,一番身近でありながら見えない体のしくみ。自分はどういうしくみで生きているんだろう,生きている自分と死んだ状態はどう違うんだろう,生きているってどういうことなんだろう?って。これらの解剖図譜をつくってきた人たちはすごい情熱をもってたと思うんだな。


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骨から見る生物の進化
J・ド・パナフィユー(著),X・バラル(監修),P・グリ(写真)
河出書房新社
→Amazon
木原アイコンいっぽう,こちらはある意味究極の解剖図,
ひたすら高画質の骨格の写真のみを掲載した,
「“魚”という分類区分が消滅した」など,
系統・進化に関する解説も読み応えがあるけれど
圧倒的な写真の存在感に引きつけられる,美術書の趣が高い写真集。

鳥や魚の骨格が普通にあるのに加え,
走っているポーズをとっている哺乳類の骨格が妙に生き生きした印象を
感じさせるんだよな…。馬に人がまたがっているポーズなんか,
さっき出た話からすればふざけてるってことになるかもしれないけど
なんかそんなことを考える隙を与えない,衝撃的なものがあるな…。

こんなの市や学校の図書館に置いてあったらすごいと思うんだけど
9千円以上するんだよな。写真集,しかも専門書でもあり
さらに大型本ってったらこんなくらいするとも言えるけど…。
小説とかと違って文庫化とかありえないしな…。
書斎に置いといて一人でじっくり読む本って感じか?
どこも予算が厳しいって聞くけど,こんな本が置いてある図書館って
いかすと思うんだけどな。



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posted by ドージマ・ダイスケ at 07:42| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 【おすすめ本】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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