2008年04月11日

「身長は遺伝が9割なわけない」マジ追記

前回書きました「身長は9割が遺伝」なわけねーだろ!
について,「ありうると思う」旨のコメントをいただきまして,
ご返事のコメントをいったん書いたのですが,
あのエントリーを書くにあたって自分の考えていたことを
改めて説明しないと言葉足らずになってしまい回答にならない
と思いまして,改めて別エントリーとして上げることにします。
■■■■■■■■■■

Yoshiさん,コメントありがとうございます。
そうですね…おっしゃるとおり,ありうると言えばありうる…,
「あるわけねーだろ」と書きつつも,
私も全否定できるだけの証拠を示しているとは思っていないです。
おそらく,特定の条件の範囲内であれば成立する話なのかも
しれないとは思っています。

体重と比較して身長はほぼ完全に遺伝的要因によって
決まる と書いてあるように,
同じ人物(特に成人)が多少ダイエットしようが運動量を増やそうが
体重や脂肪率と違って身長が数%増減するなんてことはまずないでしょうし
同じクラスの生徒たちを比べた場合,その身長の個人差の多くは
遺伝的要因によって決定されている可能性はあるでしょう。

ただ,やはり
> 遺伝的および環境的要因に支配される肥満とは違い、
> 身長はほぼ完全に遺伝的要因で決定される。
> 通常の身長の差異の90%は栄養ではなくDNAの遺伝情報に
> 左右される。

と言いきるのは乱暴すぎると思うんですね。

まがりなりにも理系科目のブログであるここでは,
学者の発表だから,サイエンス系の記事だからというだけで
「ありうる」だろうと容易に受けいれるような態度はとりたくないのです。
(実際には気づかずに受けいれちゃってる情報や説も
 多いと思いますが(^_^;))

■■
体重や脂肪率と違って短期間で大幅に変動することがない(特に,
数年以内のスパンで縮むということは「通常」まずない)
ということは,環境的要因によって身長に違いが出るかどうか
基本的に確かめられない(食生活を変えたら身長も変わるのか
という調査・実験は同一人物ではできない)というだけの話で,
否定もできないと,私は思います。

一番確かと思われる検証方法は,一卵性双生児を生まれた直後から
全く栄養環境の異なる環境で育てて,それでも身長に有意な差が
生じないかどうか確かめる
という“実験”ですが,私は寡聞にして
そのようなデータがあるという話を聞いたことがありません。
(双子は同居していつも一緒に生活しているとだんだん互いに見わけのつく
 ような微妙な違いが出てくるが,互いの存在を知らないくらい長い間
 離れ離れに暮らしているとかえって驚くほど似ていることがある
 という話は聞いたことがありますが…
 これは別に科学的な研究でもなんでもないですから)


もしくは,遺伝的に同質であると考えられるが栄養状態が異なる
集団どうしで比較する
ということになりますよね。
それが,エントリーでも挙げました,
(13歳の平均身長…1950年:男子141.2cm,女子142.5cm
  2003年:男子160.1cm,女子154.9cm)

のデータです。

江戸時代の資料ならともかく昭和期の日本の統計調査を
正確性がないと決めつけるのもいかがなものでしょう。
Yoshiさんのおっしゃる昭和33(西暦1958)年の学校保健法適用というのが
どういう意味があるのか私にはわかりませんし,
その前後の数字を比べても,整合性がないようには思えません。

 (左が男子,右が女子)
1955年:145.3 145.7
1960年:148.1 148.1
1965年:151.7 150.3
1970年:154.0 152.1
1980年:156.9 154.0
1993年:159.4 155.0


と,男子は昭和40年代まで5年あたりで約3cmとすさまじい勢いで
平均身長が伸び,飽食の時代とまでいわれた昭和50年代以降は
数字の増加が鈍化しています。女子も,増加の幅が小さく
鈍化の時期が早いという違いはありますが,ほぼ同じ傾向と言えるでしょう。

この間,外部からの遺伝子の流入は日本国内の人口を考えると
ほとんどないといっていいですよね。
2007年現在でも日本の在留外国人は約200万人。
参考→http://www.mgu.ac.jp/~jfmorris/Zainichi/Zairyuugaikokujin.htm
    (宮城学院女子大学国際文化学科教授 J.F.モリス)
上記統計の時期には日本に住む外国人の数は
もっと少なかったと考えられますし,
日本人の平均身長を引き上げるほどの変化をもたらす
遺伝子を持ちこんだとは考えづらいですよ。

それでは,自然と遺伝子が変化して身長が伸びたのか?
たった50年ですよ?せいぜい3世代しか進んでいない期間ですよ。
同じ親から生まれたきょうだいで5歳下の子のほうが3cm大きい
(統計は13歳での身長なのでその時点では年齢差のぶん
 上の子のほうが大きいでしょうが,成長期が終わればふつう
 統計のとおり下の子のほうが大きいということになりますよね)
というような話です。
それが日本全体の平均として起こっているわけで,
そんな急激に遺伝的変化が1億個体という巨大な遺伝子プールで
起こり得るのか?中立説で考えれば10%以上もの身長変化が
わずか3世代以内で生じるとは考えにくいですし,
「身長は伸びる方向に進化するのが決まっているのだ」とする定向進化説で
考えても,もっと継続的に起こるんじゃないかと思います。

そうなると,戦後,日本人の身長が伸びた理由として
遺伝的要因をあげるのならば,この時期だけ急激に変わった理由も
説明する必要があるのではないでしょうか。
それだったら,欧米文化をとりいれ,肉系のおかずをとるようになるなどの
食生活・生活習慣の変化で説明するほうがよほど説得力があると
思います。
それは同時に,日本人の身長に対して環境的な限定要因が
存在した→環境要因は身長に大きく影響する
ことを示すものだと思うのです。

「いや,日本人のゲノムは変わらなくても,その中で発現する遺伝子が
 変わっただけだよ」
という言い方もあるかもしれません。
では,身長に関与する遺伝子の発現する・しないがなぜ変わったのか?
…外的要因ってことになりませんか?

または,
「通常の」身長の差異がDNAの遺伝情報に左右されるのであって
戦前戦後の日本の栄養状態など通常のレベルとはとてもいえない,
欧米の食生活に近づいた今がようやく通常の状態といえるのだ

という考えが前提にあるのだとしたら…
> 身長はほぼ完全に遺伝的要因で決定される
というのは,生物学としてあまりにも適用範囲の狭い説
ということになってしまいます。
遺伝要因と環境要因の影響を比べるのに環境要因の幅を極端に限定して
話をしているわけですから,何の意味があるんだろうと思ってしまいます。


■■
…とまぁ,そもそも
「通常の身長の差異の90%は栄養ではなく
DNAの遺伝情報に左右される。」

の一文が何を言いたいのか,どういう意味なのか
どういう条件・前提で語っているのか自体わからないので
いろいろなケースを想定してそれぞれに“反論”してみたわけなのですが
いかがだったでしょうか。

上にあげた個々の意見について,誤りがあれば指摘していただけると
ありがたく存じます。また,そもそも「通常の身長の差異の90%」の解釈が
的外れなら私の“反論”はすべて無意味ということにもなってしまいます。
「通常の身長の差異の90%は栄養ではなく
DNAの遺伝情報に左右される。」
の意味について
正しく理解できれば簡単に「それなら納得です」と
いうことになるかもしれませんので,
Yoshiさんほか,解説・御指導いただける方がいらっしゃいましたら
コメント等いただけるとありがたく存じます。
原論文など,もしご存知でしたら資料を御紹介いただけると本当に助かります
(その折には申し訳ありませんが日本語でお願いします…)。


身長と遺伝子の関係については
もっと含蓄のあるブログやサイトがほかにあるかと思いますが,
とりあえず私の考えているところはこんなところです。
失礼しました。


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※日本の場合,有史以来最も平均身長が低かったのは江戸時代と
 いいますから,定向進化説もあてはまりませんよね。
 参考→http://www.j-milk.jp/white/feature/8d863s000003ce80.html
     (国立科学博物館人類研究部部長・馬場悠男さん)
 また,江戸時代中期には大名と町人ではかなり身長や骨格が違っていたそうです
 (もちろん大名のほうが背が高く,顔は細面だったとか)。
 これも遺伝的要因によるものだとすれば,戦国時代から江戸時代にかけて
 大名になるか町人になるかは遺伝的要因で決まったことになりますね。
 そうでなくて,隔離で大名と町人が別々に進化しただけ?
 町人の娘が側室に入るケースもありましたから,生殖的隔離も
 成立しないだろうと思います。

顔を科学する!―多角度から迫る顔の神秘
馬場 悠男 (編集), 金沢 英作 (編集)/ニュートンプレス(1999/02)
→Amazon
顔の科学―生命進化を顔で見る
西原 克成/日本教文社(1996/04)
→Amazon
ラベル:進化 遺伝 身長
posted by ドージマ・ダイスケ at 17:12| 東京 ☀| Comment(12) | TrackBack(0) | ◇生物番組・ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
興味深いです。
栄養という要素は大きいと思います。
私の聞きかじりでは

○虐待され最低限の栄養でクローゼットで育てられた子供は思春期でも幼児くらいの身長しかなかった。保護された後も、あまり伸びなかった。

○狩猟生活をしていたころは180cmくらいあった欧人の身長が、5000年前に農耕がメインになり始めた頃に急速に縮んでいった。
病気や飢饉、重税で栄養状態がもっとも酷かった中世の骨格が一番小さい。

○乳製品を取っている子供とそうでない子供では骨格の成長に開きがある。人工乳で育てられた子供の方が、母乳で育てられた子供より体格がいい。(NZ Otago大学)

母乳で育てた私は「そりゃあ、成長して500kgから1トンに達する牛の乳で育てりゃあ体のでかい子が育つわさ。人乳には体より脳を育てる栄養成分が多いんだからね」
8歳で未だに6歳サイズを着ている次女ですが、頭はいいし、足は学年一の速さなんですけど…。やっぱりあまり大きくならないのも気になります。

Posted by ゆき at 2008年04月18日 07:55
コメントありがとうございます。

> 人工乳で育てられた子供の方が、母乳で育てられた子供より体格がいい

こういった類の研究調査はいくらでも行われていて
有意な結果が厖大な数蓄積されていると思うんですが
何をもって「身長の決定要因の9割は遺伝的なもの」
と言えるのか理解に苦しみますね。

この母乳か牛乳かの件,個人によるばらつきは
大きいと思いますが
先日このような記事を読みまして,
一理あるかなとも思いました。

牛乳を毎日飲むと、骨がゆがむ?【知ってますか? 骨の歪み(ゆがみ)はストレスから】
(gooニュース〜DIAMOND online 2008年4月6日(日))
http://news.goo.ne.jp/article/diamond/life/2008040601-diamond.html

消化・吸収効率のいい乳を常時飲んでいると胃腸のはたらきが弱まり,ふつうの食物が消化されずに腐って内臓を荒らしていくのだというホラーな内容の記事でしたが,この線でいくと,人工乳で育てたほうが母乳より体格のいい子に育つというのは,より完璧な成分構成につくられているからではなく,ヒトの赤ちゃんにとって合わないところがあるからこそ内臓が鍛えられて成長がよくなる…という解釈ができますね。

ともあれ,失礼ながらお子さんのことについて描かせていただきますと,子どもの成長期は人によってずれがありますし,身体能力的に優れているということでしたら健全に成長しているということですから,当面はこのままおおらかな気持ちでのびのびと育てていかれたらいいんじゃないかなと思います。
Posted by ドージマ at 2008年04月18日 12:37
お返事ありがとうございます

> ヒトの赤ちゃんにとって合わないところがあるからこそ内臓が鍛えられて成長がよくなる…という解釈ができますね。

鍛えられれば成長はよくなるかもしれませんが、運悪く拒絶したらアレルギーになっちゃうんでしょうねえ。

娘のことですが、心配のツボはやはり遺伝なんですよ。私と私の両親、夫と夫の父親は平均より高いのですが、夫の母親が並外れて低いのです。
つまり、4分の一の確率で低身長の遺伝かもしれない。特に遺伝って、隔世で出るって言うし…。
私自身、子供の頃は非常に低くて、中学で一気に伸びたので、娘もそうであってほしいな、と祈っているところです。
体操選手なんで、有利といえば有利なんですが。

身長が遺伝といえば、みんな背が高いウルトラマン家族とか、みんな背が低いピグモン家族とか(今どきの高校生に分かるかしら…)ありましたけど…。一人だけオチビとか、ノッポの家族はあまりない…。何万人の統計でなく、身の回りの感想ですみません。
Posted by ゆき at 2008年04月18日 14:03
ゆきさん

> 鍛えられれば成長はよくなるかもしれませんが、運悪く拒絶したらアレルギーになっちゃうんでしょうねえ。

動物系のおっぱいがダメで大豆系のミルクを
飲ませてるケースもありますよね(うちもそういう時期が…)。
また,最近はあまり聞きませんが,ふつうの牛乳でも赤ちゃんの頃は飲めても成長したら乳糖が分解できなくなってお腹がゴロゴロしてしまう人が多いということで,そうならない牛乳(加工乳)が大々的に売り出されていたこともありましたね(アカディ牛乳とかいう名前でした)。

> 娘のことですが、心配のツボはやはり遺伝なんですよ。
> 一人だけオチビとか、ノッポの家族はあまりない…。

前エントリーでボロクソに書いた「遺伝が9割」ニュースの記事ですけど,身長に関する遺伝子がたくさんある…記事の記述を信じるなら600はあるそうですから,4人の祖父母のうち1人だけ背が小さいだけなら「隔世遺伝」でその低い背がそのまま遺伝するのではなく,他の遺伝子との総合ポイントで身長が決まる→それなりに高い身長になるんじゃないかと思いますけどね。絶対的に重要な物質の欠損症とかの遺伝子を受け継いでいたとしても,優性遺伝子ってことはないでしょうから父方の対立遺伝子でカバーできるはずですし。
小学4,5年の頃って,すごい子は年に10cmくらいかるく伸びますからね。クラスの並び位置が劇的に変わったりして。

娘さん,体操の選手ですか。それはすばらしい。
体操選手や騎手などは本人の努力や能力がどれほど優れていても,絶対的に体格でカットされてしまう分野ですから,順調に成長したら逆に今の位置を手放さなければならず,悩ましいところですね。

御本人の気持ちをよそに他人の素人の無責任な話で恐縮ですが
おそらく今後の成長については心配いらないでしょう(過激な筋トレとかすれば別ですが)し,仮にこのまま同年代より小さい体格で成長したとしても,健康に支障が無いどころかそれを武器にできるスポーツの素質があるということで,どちらに転んでも困らない…うらやましいとしか言いようがないですね(^_^)>


Posted by ドージマ at 2008年04月18日 18:15
周りの家族を観察すれば、少なくとも
身長に与える影響は栄養要因よりも
遺伝要因のがはるかに大きいことは
明らかです。
Posted by バッタ at 2008年08月25日 18:58
バッタさん
私は父親より10cm以上,母親より30cm近く
背が高いのですが,この身長はどんな遺伝要因によって決まったのでしょう?
Posted by ドージマ at 2008年08月25日 21:17
以下を参考にどうぞ

ToTCoP(首都圏ふたごプロジェクト)
ttp://www.totcop.jp/ToTCoPCrossFB09.htm

遺伝率
ttp://www2.plala.or.jp/omiya/idennritu.htm

ふたご学級
ttp://www2.plala.or.jp/omiya/idennritu.htm
Posted by ゲタロー at 2008年11月16日 21:31
ゲタローさん
参考HPありがとうございます。

「遺伝率」のページですが,
> 遺伝率が1.0ということは100%遺伝で決定するということ。
> 身長、体重は遺伝率0.86と0.8(86%と80%)であり、両方とも遺伝的要素が非常に大きいことを示しています。
> ここで出てくる数字は、非常に沢山の研究の平均値ですので、個人的に見るとこの値より大きい場合もありますし、小さい場合もあります。 単なる目安として見る必要があります。各個人毎に遺伝率は違っているものと思われます。

> 子供の性格に関しては、家庭や親の育て方についてほとんど影響していません。
> 性格に影響を与えてるのは、家庭でなく、遺伝子と社会が大きな影響を与えている
> その割合は、ほぼ半分半分、ともに50%。

根拠となる研究・調査があったのはわかりますが
ざっと読むかぎりでは「う〜ん…」と思わざるを得ないです。どういう調べ方をしたのか知りませんが,遺伝を扱ってる研究なのに,なんか生物学的でない気がする。(血液型との違い,ふたごの相関率がいちばんポイントのようですね)
少なくとも「通常の身長や体重」の条件がかなり幅が狭そう(普通に考えても環境が影響しなさそうな程度の違いしか生じない)という気はしました。
もう少し,調べたり考えてみたいと思います。

Posted by ドージマ at 2008年11月17日 05:55
確かに日本人「全体」で考えれば江戸時代と現在とで遺伝的にはほぼ同じでしょうが、「個々」を考えれば遺伝的な違いの大きい家系も存在します。なぜなら子孫には配偶者の遺伝子が入ってくるからです。

ある家系の江戸時代の先祖の身長と平成の子孫の身長差の原因として考えられる@摂取栄養の違いなど後天的なものの違い。A遺伝的な違いなど先天的なものの違い。のどちらが大きいか?と問われれば、@が有力だと言わざるを得ません。

しかし、飢饉による餓死者も少なくなかった江戸時代と違って、現代の一億総中流飽食日本においては「身長が伸びるのに必要な栄養が摂取できる者が大部分」と思われ、(血のつながりのない)個々の身長差の原因は、遺伝的なものの違いが大きいと考えるのが妥当であり、その意味においては「遺伝が9割」は誤りではありません。
Posted by ゲタロー at 2008年11月17日 23:36
大変レスが遅くなり申し訳ありません。
11月17日 23:36にいただいたこのコメントなんですが,
これだとこのエントリーでさんざん書いてきたこと,ふりだしに戻ってしまうんですよね…。

「遺伝は9割」のソースとなった調査統計は医療福祉の観点から調べたものでしょうからおのずとその国内の社会環境の範囲内にある人びとが対象となりますし,そこから外れるケースを統計に含めても無意味(どころかノイズとなってしまう)ということになります。

しかし自然科学の見方,ヒトという動物のからだを決める要素として遺伝と環境の影響がどのくらいの割合か考える・述べる際にこのようなに環境の幅が限定された母集団の中で調べたデータを引くってことは,【環境の影響を最初から排除してる】わけですから「遺伝の影響が9割」になるのは当たり前,むしろもっと100%に近くてもおかしくないわけで,どういう条件・前提で出た数字なのか踏まえた上でないと「9割」という数字には全く意味がないわけです。

なので,先ほど紹介していただいた「遺伝率」の求め方を確認・勉強して理解を深めたいと思っているところです。今のところ,わけがわかりません。のっけから「IQの遺伝率」で,元データは同じなのに6つの計算方法によって0.3〜0.72も幅があったり,遺伝率を求めるおおもと,「相関係数」(1でそっくり,0で全く似ていない)自体どうやって求めるのか(正規分布や偏差を元にするのかなという気はしますが)という疑問が残ったり。

少なくとも,こういったニュースの見出しを鵜呑みにするバカにはなりたくないし,世の子どもたちに自分で考える力をもってほしいと思う気持ちはますます強くなった次第です。
参考リンクとご意見ありがとうございました。
Posted by ドージマ at 2008年11月23日 15:18
>少なくとも,こういったニュースの見出しを鵜呑みにするバカにはなりたくないし,
研究されている方々に失礼です。彼らは身長決定遺伝子の発見という偉業を成した方々ですよ。

>環境の幅が限定された母集団の中で調べたデータを引くってことは,
つまり、あなたは「最善と最悪」という両極端の環境で一卵性双生児を育てた場合の差を知りたいわけですね。それではお教えしましょう。

答:最悪のほうは身長の伸びが止まる成人期に達する前に虐待や栄養失調などで亡くなってしまい、調査対象になりません。
Posted by ゲタロー at 2008年11月23日 20:35
早々のレスおどろきました。恐縮です。
なんかおかしな方向に話が進んでしまいましたね。

> 身長決定遺伝子の発見という偉業を成した方々

別の人たちだと思います。遺伝子の発見と統計的な調査は手法がまるで違いますからね。
身長に影響する遺伝子は600以上あるということですし。
仮に同じ人たちだったとしても,偉業をなした人たちだからその発表に疑問を呈してはいけないというのは暴論じゃないでしょうか。

また,このブログでは再三科学ニュースにツッコミを入れてますが,その中には,研究者の発表をろくに理解せずに記事を書き配信しているケースが多く含まれます。つまり見出しのつけ方が間違っていたり,人目を引くためにもとの発表の趣旨をゆがめた見出しをつけている場合です。科学者が正しくても見出しがその意図を正しく伝えているとは限らない,そういう意味でも見出しを鵜呑みにするのは愚かだということです。

> 答:最悪のほうは身長の伸びが止まる成人期に達する前に虐待や栄養失調などで亡くなってしまい、調査対象になりません。

それは,調査のしかたによるのでは?
発育状況を知るために年齢ごとに計るのは珍しくないですし,生存年齢(生存率,死亡率)もデータに加味することは当然してもおかしくない。
そこまで極端な例ならなおさら死ぬまでの間,身長や体重に影響があるわけで,それを排除して「遺伝が9割・栄養が1割以下」というのなら,「この範囲の条件で」と示さないと数字に意味がないと考えているのです。

できれば動物実験で同じような実験調査をして,ヒトの場合どう違うかという話を示してもらうとわかりやすいんですけどね。(一番の問題は「ヒトでは実験できない」ことにあるわけなので)


> お教えしましょう。

とお書きになる時点で感情が先走ってしまい,
論点がずれてしまってるかと存じます…。

ここまでのやりとりでゲタローさんが「見出しを鵜呑みにするバカ」でないことは明らかなんで,貴方が激昂される理由はどこにもないかと思うんですが,どうしたんですか?
(私がバカと書いたのは,今回の元ニュースの内容をろくに検証もしないで「へーそうなんだ」みたいにコメントを書いてブログ1件仕上げてしまうような人たちという意味です)

こうやってやりとりしていく過程で私の考えも具体化,まとまってくる面もあってゲタローさんにはとても感謝こそすれ侮辱するつもりは全くありません。
皮肉でなく,本当にお礼申し上げます。
Posted by ドージマ at 2008年11月24日 00:08
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