2007年11月26日

Z会「参考書の参考書」を斬る(5) 河合出版『らくらくマスター生物I・II』

涼アイコン
先日のつづきですけど,
『参考書の参考書』で推薦されてた『らくらくマスター生物I・II 改訂版』,どうなんですか?

木原アイコン
う〜ん…,この本なんだけどな,
『参考書の参考書』の紹介文では,こうあるんだ。


高校生物の基本事項&入試での頻出事項が過不足なく掲載されている。必ず覚えなくてはいけない重要事項が,非常に効率よく押さえられるので,教科書を一通り読んだ後,本格的な入試演習の前に取り組む問題集としておすすめ。


基本構成としては,頻出テーマごとに単元を細かく分けて,見開き2ページ1テーマで左ページに例題,右ページに解答・解説という構成。
で,個人的には…あくまで個人的な感想だけどな,
これで生物の入試範囲を押さえられると思われるとすごく気持ち悪いんだ。
ある程度解説部分でフォローされるにしても,ここに載っている例題レベルの内容ではとても各単元で必要十分な内容はカバーできない。ごく上っ面,ダイジェスト的になぞるだけという印象で,なんか,定期テストの山掛けレベルって感じなんだよな…。

※ちなみにこんな感じの紙面です。
らくらくマスター中身

せめて順序が逆,簡潔ではあるけれどちゃんとしたまとめが先にあってその後で練習問題という構成ならわかるんだけれど。

美香理アイコン(niya)

それじゃ,なんのへんてつもないテキストになっちゃいますよね…。

木原アイコン
この『らくらくマスター』みたいに例題が主で解説が従という形だと,問題を解くのに必要な知識以外はおまけってことになるじゃないか。
あんまりにも各単元の内容をざっくり要約…というか一部を切り取って提示する形の構成なんで,『参考書の参考書』が推薦する「本格的な入試演習の前に取り組む問題集」というよりは,「入試演習まで一通りやった後,直前チェックに使う問題集」と考えたほうがいいと思うんだな。それなら高校生物の全範囲を短時間で読み直すことができるという点でいい本じゃないかと思う。河合出版だけに,すでに河合塾に通ってる生徒が使う本という感じかな…塾に通う前ではなく。


史絵アイコン(niya)
入試対策という点では,
出題範囲すべてをもれなく押さえてあるより,
出る確率の高い内容を選んで載せてあるほうが親切ってこともいえませんか?


木原アイコン
これも個人的な気分の問題なんだけどな…。同じく『参考書の参考書』でピックアップされている『生物I [要点]必出ポイント110 の攻略で合格を決める』(略称『得点源生物I[要点]』)なんかはまさにそうなんだよ。「とりあえずここだけは覚えておけ」という内容を押さえた解説本。これみたいに,著者の名前が出ている“予備校の先生が書いた参考書・問題集”の類は,その先生のフィルターを通して「ここが重要だぞ!」というポイントを示す点が大事だから,多少抜けや漏れがあってもそれが執筆者の個性でありセールスポイントなわけだ。
見るからにそういうつくりの本ならいいのだけれど,『らくらくマスター』みたいに“予備校が出している参考書・問題集”となると,紙面構成もそっけない,いかにもテキストといった感じの本だろ,必要以上に詰め込まれたら困るにしても,あんまりざっくりと内容を精査されちゃうと,内容の物足りないことが気持ち悪く感じられちゃうんだよな。

涼アイコン
そうしますとですね,
この本に対する評価はいかほど?


木原アイコン
実績のある本だし,最初にこの程度の内容をなぞっていけば高校生物の最初から最後まで楽に進めるので,意図のとおり入試演習の前の入り口としていいのかもしれない。
これで高校の生物の内容が頭に入った・大学に合格したという生徒だって何万人といるだろうけど,俺としてはおすすめしたくない。
『参考書の参考書』の紹介文も,まちがったことを言っているわけじゃないけれど,おすすめする心が伝わってこないというか,後付けで差し障りのないことを書いてるだけじゃないかな〜と思っちゃうんだな。スマン。

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 Z会「参考書の参考書」を斬る(1) サブノートvs必修整理ノート
Z会「参考書の参考書」を斬る(2) 数研出版『フォトサイエンス生物図録』
Z会「参考書の参考書」を斬る(3) 文英堂『理解しやすい生物I』
Z会「参考書の参考書」を斬る(4) 数研出版『トライアル生物I』vs旺文社『解説が詳しい生物I頻出重要問題集』vsもう1冊
Z会「参考書の参考書」を斬る(4´) 旺文社『解説が詳しい生物I・II頻出重要問題集』
受験生が買うべき生物の本(問題集)
posted by ドージマ・ダイスケ at 23:23| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【参考書・問題集】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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