2007年07月09日

Z会「参考書の参考書」を斬る(4) 数研出版『トライアル生物I』vs旺文社『解説が詳しい生物I頻出重要問題集』vsもう1冊

木原アイコン
参考書の参考書 1・2年コース

久々になるけどこのシリーズ,ノート式問題集,図説,総合参考書と1,2年から使う日常学習用の教材を取り上げてきたが,今回は問題集について。




    
解説が詳しい生物I頻出重要問題集
大町 尚史 (2003/02)
旺文社 ¥840(税込)
80頁+別冊解答64頁
→amazon
    
トライアル生物1 教科傍用 改訂版

※画像は生物IIのもの
数研出版編集部 (2007/03)
数研出版¥680(税込)
128頁+別冊解答40頁
→amazon

※トライアル生物Iは,現在は改訂版が出ている。「2007/03」発行の表記だが,
 今年4月からの学校採用を獲得するための見本として,実際には2006年11月に
 第1刷が発行されている。

「参考書の参考書」の寸評は
トライアル生物 I 新課程…教科書傍用問題集。問題集は,まずは教科書傍用問題集から取り組もう(学校で教科書傍用問題集を購入した人は,新たに購入する必要はない)。基本問題から応用問題まで段階的に取り組むことができる。【初級〜中級】
解説が詳しい生物I頻出重要問題集…過去の入試問題から,出題頻度の高い重要な問題が集められている。解説が詳しく見やすい。高1,2年生が,本格的入試演習の前に取り組む問題集としてお勧めする。【中級〜上級】


ってことで,かたや教科書を発行している数研出版
かたや通称「電話帳」と呼ばれるくらい入試問題の過去問題集として
確固たる地位を築いている『全国入試問題正解』の旺文社(→大学入試生物2008のamazon),
の両出版社らしく,
一からやりたい人は『トライアル生物 I (改訂版)』,
基礎ができてきた人は『生物I頻出重要問題集』ということで
はっきりと色分けが成されている。

■『トライアル生物 I 』がカテゴライズされている「教科書傍用問題集」
というのは,おもに教科書発行会社が発行しており,
基礎レベルとしてノート版のもの各種(※「参考書の参考書」を斬る(1)を参照),
初〜中級レベルとして『セミナー標準』(第一学習社),『アクセス』(浜島書店),
 『リードα標準』(数研),『ラプラシア』・『センサー新編』(啓林館)
中〜上級レベルとして『リードα』(数研),『セミナー』(第一),
 『ニューグローバル』(東京書籍),『センサー』(啓林)
…といったものがあるのだが,ほとんどは学校採用専用で,
個人向け販売はされていない。個人購入できたら生徒が解答を自由に
入手できるので問題を自分で解かなくなるという心配があるからだが
そんな中,書店でも購入することができる『トライアル生物 I 』は例外的な
存在といえる(実際問題,英語ならともかく理科の場合は学校採用する
場合でも別冊解答がはさみこまれている状態で生徒に渡して,
答合わせも自分でやらせるというケースが多いのだが)。

つまり,生物の日常学習において“問題集らしい問題集”というのは
書店で買おうと思うとけっこう選択肢が限られているのだ。
それでは,少ない選択肢の中から推薦されたこの2冊,
使い勝手のほうはいかほどだろうか。

『トライアル生物 I 』の内容は「まとめ」→「トライA(基礎チェック)」
→「トライB(基本問題)」→「トライC(応用問題)」の4段構成となっていて,
まとめの部分はページの天地左右が赤く縁取られていて問題ページとの
区別(および各章の区切り)がわかりやすくなっており,
1ページあたり数個の重要語句に対して空欄が設けられている
(答はページの下に書かれている)。
問題についても,まとめを含めて128頁の本冊に,
138題という問題数が収められており,教科書レベルの知識を一通り
マスターするのに過不足ない量となっている。そして学校採用を前提と
しているだけに600円台というリーズナブルな価格。
生物Iを一からやりたいけどノートものでは問題数が物足りないという人,
または資格試験や大検で「生物I」が必要という人にも,易しすぎず
難しすぎずでお勧めの一冊だ。

一方,
『生物 I 頻出重要問題集』のほうは,
受験で生物を全く必要としない,定期テスト対策の勉強まででいい
という人にはけっこうしんどい問題集となる。「まとめ」なしで
延々と問題ばかりが続く本冊は,生物Tの分野を6編に分け、
「基礎」と「発展」に分けて計86題が収録してあるのだが,
すべてが大学入試問題,つまり『トライアル生物 I 』に例えれば
しょっぱなから「トライC」で始まるようなレベル設定となっている。

ただし問題を解いた後は,「解答がくわしい」と銘打つだけあって,
別冊解答の解説は親切な内容となっている。
問題数が『トライアル生物I』の約6割なのに対して別冊解答の
ページ数は逆に1.6倍。2段組(トライアル)と1段組(頻出重要)の
違いがあるものの,文字の大きさ等はほぼ同じなので,
大問が多い点を差し引いても,2色を使った解答はさすがに詳しい
(解説がついていない小問も多いが,用語を答える問題などは
まぎらわしいポイントでもない限りいちいち「解説」をつけても蛇足だろうし
これでまずまず充分だと思う)。
本冊に解説やまとめがない分,解答のほうに重要事項をまとめた
「Point」が設けられていて,まさに問題を解く上での「ポイント」となるので
覚えて有効に活用するといいだろう。

美香理アイコン
収録されている問題は入試問題だけあって,日常学習用の問題集や
定期テストではあまり出ないような変わった題材を扱った問題もあって
やりごたえはありますよ。




木原アイコン
生物Iを一からやりたいけどノートものでは問題数が物足りないという人
向けの「易しすぎず難しすぎず」問題集は『トライアル生物I』しか
ないのか?!という人のために,選択肢をもう1つ。

シグマ基本問題集生物I―新課程版
文英堂編集部 (2003/02)
文英堂 ¥777(税込)
112頁+別冊解答32頁
→amazon
『シグマ基本問題集生物 I 』(文英堂)は,生物Iの内容を34項目に細かく分けてあるのが特徴で,それぞれ「まとめ」+「基本問題」+「応用問題」で構成。「基本チェック」の部分がないので,本冊が112頁の薄さながら収録問題数は178とボリュームは充分。扱われている内容もバランスがよく,特に参考書の『理解しやすい生物T』(または『生物I・II』)を持っている人にはセットでの使用が効果的。解答は,問題で扱われている内容を掘り下げるような解説はなく,問題を解く上で気をつけるポイントや遺伝問題などの解法を示すことに徹しているので全体としてはさほど詳しくはないが,問題を解いたり答合わせをする際に必要な点は押さえてあるので不親切というほどではない。

『トライアル生物I』と『シグマ基本問題集生物I』,
どちらを使えばいいか,選ぶポイントとしては,
・問題を解く前に,確認チェック的なものもあったほうがうれしい
 (空欄つきのまとめを読み込んだり基礎知識の確認をしたい)
 →トライアル生物I
・まとめなどの要素は簡潔で,問題をサクサク解いていく
 シンプルな構成のほうがいい→シグマ基本問題集生物I
・テスト前にまとめてやるより,授業の復習や内容の確認的に
 細かく進めていきたい→シグマ基本問題集生物I
 ※テスト前に一夜漬けでやりたい人も,テスト範囲が必ずしも
  章の区切り通りにはならないので,シグマ基本問題集のほうが使い勝手は良い。

・体裁的にとっつきやすいデザイン→シグマ基本問題集生物I
・使ってる教科書が数研出版だ→トライアル生物I
・参考書『理解しやすい生物I』(生物I・II)を持ってる→シグマ基本問題集生物I
・安いに限る→トライアル生物I




生物IIまで学習するという人には,
また回を改めて紹介してみたいと思います。


「参考書の参考書」掲載教材(高校コース高校基礎科)手(チョキ)

理解しやすい生物I―新課程版
  〔文英堂〕 1785円 (本体\1700)→Amazon
改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス 生物図録
  〔数研出版〕 924円 (本体\880)→Amazon
  ※07年2月改訂版発行。→Amazon
はじめる生物50テーマ 〔Z会出版〕 1,050円 (本体\1,000)
大学入試にでる 生物[遺伝]が面白いほどわかる本 新出題傾向対応版
  〔中経出版〕 1,260円 (本体\1,200) →Amazon
新課程 トライアル 生物I <教科傍用>
  〔数研出版〕 660円 (本体\629) →Amazon
  ※07年3月改訂版が出ています(680円税込)→Amazon
解説が詳しい 生物I 頻出重要問題集 大町 尚史
  〔旺文社〕 840円 (本体\800) →Amazon
サブノート 生物I 〔旺文社〕 935円 (本体\890) →Amazon


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posted by ドージマ・ダイスケ at 20:33| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 【参考書・問題集】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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