高校生物ではこの8月に大森徹先生著『入試標準問題集[生物基礎・生物]』と田部真哉先生著『生物問題集合格177問 入試必修編』が相次いで発刊されました。
![]() | 📖入試標準問題集[生物基礎・生物] |
| 大森 徹/文英堂 2019年08月01日 | |
| 📖生物問題集 合格177問【入試必修編】 (東進ブックス 大学受験) |
| 田部 眞哉/ナガセ 2019年08月6日 | |
ということで,当ブログでは学参の紹介自体久々になりますが
両者を徹底比較してみたいと思います。(^_^)ノ
この2点の問題集,いずれも大学入試2次試験対応なのですが,
両著者の先生の戦略というか,ここに至るまでに出されてきた参考書・問題集の
経緯が対照的なので,まずはこちらから紹介してみましょう。
まず大森先生のほうは,
入試のポイントを簡潔にまとめた『大学入試の得点源』(文英堂)
効率的なセンター対策本『センターはこれだけ!』(文英堂)
演習書の定番『生物 基礎問題精講』(旺文社)
などを著され,本格的参考書として『最強講義117講生物』を出されます。
![]() | 📖大森徹の最強講義117講 生物[生物基礎・生物]大森 徹/文英堂 2015年07月 |
| ※前身は『大森徹の最強講義117講生物I・II』(2009年)→『大森徹の最強講義117講生物I・II 増補版』(2014年) |
この参考書は,以前当ブログでも紹介しましたが,「大したことが書いてないんじゃないかと思うくらい読みやすい語り口で高校参考書トップレベルの内容を教えてくれる本」。800ページの大ボリュームで高校の「生物基礎」「生物」の大学入試出題範囲をきっちり解説してくれます。
【参考書】待たされたな!『大森徹の最強講義117講生物[生物基礎・生物]』(2015年08月08日)
そして翌年,この参考書に対応する形で『最強問題集159問生物[生物基礎・生物]』を発刊。
![]() | 大森徹の最強問題集159問 生物[生物基礎・生物] (シグマベスト)大森 徹/文英堂 2016年03月 |
| ※前身は『大森徹の最強講義問題集150問生物I・II』(2010年) |
これらはどちらも2次試験対策用の非常に詳しい参考書と
発展的な応用問題を集めたハイレベルの問題集になります。
その後,大森先生は一転,一から高校生物「生物基礎」を勉強する生徒・受験生のための
『生物基礎が驚くほど身につく41講』を昨年発刊します。
![]() | 📖大森徹の生物基礎が驚くほど身につく41講 |
| 大森徹/文英堂 2018年05月30日 | |
こちらは,やさしい例え話やイラストなどで「ほとんどスッカスカで何も書いてないんじゃないかと思うくらい読みやすいのに,いつの間にか生物基礎の内容を一通りきっちり教えてくれる本」。気がつけば,高校の「生物基礎」でセンター試験に必要なレベルの知識は一通り押さえられています。
(既にある程度「生物基礎」がわかっている人には一からやさしく解説するスタイルがまどろっこしく感じると思いますのでおすすめではありません(;^ω^))
それこそ読むだけなら一日で読めてしまうくらいの本ですので,まずは最初にさらさらっと通して読んで各学習内容の重要なポイントをイメージとしてつかみ,何度か読み返して細かい知識をおさえていく,あいまいだった記憶をクリアにして固めていく勉強法がよいのではないかと思います。
そして今回の入試標準問題集生物。
つまり,『センターはこれだけ』や『得点源』など,少ない負担で効率よく勉強するための
ポイントを押さえたシンプルな本で,多くの生物が苦手な受験生を合格ラインまで
引き上げてきた大森先生が,
『最強講義』『最強問題集』で詳しい知識,応用力を問う発展問題への対応力を養う
上級者カテゴリーを押さえ,そこから再度
『生物基礎が驚くほど身につく』と『入試標準問題集』で
一から受験勉強をする受験生の力を引き上げる参考書・問題集をリリースしてきた
といえます。
一方の田部眞哉先生。
こちらは,現課程に入ってまずリリースしたのは
『生物基礎をはじめからていねいに』(はじてい)。
![]() | 📖田部の生物基礎をはじめからていねいに (東進ブックス 名人の授業)田部 眞哉/ナガセ 2014年01月 |
| ※前身は『田部の生物Iをはじめからていねいに 生命の連続性編』(2007),『同 環境と生物の反応編』(2008) |
これは,とにかく濃いです!
田部先生が語りたくて語りたくてしょうがない,伝えたい思いと教えたい内容を思い切りぶち込んだ1冊。
当ブログでも既に紹介していますが,図解には本当にこだわりまくっています。あと,免疫と遷移の分野についてめちゃめちゃ情熱を注いで(ページ数を割いて)解説しています。
【参考書】こってりこだわりの味!『田部の生物基礎をはじめからていねいに』(2015年05月06日)
逆にいうと,時間のない受験生にとってはくどいところがあるかもしれません(;^ω^)。
『はじてい』の3年後,田部先生が世に送り出してきたのが
『生物合格77講【完全版】』
![]() | 📖生物合格77講【完全版】 (東進ブックス 大学受験) |
| 田部 眞哉/ナガセ 2017年03月 | |
| ※前身は『生物IB合格48講』『生物II合格24講』(1999年)→『生物I合格39講』(2004年),『生物II合格33講』(2005年)→『同 パワーアップ版』(2010年)→『同 完全版』(2013年) |
『合格〇〇講』の書名で旧旧課程から書き継いでこられたこの参考書。
現行課程版になり,
(1) 高校生物の2科目分冊だったものが1冊で全てカバー!
(2) 長らく2色(黒+赤)印刷だったものが4色カラーに!
内容の詳しさ,網羅性はもちろん高校生物参考書トップクラスで
特に,発展内容の取り上げられるポイントが興味深く理解を深めるのに
絶妙なセレクトのものが多いと思います。
東進予備校さんの授業1コマより安い値段でこの1冊が手に入ってしまうなんて
めちゃめちゃコスパがいいです!
正直,受験勉強が終わって大学に入学した後もしばらく使える本だと思います。
東進予備校 2019年授業料
ただ,私見ではありますが,この本,
紙面デザインが破壊的にくそダサいです。(;^ω^)
昔から垢抜けなくて,現行課程になってきれいな紙面の『はじめからていねいに』が先に出たので,
田部先生はこちらの路線を進めていくんだなと思ったら,
内容もデザインも旧課程版から更新されているのに洗練レベルは全く上がらない
『合格77講』が出てきて,正直絶句したものでした。
図版も新課程に新しく描かれた図と20年以上昔に描いたんじゃないかという
古い図が混在していてフォントもばらばら…orz
この秋に改訂版が出るそうですので,買いたい方は
ナガセ(東進ブックス)さんのアナウンスに注意して購入時期をご検討ください。
あと,こちらもページ数が800ページあるとはいえ,
これだけの情報量を詰め込む都合上,本文は解説するというより
まとめの要素が強く,たとえるなら「超くわしく書かれた授業ノート」のような
印象を受けました。慣れないと,読みこなすのにちょっとエネルギーを必要とするかもしれません。
こうして,「生物基礎」を一から勉強する受験生用,
「生物基礎+生物」をみっちり詳しく勉強する2次対策用の参考書をリリースしてきた
田部先生は,昨年,生物基礎用の問題集を発刊します。
![]() | 📖生物基礎 一問一答【完全版】 (東進ブックス 大学受験 一問一答)田部 眞哉/ナガセ 2018年02月 |
| ※前身は『生物I 一問一答』(2010年) |
そして今回の生物問題集合格177問 入試必修編。
つまり,(1)『はじめからていねいに』で一から「生物基礎」を学習する受験生,
(2)『合格77講』で「生物基礎+生物」をみっちり詳しく勉強する受験生用の参考書
をリリースしてきた田部先生が,
(3)『一問一答』で「生物基礎」の基礎レベル内容を押さえ
いよいよ今回『生物問題集合格177問 入試必修編』で詳しい知識,応用力を問う2次対策問題集へ展開してきたと言えるでしょう。
という感じで大森先生と田部先生の戦略,ここまでの展開について
紹介しました。
次回はいよいよ『入試標準問題集[生物基礎・生物]』と
『生物問題集 合格177問』の共通点や違いについて
紹介したいと思います。
📖入試標準問題集[生物基礎・生物] 大森 徹/文英堂 2019年08月01日 | 📖生物問題集 合格177問【入試必修編】 (東進ブックス 大学受験)田部 眞哉/ナガセ 2019年08月6日 |
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