2019年07月20日

【行ってきた】見どころは人それぞれ!恐竜博2019

猛暑の5月は今は昔,6月から長らく梅雨シーズンが続いていましたが天気予報ではもうすぐ梅雨明け・夏への突入とのことですね。
冷夏・冷害の言葉が頭に浮かぶ梅雨寒の日々,かつて平成5年(1993年)にコメの大凶作があって海外米を輸入する事態に陥った日本ですが,今は耐寒性の強いお米が増えていることと,当時と比べてコメの需要が15%も落ちていて,今年現在の気候状況では大きな問題は起こらないであろうとのこと。

さて,そんな夏休み前の7月中旬,「海の日」を含む3連休から開幕した
東京上野の国立科学博物館『恐竜博2019』
1907科博_恐竜博2019_00 o(1)恐竜博2019看板.JPG

「恐竜博2011」では新知見のティラノサウルスvsトリケラトプス,
1907科博_恐竜博2019_00 トリケラトプスvs2011(24).JPG

「大恐竜展」(2013−2014)ではゴビ砂漠の
 ヴェロキラプトル,タルボサウルス,サウロロフスなど
1907科博_恐竜博2019_00 サウロロフス2014(32).JPG

「恐竜博2016」では史上最大の肉食恐竜・スピノサウルス
1907科博_恐竜博2019_00 スピノサウルス2016(67).JPG

と,大きな目玉となる展示を擁してきた歴代の恐竜博ですが

今回は,なんといっても「恐ろしい手」デイノケイルス
新しい恐竜発掘のメッカ・北海道からやって来た「むかわ竜」ですかね。
1907科博_恐竜博2019_01 (17)デイノケイルス前肢_腕.JPG

1907科博_恐竜博2019_01 (157)むかわ竜_全身復元.JPG

ですが,今回の恐竜博は,ほんとうに人それぞれの
異なる見どころがあって楽しいと思います。

入場してまず目に入るのが,
ディノニクスのホロタイプ標本(新種を発表して学名を登録する際に
その種の基準として指定される標本)。
1907科博_恐竜博2019_03 (37)冒頭展示_ディノニクス.JPG

1907科博_恐竜博2019_04 (37)ディノニクス前肢ホロタイプ標本.JPG
このディノニクスの命名から今年で50年になるのですね。

このディノニクスはどんな恐竜なのかというと,


このようにヒャッハーな感じで他の恐竜を狩っていたと
推察される肉食恐竜なのです。
1907科博_恐竜博2019_05 (43)テノントサウルス・ディノニクス後.JPG
(全身復元骨格。襲われている恐竜の化石はテノントサウルス
1907科博_恐竜博2019_05 (11)ディノニクス.JPG
恐竜温血説,鳥類の恐竜起源説のきっかけになった恐竜です。


続いて登場するのがこの巨大な手,デイノケイルス(複製)。
1907科博_恐竜博2019_07(59)デイノケイルス_前肢_腕.JPG
デイノケイルスはこの後,全身復元骨格が登場します。


そしてマイアサウラ
恐竜が卵を産みっぱなしではなく子育てしていたことを
あきらかにした化石の恐竜。
1907科博_恐竜博2019_08(22)マイアサウラ_親子.JPG


それから,けっこうこれが強烈にツボだったお子さんもいたとか。
恐竜が絶滅せずに進化していたらどうなったか?を考察し
1982年に発表された「恐竜人間」ディノサウロイド
1907科博_恐竜博2019_10 (66)ディノサウロイド_恐竜人間.JPG
この展示の上にCG映像が放映されていて,モデル歩きというか
ドヤっているというか,いい味出してます。


この後,「羽毛恐竜」シノサウロプテリクスとか
雄が抱卵していた「イクメン恐竜」シチパチとか
頭頂部の色が赤,胴体の背中側が濃い茶色で腹側が白と
体色が明らかになったアンキオルニスなど
次々に新発見が成された節目となる恐竜の化石を見た後で
やってくるのが,
「謎の恐竜」デイノケイルスのコーナー。
1907科博_恐竜博2019_20 (96)デイノケイルス_11m全身.JPG

カモノハシ竜のようなくちばしをもった頭部,
巨大な手(植物をかき集めて食べていたらしいが
胃の内容物からは魚も見つかっている),背には帆,
龍脚類のように骨が空洞化・軽量化して巨大化…
と,いろいろユニークな特徴が見つかっています。

1907科博_恐竜博2019_21 (123)デイノケイルス_前肢・腕_下から.JPG


同時代に同じ地域に生息していた「アジアのティラノ」
タルボサウルスも展示。
1907科博_恐竜博2019_25 (40)タルボサウルス.JPG
2011年の恐竜博でトリケラトプスと対峙したティラノサウルスの展示と同様
地べたにしゃがみ込んでいるほぼ腹ばいのポーズ。
これだと前足の小ささが際だつというか,何のためについてるんでしょうね。


続いては最新研究から見つかってきた成果についての
コーナー。
「ロミオとジュリエット」ことオヴィラプトル類のカーン
1907科博_恐竜博2019_30(131)カーン_オビラプトル類_ロミオとジュリエット.JPG

1907科博_恐竜博2019_30(130)カーン_オビラプトル類_ロミオとジュリエット.JPG

巨大龍脚類の実物大模型などを見て,
続いてのchapterは,「むかわ竜の世界」
1907科博_恐竜博2019_40(137)会場chapter4.JPG
近年,日本で続々発掘される恐竜や海生爬虫類のコーナー。
NHKでも再現CG映像が流れましたけれど
CG映像を4Kシアターで上映するコーナーも。
(当日は設備不調でスクリーンではなく大画面テレビでの視聴になりました)


北海道で発見され,
「むかわ竜」全身復元骨格と,
全身の約80%が残る全身実物化石は世界初公開!
1907科博_恐竜博2019_41(146)むかわ竜.JPG

1907科博_恐竜博2019_42(160)むかわ竜.JPG


それに先行してこの地で発見された首長竜
ホベツアラキリュウ
1907科博_恐竜博2019_45 (156)ホベツアラキリュウ.JPG
私がこどものころは福島県の双葉層から鈴木直さんが発見した
「フタバスズキリュウ」が有名で,ドラえもん映画第1作
『のび太の恐竜』の元ネタともなったものでしたが
名前のつけ方がそれを思い起こさせます。
フタバスズキリュウは実物標本がこの国立科学博物館に展示されているんですよね。
こちらも発見から51年,当時高校生だった鈴木さんも,今年でもう68歳なんですね。

そしてフォスフォロサウルス
1907科博_恐竜博2019_46(63)フォスフォロサウルス_海生爬虫類.JPG
元素のリン(燐)が英語でphosphorusなんだけど…
と思ったら,名前の由来が「リン酸竜」ですって


こちらは和歌山県で発掘されたモササウルス類
日本で最も“完全度”の高い全身骨格とのこと。
1907科博_恐竜博2019_48(162)_モササウルス類_全身_和歌山.JPG


そして最後のchapter,
「絶滅の境界を歩いて渡る」

最初に,この特別展の目玉とは別に人それぞれのイチ押しが
見つかる旨書きましたが,写真撮りたくなったり
すごい!って感想を言いたくなる展示がこちら
ティラノサウルスですよね。
1907科博_恐竜博2019_50(179)_ティラノサウルス.JPG

1907科博_恐竜博2019_51(73)_ティラノサウルス.JPG
もう定番のような存在なので目新しさというのはないですが
迫力・存在感・人気は不動のものがあります。

あとは古代水鳥のイクチオルニスとか
巨鳥ガストルニスとか。
1907科博_恐竜博2019_90ガストルニス (197).JPG

1907科博_恐竜博2019_91ガストルニス (193).JPG
ガストルニスは元ディアトリマと呼ばれていましたが,
それより先に命名されていたガストルニス属に統合。
ディアトリマといえば,シカなどの小動物を蹴り殺して食べる
獰猛な猛禽のイメージで紹介されていた記憶がありますが
このくちばしは…植物食性ですよね。


1907科博_恐竜博2019_95 (204)_化石クリーニングラボ.JPG
このほか発掘した化石入りの岩石をクリーニングして取り出す
作業の実演や,スマホで撮影するとARでデイノケイルスの
前足が飛び出る記念撮影コーナーなど
家族で見に行っても楽しめるポイントがたくさんです。

会期は10月14日(月・祝)まで。
興味のある方はぜひ見に行ってみてください。



※やはりお子さんに人気の恐竜博,週末や休日はファミリー連れで
大混雑・長蛇の列になります。
いつも科博の特別展は平日の夕方などはとても空くのですが,
週末などでも午後のほうがおすすめ。

開催2日目の14日日曜に行った私は9時の開場をすこし回った頃に
着いたのですが,雨の中異様な長さの行列が。100分待ちのアナウンスで
実際には70分くらい,という状況。
私は年パス(リピーターパス)持ちで常設展のディスカバリートークも
聞くつもりだったのが恐竜博の後では時間が絶対合わないので順番を
入れ替えて調整したら,午後になって行列もかなり解消したので
これからの夏休みシーズンも同様の状況が予想されます。

動物園や水族館はふつう土曜の午前は比較的余裕があるものなのですが
上野の動物園や,博物館・美術館の特別展は朝ほど熱心な人であふれかえります(;^ω^)。



恐竜博2019 
会期:7月13日〜10月14日(月・祝)
休館日:7月16日,9月2日・9日(月),9月17日・24日(火)・9月30日(月)
開館時間:9:00〜17:00 入場は閉館時刻の30分前まで
    金曜・土曜は20時まで,8月中旬に18時までの時期あり

入場料:通常チケット 一般1600円,小中高校生600円,
    金曜・土曜限定ペア得ナイト券2名1組2000円(当日17時以降販売)
常設展や年パスで入場した人は差額の支払いで入場可
    一般980円(団体料金で入場した人は1100円)
    小中高校生・65歳以上・賛助会員・招待券入館者は要全額支払
近隣美術館展覧会との相互割引(100円引き)実施
コラボグッズ付きなどの特別チケットはいずれも完売
https://dino2019.jp/ticket.html


公式サイト(国立科学博物館)
https://dino2019.jp/

恐竜博2019 図録(公式サイト)
https://dino2019.jp/goods.html
毎回特別展の図録は2千円台で趣向を凝らした,読み応えもきれいな写真も
充実したものなんですけど,恐竜を特集するときは展示物の点数が少ない分
全部をもらさず,大きく掲載されて,解説もみっちり入るのでよりおすすめです。
荒川弘先生のマンガ4ページもいい味出して楽しめます(^_^)

恐竜博2019との連動企画
NHK「恐竜超世界」NHKスペシャルで2回シリーズ放送
https://www.nhk.or.jp/special/dino/



恐竜(BOOK☆WALKER)

ナショジオとの連動連載
「研究室」に行ってみた:研究者 真鍋真/国立科学博物館 標本資料センター 恐竜
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/19/070300010/
 取材は川端裕人さん


posted by ドージマ・ダイスケ at 08:10| 東京 ☀| Comment(0) | 生き物日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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