2019年04月14日

【行ってきた】実質「骨展」!科博『大哺乳類展2』

春ですねえ。
三寒四温の時期はとうに過ぎ,桜の季節もやってきて
本格的な春といえば「移動性高気圧で天気が変わりやすい」と
中学の理科でも教わりますが,今年もまあ
3月の後半からこのかた,晴れ→曇り→雨→…の天気のローテーション。
私がお出かけする休日(有給休暇も含め),
ことごとく絵に描いたように悪い天気に見舞われております。
前回upした油壺マリンパークのときも含め勝率低い低い(;^http://ddaisuke.seesaa.net/article/464796006.htmlω^)。

そんなこの春,まあまあ晴天の某日に行ってきました
東京上野は国立科学博物館で始まりました
『大哺乳類展2〜みんなの生き残り作戦』
1904 科博_哺乳類展2_01入口.JPG

「2」ということは当然

初回があるわけで,
前の『大哺乳類展』は2010年開催。
…っと,あれ?本棚を探しても図録が見当たらない。
2014年の『太古の哺乳類展』はあるんだけど…
 http://ddaisuke.seesaa.net/article/403626292.html
このブログでも記事検索してもヒットしない。
もしかしたら,行ってないかもしれません(;^ω^)>

博物館の特別展ですからもちろん生体展示がないということで
哺乳類の剥製をたくさん並べられても生きている個体の姿とは
けっこう別物という感がありますし,動物園で見られない種類が
見られるといっても科博は常設展がおそろしく充実していますので
「特別展でよそから取り寄せるにしてもヨシモトコレクション+αって感じ?
 けど沢山並べたら奥のほうの剥製が遠いって感じになるよね」
 ●科博のヨシモトコレクション
  →https://www.kahaku.go.jp/research/db/zoology/yoshimoto/index.html

てな感じで,正直,開催を待ちかねて見に行く!という
スタンスではなかったんですけど,
けっこうおもしろいですね!
すむ環境による移動手段の違いや食性の違いによる頭部の進化など
哺乳類のさまざまな形質のバリエーションを
おもに骨格標本と骨格CG動画で読み解く特別展。
実質「骨展」ですね。


1904 科博_哺乳類展2_05アフリカゾウ骨格等.JPG
入って早々,アフリカゾウ,ジュゴン,ジャイアントパンダ,トナカイ,ウマ,ヒトコブラクダ,ツチブタ,カバ,シロサイ,キリン,ニシゴリラ,イリオモテヤマネコ,マタコミツオビアルマジロ,オオアリクイ,オオトカゲ,オオサンショウウオ…
と,迫力あるメンバーたちの骨格がずらり。

1904 科博_哺乳類展2_15ミナミゾウアザラシ骨格.JPG
ミナミゾウアザラシの骨格標本は上半身を起こした高さと幅,
骨の太さだけで別世界の生き物といった迫力!

1904 科博_哺乳類展2_19ブラックバック骨格_ジャンプ.JPG
東武動物公園や全国のサファリパークなどでも見ることができる
ブラックバックの優れたジャンプ能力について,骨格標本と映像で解説。
ネコ科動物と比べて偶蹄類は胴体を曲げ伸ばしする印象があまりないですが
体の弾性がすさまじいレベルなんですね。

チーター,オジロジカ,ニホンカモシカ,カラカル,ユキヒョウ,トラ,アメリカバク,シフゾウ,イノシシ,ラマ,プロングホーン,アカクビワラビー,クズリ,モウコノウマ,キョン,アメリカバイソン,シママングース,ニホンテン,オセロット,アヌビスヒヒなどの骨格を眺めながら先に進むと,はい,はく製大集合。
1904 科博_哺乳類展2_20はく製大集合.JPG

種名表示のパネルに写真がついているのはいいのですが
それでもはく製のそばについているわけでもなくて,6つくらいまとめて
手前に立ててあるのですが,はく製の位置のまっすぐ手前に立っているとは
限らず,よく似た種類のものもよく一緒に並んでいるためけっこう同定が面倒で
さらさらっと眺めただけで骨格ほどには注視せず先へ。

1904 科博_哺乳類展2_20はく製陳列.JPG
クジラ・イルカ類の生きた姿はFRP模型です。

はく製のメリットといえば,生体だと近づけないような動物でも
近くで見られること,ということで,インパラ,アザラシの赤ちゃん,
トラのはく製に触れる展示も。
1904 科博_哺乳類展2_30はく製をさわってみよう.JPG

移動手段の違いということで,さらに
シロテテナガザル,ショウガラゴ,フクロモモンガ,ムササビ,コモンツパイ,ポト,ボリビアリスザル,ケナガネズミ,ハクビシン,ノドチャミユビナマケモノ,クロシロエリマキキツネザル,ニホンモモンガ,インドオオコウモリ,アマミノクロウサギ,ハダカデバネズミ,ヒミズ,コウベモグラ…

1904 科博_哺乳類展2_90ショウガラゴ骨格.JPGショウガラゴ

1904 科博_哺乳類展2_90ハダカデバネズミ骨格.JPGハダカデバネズミ

といった,空中や地中を移動する個性的な面々の後は,いよいよ水中生活をする哺乳類たち。
ここでは,コビトカバ,セミクジラ,シャチ,アマゾンカワイルカ,ハンドウイルカ,スジイルカ,オウギハクジラ,セイウチ,ラッコ といったメンバーの骨格標本が展示されていたのですが,個人的に見られてよかったのが,アシカ。
1904 科博_哺乳類展2_40 アシカa.JPG
すらっとした首から全身のセクシーといってもいい滑らかでしなやかなライン,泳ぐ推進力となる前脚(前ひれ)はアシカショーでは余裕で片手立ちできる強さで,肩甲骨からどんなふうにつながって体を支えているんだろう,後ろ脚はどうなっているんだろうとすごく興味があったんですよね。
検索すれば骨格の画像が見つからなくもないですけど,やはり実物を見るのにははるかに及ばないわけで。

1904 科博_哺乳類展2_40 ゴマフアザラシ.JPG
アシカとアザラシの違いがわからない人が世間的にはまだ多数派なのかなと思いますが,骨格にすると余計わからなくなる?(;^ω^)
こちらゴマフアザラシですが,アシカは前脚で泳ぎ,アザラシは後ろ脚で泳ぐところが違うので,そこに注目すると明確に違っていますね。

あと,上から見るとアシカは肋骨の幅的に体の幅が細くて,アザラシは樽状の体という印象どおり骨格から横幅が広いといった違いも見られました。

さて,陸から海へと哺乳類の骨格と移動手段について
一通り見たところで後半突入。
もう1つの大テーマ
「哺乳類の生き残り戦略:食べる」
それぞれの種はそれぞれの食性によって
歯や口の形,それのついた頭部の形状を適応させてきたわけですね。

ということで,いきなりというか
引き続いてというか,クジラ類から。
ハクジラの代表・シャチと,ヒゲクジラの代表・ミンククジラの
頭骨標本を用いた動作再現装置。
1904 科博_哺乳類展2_40 動くシャチの頭部骨格.JPG

そしてこの後は,膨大な数の頭骨標本が続きます。
1904 科博_哺乳類展2_90頭骨.JPG

1904 科博_哺乳類展2_90頭骨2.JPG
カマイルカ(歯に触れる),チビフクロモモンガ,ハイイロリングテイル,コアラ,ウォンバット,クロキノボリカンガルー,オオカンガルー,アジアゾウ,アフリカゾウ,マルミミゾウ,ケープハイラックス,フタユビナマケモノ,ヤマビーバー,リチャードソンジリス,カオジロムササビ,インドオオリス,メガネヤマネ,オオヤマネ,アメリカビーバー,オルドカンガルーネズミ,トウブホリネズミ,バルチスタンコミミトビネズミ,シリアヒメメクラネズミ,コタケネズミ,マスクラット,ケナガネズミ,トビウサギ,ハダカデバネズミ,マレーヤマアラシ,カナダヤマアラシ,チンチラ,ビスカーチャ,パカラナ,マーラ,カピバラ,パカ,アマミノクロウサギ,クロシロエリマキキツネザル,フンボルトウーリーモンキー,アビシニアコロブス,シロテテナガザル,クアッガ,アメリカバク,マレーバク,シロサイ,ジャイアントパンダ,レッサーパンダ,キルクディクディク,ダイカー,シャモア,ボンテボック,アフリカスイギュウ,ローンアンテロープ,シロオリックス,キリン,シフゾウ,ニホンジカ,ラマ,フタコブラクダ,コビトカバ,カバ,ジュゴン,ニシインドマナティー,ナミチスイコウモリ,マヌルネコ,サーバル,オオヤマネコ,ピューマ,チーター,ユキヒョウ,ウンピョウ,ヒョウ,ライオン,ミーアキャット,ブチハイエナ,ホッキョクギツネ,ヤブイヌ,ハイイロギツネ,リカオン,ニホンオオカミ(!),イイズナ,サハラゾリラ,クズリ,ニホンカワウソ(!),シマスカンク,ハンドウイルカ,ハナゴンドウ,コマッコウ,オウギハクジラ,トド,セイウチ,ミミナガバンディクート,ハリモグラ,テンレック,ツチブタ,オオアリクイ,ピグミーマーモセット,オオガラゴ,チビトガリネズミ,カワネズミ,ジャコウネズミ,ヒミズ,ミズラモグラ,ハチマキカグラコウモリ,セバタンビヘラコウモリ,オガサワラオオコウモリ,シタナガフルーツコウモリ,オオミミギヅネ,ナマケグマ,フィリピンヒヨケザル,フクロモモンガ,ブチクスクス,フクロギツネ,フサオネズミカンガルー,コモンツパイ,ワオキツネザル,コモンマーモセット,ヨザル,マントヒヒ,チンパンジー,ジャコウネコ,アカハナグマ,アライグマ,マレーグマ,ツキノワグマ,イノシシ,イボイノシシなどなど…
1904 科博_哺乳類展2_50 頭骨たち.JPG

1904 科博_哺乳類展2_90カモノハシ頭骨.JPG
カモノハシのくちばしって,両サイドに骨が通っていて口先はやわらかい(軟骨入り?)構造になっているんですね。


さらにこの後は,最後のテーマ
「哺乳類の生き残り戦略〜産む,育てる」

雄の繫殖作戦ということで,長大な牙を発達させたイッカクや
角を発達させたシカ,変わった平たい歯をもつオウギハクジラ,
顔の皮膚を突き破り,自分の頭に刺さりそうなくらい犬歯を伸ばすバビルサなどを展示。
1904 科博_哺乳類展2_70 イッカク牙.JPG
約2mまで伸びるイッカクの牙は太さもTVのリモコンレベル。
手触りは竹みたいな感じでした。

1904 科博_哺乳類展2_80 セレベスバビルサ.JPG
インドネシアでは門外不出,世界レベルのお宝!

1904 科博_哺乳類展2_80 オウギハクジラ頭骨.JPG
この歯が大きいと雌にモテる?謎形質このほか生殖に直結する陰茎や子宮の標本,「子どもたちの生存戦略」として親子で体色が異なるゴマフアザラシ・イノシシ・ニホンジカ・マレーバクのはく製などが展示されていました。

実はけっこう多くの哺乳類が持っている
陰茎骨の展示も。
1904 科博_哺乳類展2_80 陰茎骨.JPG

ショップ手前の第2会場では,2018年8月,国内初となる
シロナガスクジラ漂着個体の調査報告が展示されていました。
体形や内臓などの形状,寄生虫や胃内容物など様々な情報が得られた
貴重な資料となりました。

■そして,ショップでは例によって,図録買いました(^^)ノ
1904 科博_哺乳類展2_99図録.JPG
2300円。
上の「太古の哺乳類展」(2014)の図録が134ページなのに対して
今回の「大哺乳類展2」は204ページ。表紙の加工に差がありますが
今回はカバーつきで工夫が凝らしてある点も含めて豪華です。

1904 科博_哺乳類展2_99図録1.JPG
膨大な展示をもれなく収録するのはさすがに無理ですが
解説のキモとなる代表的な標本についてはきれいに大きく掲載。
解説も興味深く読み応え大です。
1904 科博_哺乳類展2_99図録a.JPG


特別展「大哺乳類展2 みんなの生き残り戦略」
https://mammal-2.jp/

◆過去の科博特別展行ってきた
【行ってきた】科博特別展・昆虫!(2018年08月15日)
【行ってきた】科博特別展 人体(2018年04月30日)
【行ってきた】オンデンがおんねん・ちきゅうも見どころ!科博特別展・深海2017(2017年07月15日)
【行ってきた】【科博】 モアが!始祖鳥が!お宝たくさん!大英自然史博物館展(2017年03月25日)
a href="http://ddaisuke.seesaa.net/article/440799936.html" target="_blank">【行ってきた】 科博の2016夏は海のハンター展(2016年08月06日)
【行ってきた】スピノサウルス登場!科博「恐竜博2016」(2016年04月04日)
【行って来た】 科博特別展「生命大躍進」(2015年07月10日)
【行ってきた】国立科学博物館「大アマゾン展」(2015年03月29日)
【科博】「ヒカリ展」行って来ました(2014年10月29日)
【10/5まで】 科博「太古の哺乳類展」行って来ました(2014年08月12日)
科博『大恐竜展 ゴビ砂漠の驚異』 行きました(2014年02月10日)
国立科学博物館特別展「深海」【行ってきた】(2013年07月12日)
【2013.7.16〜10.6】国立科学博物館 特別展「深海」(2013年05月01日)
恐竜博2011(2011年09月23日)



posted by ドージマ・ダイスケ at 19:11| 東京 ☁| Comment(0) | 生き物日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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