2018年04月30日

【行ってきた】科博特別展 人体

今年3月から始まっておりました国立科学博物館の特別展「人体」。
チェックが遅くて来場が4月になってしまいましたが,なかなか興味深い展示でした。

180430科博_人体_(1)入口.JPG

この特別展は一部を除いて撮影禁止。
人の実物の内臓や骨の展示というデリケートなものを扱っているからなんでしょうか,標本ではない人体模型とか,動物の内臓標本もまとめて禁止。
その分集中して見ましたし,図録にきれいな写真がしっかり載っていたので無問題でした。
深海展とか標本展示のすごく多い特別展だと解説ページを確保するためか図録に収録漏れのものがあったりするのですが,今回は細かいものが大量に並ぶ催しではないのでレオナルド・ダ・ビンチやヴェサリウスの著作や精巧な人体模型などの展示品の写真がきっちり載っていて,解説も読みごたえありまくり。図録を先に買って熟読して,会場でこれが実物かと実感するという手順でもいいくらいですね。

企画の大筋は,人類が人体について調べて知ることを重ねてきた過程と,人体の各器官の役割やつながりについて。
NHKがこの特別展の紹介で放送していた山中伸弥教授とタモリさんの番組を前もって見ておいたこともあって,時代時代の科学の限界や宗教的制約を乗り越えてダ・ビンチ,ヴェサリウス,ハーヴェイ,マルピーギ,レーウエンフック,カハール,布施現乃助などの偉人が積み重ねてきた歴史の流れが貴重な資料を見ながら興味深くたどることができました。それと,解剖学を学ぶために作られた人体模型がすごかったですね。ロウでつくられたワックスモデルは色も形も非常にリアルでしたし,触って学ぶために扱いやすくつくられた紙製のキンストレーキも,この時代に学んだ人達はすごく刺激を受けたと番組で解説されていたことが思い出されて重みを感じました(紙だから軽そうなんだけど)。

ちょっと印象に残っているのが,萬年甫(まんねん・はじめ)が初めて脳1個分の神経細胞のネットワークをスケッチし描き上げた資料のところで,男女グループの1人の女性が「ネコは脳もかわいい」と言ってたこと(スケッチされた脳の標本はネコのものですごく小さいプレパラートだったんです)。同じ人がヒト大脳の薄層標本のところで「これ,私が寄贈しっぱなしにしたやつ」(つまり自分の頭は今空っぽだと)とさらっと言っていてユニークだなあと思いました。^^

解剖学史を一通りやった後は,人体の各部分の標本と役割について。
会場ではヒトの実物標本も展示されていましたが,グロが苦手という人は見なくても先に進める順路になっています(個人的にはふやけて変色・変形した状態のものなので,腎臓の輸尿管が細くて血管のほうが太いことなどを確認できた以外は「まあ…ねえ…」といった感想)と魚類・両生類・爬虫類・鳥類や他の哺乳類の臓器を比較する展示など。

これらを一通りめぐると,撮影OKエリアに。
といっても,そのNHKの特番で使われた模型などで,たしかに「あの」実物が間近に見られる展示ではあるのですが,個人的には「お,おう」程度の感想。

その後,NHKスペシャル「人体」のシリーズで語られていた,
人体は脳が各部位に一方的に命令しているのではなく,胃や腎臓,骨などの各臓器が互いに情報伝達物質を出して命令を出し合っているという最近の知見を表現した「ネットワークシンフォニー」。
180430科博_人体_(5)ネットワークシンフォニー.JPG
これはインスタ映えしますw

そんなこんなで,けっこう勉強になる特別展でした。図録,いつも買った時点でけっこう満足しちゃうんですけど,しっかり読み込もうっと

国立科学博物館 特別展「人体 〜神秘への挑戦〜」
〜2018年6月17日
https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/jintai/


posted by ドージマ・ダイスケ at 07:07| 東京 ☀| Comment(0) | このブログについて | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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