2017年07月15日

【行ってきた】オンデンがおんねん・ちきゅうも見どころ!科博特別展・深海2017

国立科学博物館ではこの春「大英自然史博物館展」で盛り上がりましたが、続いて夏の特別展「深海2017」が始まりましたので早速行ってきました。
科博深海2017_入口.JPG

科博で以前 深海の特別展が開催されたの、つい最近のことと思っていたら2013年で4年前のことかあ…あっという間だなあ。
その間にもいろいろなことがあって、ほとんどが新しい展示という印象でした。

音声ガイド(有料)はしょこたんこと中川翔子さん。
今回も1/2サイズレプリカの展示がある「しんかい6500」に乗船して水深5300mの深海まで潜り(2009年9月)ギネスにも載ったという、深海との縁の深さで右に出る者のいない方の起用ですね。
そのしんかい6500乗船のときの話も特別トラックで語られていたり、展示に関連したミニクイズが何問か出題されたりといった内容。
ちなみに音声ガイドの機材はイヤホンを使わず、本体を耳にもってきて聞く方式になっています。

NHK取材チームと科博の窪寺博士とのコラボで世界で初めてダイオウイカの生体動画撮影に成功してダイオウイカフィーバーの中開催された前回の特別展から、今回は「生物と発光」「食う・食われる」「南極」などのテーマに沿って生物標本とその生体の映像(一部CGも)で解説していく構成。
逆さに泳いで頭の突起を下に垂らすシダアンコウ、大口を開け閉めして濾過食を行うオオグチボヤとか、標本では再現できない姿は動画で見られるのが一番ですね。
科博深海2017_デメニギス標本.JPG生体映像やCGだと透明な頭と緑色の目が印象的なデメニギスも標本になるとこうですからね(;^ω^)



チョウチンアンコウとかイガグリガニ、ダイオウグソクムシなどといった定番の標本はもちろん展示されていますが、深海生物の機能や行動、環境への対応に焦点をあてて解説する方針になっていることもあってか、だいぶ2013年と標本の顔ぶれが変わっていますね。
前回はタカアシガニとかが大きく展示されてたりしたんですけどね。
論文の都合で撮影禁止だったセキトリイワシの新種とか


科博深海2017_会場ミツクリザメ.JPG
映像は撮影禁止でしたのでそれが入らないように会場の様子をなんとか撮った1枚。

ゴブリンシャークことミツクリザメ。最も口が飛び出る動物として「食う・食われる」コーナーで解説。
科博深海2017_ミツクリザメ標本.JPG

食うものあれば食われる者あり、食われないためのヌタウナギの粘液やクロカムリクラゲの発光物質などの生存戦略などが展示解説されています。

「深海のトッププレデター」カグラザメの顎
科博深海2017_カグラザメ顎.JPG
陸上では食物連鎖の最後、生態ピラミッドの頂点(栄養段階の最上位)に位置する動物は必ずしも最大のサイズではない(肉食動物より植物食性動物のほうが大きい)が、深海では最強の動物は最大でもあるという傾向が、ということで巨大生物の展示。

ユメザメ
科博深海2017_ユメザメ.JPG

ユメザメのほかキタノクロダラ、ムラサキギンザメ、ソコボウズといった大形深海魚の美麗標本があり、
今回の生物展示では目玉となるのがこちらオンデンザメ。

科博深海2017_オンデンザメ.JPG

科博深海2017_オンデンザメ顔.JPG

4年前の「深海2013」で目玉だったダイオウイカ実物は、今回は縦に展示。
科博深海2017_ダイオウイカ標本.JPG

今回は、ダイオウイカより重さで上回るダイオウホウズキイカが登場。
科博深海2017_ダイオウホウズキイカ腕標本.JPG
南極海にすみ、成体全身標本は世界に3体しかない(すべて雌)というレア生物ということで、ここでは腕だけの展示。


科博深海2017_ダイダラボッチ.JPG
この特別展で3回ほど標本が登場するヨコエビの一種、ダイダラボッチ。
なぜそんなに推される?
明日16日日曜に放送されるNHKスペシャル「ディープオーシャン」でフィーチャーされるっぽいですね。


2013年の開催との大きな違いの1つは、会場の約3分の1が2011年の東日本大震災以来進められてきた調査の成果を反映させ、深海底の地殻が震源となる地震災害のメカニズム解説や、探査船「ちきゅう」の海底調査の解説といった地学分野の展示に割かれたこと。
科博深海2017_会場ちきゅう.JPG

科博深海2017_会場海底掘削.JPG

科博深海2017_ちきゅう_乗組員_作業服_内部.JPG
掘削ドリルパイプが回転する様子の展示や、それを海底に向けて伸ばす船内作業の映像、採取された試料など、スケールの大きい調査研究の様子を垣間見ることができる展示。

科博深海2017_マンガンノジュール.JPG
日本の未来を切り開く?海底に豊富に存在する鉱物資源「マンガンノジュール」の実物も。

などなどざっと見て廻るだけでも興味深いのですが、ひとつひとつ説明を読み込んでいくとかなり勉強になる今回の特別展。

見終わった後のおみやげ売店も面白いですよね。

科博深海2017_売店デメニギス.JPG
デメニギスぬいぐるみ(^_^)
深海ハイチュウともども会場限定商品。

科博深海2017_売店ぬいぐるみクッション.JPG
明朗会計。

科博深海2017_売店だるま.JPG

そして私が当然購入するのが
科博深海2017_図録表紙.JPG
公式図録。2013年と同じくNHK・読売新聞社主催ということもあってか前回と同じくAB版でサイズが揃っています。表紙が柔らかくなって前回あった折込が今回はなかったりしていますが、176ページ+折込6ページから192ページへとボリューム増。
科博深海2017_図録.JPG
カバーを外すと内側が蓄光ポスターになる遊び心も。

2013年版図録では巻頭と巻末にグラビア的にきれいな深海生物の1枚写真のページを設けてあったのが2017年版ではなくなるくらい、解説される内容がたっぷり増えていますね。第3章として「ちきゅう」を中心とした地学分野の研究をたっぷり詳しく扱っているのでページ数が足りなくなるのは当然といったところでしょう。

カバー裏のポスターのほか、「コラム 深海はかせになろう!」といったページが設けられるなど、基本は大人を対象としながらも、中学生や漢字の読める小学生くらいからなんとか読めるよう意識された紙面づくりがされています。

今回も税込2300円という値段に違わない充実した内容なのですが、ただ、ひとつ、展示品のカタログという意味では図録に載っていない展示生物がとても多くて残念でした。
今回も、展示のテーマに沿って大きく取り上げられ解説される生物とは別に、2013年版と同様にたくさんの生物の写真をまとめて掲載する図鑑ページを設けてある(深海生物の多様性p48〜55/58種、日本周辺の深海生物p98〜101/41種)のですが、これだけでは展示された全然カバーできない…。
科博深海2017_ナンキョクオオイチレツダコ標本.JPG
ナンキョクオオイチレツダコ。こういうの、けっこう図録に載ってて当然だと思っていたのですが掲載なし。

上記のデメニギスみたいに、標本の写真をそのまま載せても様にならない生物が多いので別途用意できなかったら見送ってもやむなしかということもあるでしょうけど、節足動物なんかは標本でも形が崩れないですし、もっと載せてほしかったなあ…。
イガグリエビ、エドアブラザメ、バケキホウボウ、トガリコンニャクイワシ、タナカセキトリイワシ、エゾイバラガニ、オオオボロハダカ、オナシグソクムシ、エンマノタナイス…あれ、あれもないこれもないって生物がそこそこありました。
まあそこまで求めるのは贅沢でしょうかねえ(;^ω^)。

春の「大英自然史博物館展」図録は会場以外でも通販を行い大々的に販売していましたが、この深海図録はそういう窓口は見当たらない感じです。
ISBNコードがついていませんから一般の流通で書店販売はできないので、ぜひ会場で手に取ってみてください。(会場の順路途中の休憩スペースに見本が置いてありますので、ここは自分で写真を撮っておかないとというチェックをする手もありです)

国立科学博物館
  http://www.kahaku.go.jp/index.php
 特別展「深海2017」
  http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2017/deep-ocean/index.html



国立科学博物館のひみつ
成毛 眞(著), 折原 守 (著)/ブックマン社

国立科学博物館のひみつ 地球館探検編
成毛 眞(著), 折原 守 (著)/ブックマン社

posted by ドージマ・ダイスケ at 20:48| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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