2016年08月06日

【行ってきた】 科博の2016夏は海のハンター展

7月上旬に行った「そうだ,北海道へ行こう」シリーズの関連のupだけで7月が終わってしまった当ブログ,
7月には,国立科学博物館(こちらはル・コルビュジエ作ではないので世界遺産になっていません)の特別展「海のハンター展」にも行ってきました。

160715 海のハンター展 (1)エントランス.JPG

古生代・中生代から新生代,そして現生の海の肉食脊椎動物の体や生活のしくみがいかに発達していったかを紹介していく特別展。
科博の特別展ではおなじみといってもいいダンクルオステラスの頭骨(レプリカ),肉食魚2種カラモプレウルスとクラドキクルスの相打ち化石(カラモプレウルスがクラドキクルスを丸呑みにして腹を食い破られる。全長1.4mと圧巻の存在感)などのほか,
160715 海のハンター展 (2)古生代展示.JPG
古生代の魚竜ショニサウルスの復元頭骨・中生代の首長竜タラソメドンの全身骨格・新生代の巨大ザメメガロドンの復元模型。
首長竜といえばフタバスズキリュウが科博の日本館におけるひとつの顔となっていますが,そのフタバスズキリュウの前肢の化石もここに展示。メガロドンは子どもが立ってもまるごと入る大きさの顎の復元模型も。

160715 海のハンター展 (5)極域〜外洋.JPG
現生の海のハンターのエリアに入ると,沿岸・外洋・深海・極地の環境ごとにその支配者たる捕食者の姿を展示。
いろいろな魚類の骨格や剥製が並び,口や歯の構造や泳ぎ方の違いによる多様な捕食のスタイルが伺える解説も興味深いです。

こういう特別展はやはりドーンと大きくて「なんだこれは」って存在感のあるものがあるといいですよね。
160715 海のハンター展 (6)ミナミゾウアザラシ.JPG
こちらはミナミゾウアザラシ。イッカクやシャチの骨格,ホッキョクグマやヒョウアザラシ,ペンギン,ナンキョクオオトウゾクカモメなどの剥製が並ぶ中でその大きさと表情(^_^)。
セイウチと比較しての頭骨も大きくて重そうでした。

今展で一角を占めていたのがさまざまなサメの剥製。軟骨魚は骨格標本ができないですしね。
160715 海のハンター展 (7)クロヘリメジロザメ?.JPG
サメ・エイ類の歯には食物のタイプによって押さえる歯(ラブカ)・刺す歯(アオザメ・シロワニ)・切る歯(ヒゲツノザメ)・潰す歯(ホシエイ)の4種類があって,上下で異なるタイプの組み合わせになっている種も多いんですね。

アイザメ,ミツクリザメ,ヨロイザメ,カラスザメ,ラブカ,カグラザメ,アオザメ,ネズミザメ,クロトガリザメ,ヒゲツノザメ,ヨシキリザメ,ネコザメ,シロワニ,クロヘリメジロザメ,シロシュモクザメ,アカシュモクザメ…
そんな中でやはり堂々の主役を張るのが,人食いザメの代表・ホホジロザメですね。
160715 海のハンター展 (8)ホホジロザメ.JPG
160715 海のハンター展 (9)ホホジロザメ.JPG
3.2mの液浸標本。
…生きているようなポーズと液浸標本ながらできたてで色も残っており,ずん胴な殺戮者のグロテスクさと狩りに最適化した機能美が共存する,なんともいえない迫力と印象を放つ姿ですね。
この展示水槽の隣に巨大ディスプレーでこのホホジロザメ標本が美ら海水族館で作製された様子が放映され,手順と,大形個体を扱って標本に仕上げる苦労がわかります。
美ら海水族館のホホジロザメといえば,今年1月に生きた個体が展示され,世界で3例目の大変レアなものということで急遽私も沖縄に飛んだのですが飛行機チケットを押さえたその日に死んでいたという最近のことながら懐かしい思い出が蘇るんですけど,今回の液浸標本は去年までに網にかかって冷凍保存されていた個体の遺体を解凍・補修・整形してホルマリン固定したものなんですね。

この他 ハンター魚のテクニックとしてノコギリザメ・ノコギリエイやダルマザメ,オナガザメ,アンコウなどの捕食方法,捕食されないためのテクニックとしてマンボウ(大きく成長する),ナヌカザメ(膨らむ),コバンザメ(大形魚にくっつく),ヌタウナギ(粘液)などが紹介されていました。
最後のほうでは毒をもつ魚類の紹介。その中で,「なぜポピュラーなのに水族館で見かけない?」とこのブログでも取り上げたハコフグの標本が「甲羅から毒」の魚として並んでいました。

科博の特別展は,第1会場を出るともう特別展の内容はほとんど終わったようなものなのですが,
この「海のハンター展」では,第2会場で所定の用紙に魚の絵を描いて提出すると,その絵が巨大ディスプレーの海の映像の中で泳ぎ出す「泳げ!マイハンター」のコーナーを開催。
160715 海のハンター展 (17)泳げ!マイハンター.JPG
160715 海のハンター展 (15)泳げ!マイハンター.JPG
絵を描く椅子と机は数が限られているので,事前に描いたものを持参してほしいとのこと。
こちらのページから用紙をダウンロード→http://umi.exhn.jp/event/#chapter01

私も描いてみました。「塗り絵用」とオリジナルの絵を描く「スケッチ用」の用紙があるのですが
やはりオリジナルを描きたいですよね。
160715 海のハンター展 (16)泳げ!マイハンター.JPG

さあ,泳げ!俺の,サメ!
160715 海のハンター展 (18)泳げ!マイハンター.JPG
160715 海のハンター展 (19)泳げ!マイハンター.JPG
失敗でした!w

輪郭が切れ目なくはっきり描かれていたり,色塗りもきっちり塗りつぶしてないとこんなふうにスケスケになっちゃうみたいですね。(;^_^) 参加をお考えの方はぜひ参考に。
160715 海のハンター展 (20)泳げ!マイハンター.JPG


 
この「海のハンター展」,おみやげもなかなかユニークなオリジナル商品がそろっていて面白いですよ。
マグネット,キーホルダー,クリアファイル,Tシャツ,ボールペンといったど定番のものから,サメをかたどった斜めのマグカップとか,とびだすホホジロザメプリントクッキー,ミドリフサアンコウ型イチゴ味ポップコーン,ミドリフサアンコウ型キャンディ,サイダーならぬ「サメダー」,レジン封入標本ふうリアルキーホルダー(ホホジロザメ,シュモクザメ,シャチ等)などなど。

私は例によって図録を購入しましたが,まずまず手堅い感じの本でしたね。
160715 海のハンター展 (30)図録表紙.jpg
派手な写真遣いとかが特に印象に残らなかったので,税込み2160円に抑えるために128ページに収めようとしたのかとも思いましたが,日にちを置いて改めて読んでみると,いうほどちまちまはしておらず展示生物のカタログとしてきれいにまとまっていますね。
160715 海のハンター展 (31)図録相討ち.jpg
160715 海のハンター展 (32)図録サメ.JPG
160715 海のハンター展 (33)図録サメ解説.JPG
会場では剥製や標本で展示されていた生物たちも図録では生体写真で載っていますし(化石や骨格は展示品の写真),なにより解説記事をじっくり読むことができて,この特別展のテーマ,筋書きを咀嚼することができるのがいいです(ほんとうは何度も読み返すほど理解が深まるのでしょうが,買った時点であるていど満足してしまう自分が残念)。

今回の企画は日本経済新聞・BSジャパンとの共催ということで
もしやと思って表紙を二度見すると…
海中の写真なのであまり違和感感じなかったのですが,やっぱり,みすず学苑か!と思った『ヒカリ展』と同じテイストでデザインされていますね(;^_^)。



国立科学博物館 http://www.kahaku.go.jp/

海のハンター展 HP http://umi.exhn.jp/

◆過去の科博特別展行ってきた
【行ってきた】スピノサウルス登場!科博「恐竜博2016」(2016年04月04日)
【行って来た】 科博特別展「生命大躍進」(2015年07月10日)
【行ってきた】国立科学博物館「大アマゾン展」(2015年03月29日)
【科博】「ヒカリ展」行って来ました(2014年10月29日)
【10/5まで】 科博「太古の哺乳類展」行って来ました(2014年08月12日)
科博『大恐竜展 ゴビ砂漠の驚異』 行きました(2014年02月10日)
国立科学博物館特別展「深海」【行ってきた】(2013年07月12日)
【2013.7.16〜10.6】国立科学博物館 特別展「深海」(2013年05月01日)
恐竜博2011(2011年09月23日)



posted by ドージマ・ダイスケ at 17:51| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 生き物日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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