7月といえば,当ブログの漫画が単行本化され,発売されたのが1年前の2014年7月18日でした。
講談社ブルーバックスは毎月20日に4点ほど発売されるのですが,この月は曜日の関係で2日早く発売されたのでした。
本になると,書店さんで置いてもらっているか気になる,(できるだけいい場所に)置いて欲しいということで,色々書店を見て回ったり,新書やサイエンスの棚の担当の方(店長さんの場合も)にご挨拶させてもらったりしました。
店頭での扱いは…さすが天下のブルーバックス,大きい書店では軒並み平台で置いていただきまして,7月・8月の売り上げはかなりよかったようです。
ただ,ブルーバックスって新書の中でも専門書寄りの位置づけで,書店さんによっては新書コーナーではなくサイエンスのフロアにあったり(丸善・ジュンク堂さん系列など),駅ナカにあるようなお客さんが入って雑誌や売れ筋を買ってすぐ出ていくようなお店では棚1列分も置いてなかったりと,世間一般的には敷居の高い本という扱いなんだなあと,いろいろ書店を回ってみて実感しました。
で,ブルーバックスのブランド+新刊扱いで平台に置いてもらえるということは,次の月の20日には次の新刊が出て棚差しに追いやられる危機を迎えるということで。もし平台に踏みとどまれたとしても毎月20日にピンチを迎えるわけなんですよね(ブルーバックスの枠が小さい本屋さんでは返品されて店頭から消えるということも!)。
そんなサイクルを経ながら,今年に入っても面陳してくださっている書店さん,マジ感謝です!
先日アクアマリン福島に行った際に乗り継ぎ・宿泊地の水戸で立ち寄りました文教堂さん,1年経った今も平台においてくださってました♪若いお客さんの多い立地なので学生さんとかの目に入って買ってもらえたらなあ(あれから次の新刊出ましたけど,大丈夫ですよね?!汗)
そして発売を機に,若い頃お世話になって,登場人物のモデルにもなってもらいました方にもご挨拶に行ったりしました。
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単行本オリジナルのキャラである菱岡先生のモデルは石岡美紀さん。90年代にシンガーソングライターとして活躍,ラジオDJとしても『FM STATION』のFMパーソナリティ人気投票で2年連続女性部門1位になるなど超人気のお方で,出演されたラジオ番組をきっかけに,デビュー時からお見知りおきいただいている関係です。現在はフラメンコ舞踏家として活躍,「石岡美紀フラメンコ教室Estudio LIBERTAD」で指導も行っています。http://www.mikiishioka.com/
私と同世代なんですが,ずっと綺麗で素敵です

同じく単行本の最終章に登場する校長先生は,名古屋のCBC(中部日本放送)の冨田和音(とみた・かずね)さん。
平成元年10月〜6年3月の約4年半,局アナウンサーとして夜ワイドラジオ番組『CREATIVE COMPANY冨田和音株式会社』のメインパーソナリティ”社長”に就任,中部ローカルながら全国のラジオファンや業界内で話題になる,伝説のラジオ番組を送り続けました。私はその番組の投稿常連(”大株主”)として番組終了後も長らくお付き合いさせていただいてまして,この青葉楠高校にも校長先生として登場いただきました。
この写真撮影時が58歳,あれから誕生日を2度経て2015年7月25日現在還暦を迎えられたのですが,とてもそうは見えない,おそろしく若々しい方です。
え?学業でお世話になった先生には挨拶しなかったのか? 仕事での人脈みたいなものはないのか?ですって? そういうのをここで書いてもね…(;^_^)。
ちなみに,教育関係では,こちらの方にもご挨拶させていただきました。↓
https://twitter.com/dojimadaisuke/status/520812197815918592
ほんとは,発刊直後とか,1周年のこの時期とかにこの場で,単行本が完成するまでのいきさつとかも,書きたかったんですけど,頭の中にはあるんですけど,なかなか書けない形にできない…。やっぱりマンガ本編描くほうが大事ですから,そっち描くよう頑張ります!
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本を出したら当然,家族や親戚にも拡散しまして,読んでもらえて,好評というかすごいねーと評判だったようなんですが
直接感想を聞けた範囲だと,文系の人には大人でも難しい内容だったみたいで,祖母世代とかは「読んでもあまり内容がわからないけど,そんな難しいことを書いて本に出すなんて偉い」みたいな反応だったり。マンガとはいえブルーバックスで高校の教科書レベルのことを書いてもしょうがないという狙いがあったので,分野を絞って教科書の範囲の一部を生物学オリンピックレベルが垣間見えるくらいまで深掘りして描いて,それでもマンガだし読みやすいだろうと思ったんですけど,ページごとの情報の密度が濃すぎるとマンガでもしんどいみたいですね…。
私も,『こち亀』の知識ネタ回みたいになじみがあって巧みに構成された作品でもなければ,自分の専門外の知識がぎっしりのマンガやアニメって歳のせいもあってついていくのがしんどいですもんね(;^_^)。
このジャンルでの成功例となると,同じブルーバックスで鈴木みそ先生が著した『マンガ化学式に強くなる』『マンガ物理に強くなる』や,あさりよしとお先生の超長寿シリーズ『まんがサイエンス』,オーム社の『マンガでわかる』シリーズくらいですかね(サイエンス・アイ新書の『マンガでわかる』シリーズもすごい勢いで展開してますけど,あれはマンガのページ抜きの本文だけでも成立する本だしなあ…)。
マスにリーチするには,「こんなこと興味のある人なら知ってる」と思って「自分ならでは」の情報を詰め込みに走らず,読ませるための「ただのマンガ」部分の比率を増やしてページあたりの情報量を希釈することが必要なんでしょうね。
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いっぽうで,このブログでも紹介した『いきものずかん』や『害虫女子コスモポリタン』やみたいなうんちく系の漫画は,書かれている知識が自分が知ってるものばかりだと買う気がしませんし,コンセプトの設定は大事ですよね。
そもそも私の生物部マンガは『高校生物I・II』と題してただけに教科書レベルの内容の紹介そのままでもよかったのかもしれませんが,ブルーバックス内でも生物学系は『新しい高校生物の教科書』『発展コラム式 中学理科の教科書』『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書』などがあるので,自分はマンガで描いて読みやすくなる分,内容を薄くしたら物足りないかなというのがあっただけに,担当編集者の方が情報てんこ盛りの内容やギャグも含めた私のカラーを殆ど生かして本にしていただいたのは本当にありがたかったです。今でもほんとうに感謝です!
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PSのつもりで書いた部分がかなり長くなってしまった…(;^_^)
そんなこんなでこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m