2015年06月20日

【参考書】その手があったか!『MY BEST よくわかる生物』


icon_kihara kora.JPG
さて今回は,高校生物の参考書の1つ,学研『よくわかる』について紹介しておこうと思う。





本よくわかる生物基礎+生物【新課程】 (MY BEST)
ひらめき
赤坂甲治(監修) 学研教育出版 (2014/2/25) →Amazon →楽天ブックス

icon_kihara kora.JPG
同シリーズで『生物基礎』が出たとき,まとめ本に近い内容と言ったが,この『生物基礎+生物』でも情報の密度的には同様の,教科書でわからないところがある読者に対して「要するにここはこうだよ」と教えてくれる参考書
解説本文は重要語句の説明を中心に簡潔でまとめられているので,生物が苦手でまずは授業についていくところからなんとかしたいという読者にとっては読みやすいいい参考書だと思う。

で,教科書の理解を助けるという意味で,「こんな手もあったか」と驚いたところがある。

たとえばこのページ,呼吸(細胞呼吸)における反応経路をまとめた図があるんだが…

mybestよくわかる生_呼吸.jpgmybestよくわかる生_呼吸2.jpg


教科書S社_呼吸.jpg


そして,こちら,S社の教科書に載っている図。

おわかりいただけただろうか?




icon_suzu_hoo.JPG
あれ?似てますね。

icon_kihara kora.JPG
もう1つ。神経の活動電位に関する図だ。


※T社教科書
教科書T社_活動電位.jpg
※MYBEST よくわかる生物基礎+生物
mybestよくわかる生_活動電位.jpg

icon_kihara kora.JPG
そう,教科書の図をほぼそのままもってきて解説に使っている。色遣いとか寸法の都合とかがあるからコピーやトレースというわけじゃなくて一から描き直してあるけどな。

icon_mikari_fuun.JPG
いいんですか?よくあること?

icon_kihara nika.JPG
もちろん偶然でここまで似ることはあり得ない。で,奥付を見るとちゃんと「図版協力」として『生物』の教科書を出している出版社4社の名が載っている。掲載許可はとっているんだろうな。
まあ,教科書についてわからない読者に解説するのなら同じ図を使って説明するのは1つの手だよな。もちろん,この本オリジナルの図も多いぞ。

icon_fumie_niko.JPG
そうなんですね。

icon_kihara uun.JPG
ただ,教科書で扱いが少なくて他社の参考書では足りないところを補充して解説するようなところが,この本ではそのまま軽い扱いになっていたりする。
たとえば,この参考書では,遺伝についての内容が全くない(教科書で出てくる配偶子形成における遺伝子の組み合わせ,連鎖・組換えは出てくる)。
それから,動物の行動や生物の系統・分類が驚くほど簡単に済ませてある
(動物の行動では,新課程で新たに加わった「定位」について全く扱っていない。系統・分類では,動物界の系統樹すらなく,本文の知識では章末・部末の「確認テスト」「センター試験対策問題」の約半分が解答不能)

というわけで,この『MY BEST』はサブタイトルで「授業の理解から入試対策まで」とあって,「確認テスト」などでも大学入試問題を載せているけれど,現実的に大学受験に対応できるとは信じないほうがいい(他教科で点数を稼げるので理科は低くてもなんとかなるという人は別)。

icon_morino.JPG
おいおい,前回の『はじめからていねいに』でも褒めているんだかdisってるんだかわからないような紹介だったけど,今回はさらにdisってばっかりじゃねーか。

icon_kihara uun.JPG
そうか?『はじめからていねいに』は,かなり惚れているというか,ベタ褒めしたつもりなんだがな…。うちがやりたいと思っている,図をふんだんに使ってじっくり説明するというやりかたを実践しているという参考書だから,その分知らず知らずのうちに採点が辛い評になってるかもしれないな。
で,この『MY BEST よくわかる』は DNAの複製やPCR法,電気泳動,遺伝的浮動など重要でややこしい事柄については大きな図を使ってゆったりページをとって説明しているのでほんとうに,生物が苦手な読者にとっては親切だと思うぞ。
まあ,さっき教科書の図を引用していると言ったけれど,あまりすり合わせをしていないというか,本文で「この図で表しているように…」というように図を参照して説明したり,逆に図の内容を解説するような,図と本文をリンクさせて作っているようなところがない。本文は本文で完結していて図は挿し絵として入れている感じがする。そして「詳しくは○ページを参照」というような表示も出てこない。別のページに行ったり来たりしなくていいくらい内容が整理されているというなら素晴らしいことだけど,自分が使うならという見方をすると,関連する事柄をいろいろ確認して理解を深めていきたいと思うから,やっぱり物足りなさは否めないな。

icon_mikari_fuun.JPG
あと,1つ注意点。この本では重要語句が黄色の入ったグレーで書かれていたり(生物基礎の範囲),見出しや図中の重要な矢印とかにオレンジ黄緑色を使ってたりしてるの。特に色弱の人は読みづらい心配があるので気をつけてね。


次項有◆「参考書・問題集」の関連記事

ペン【参考書】作り手のどや顔が見える『チャート式シリーズ新生物』かわいい

ペン新課程参考書・『チャート式』vs『シグマベスト』vs『マイベスト』かわいい ※「生物基礎」参考書について数研・文英堂・学研の3社比較

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ人気ブログランキングバナーくつろぐバナーWCRバナー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
posted by ドージマ・ダイスケ at 03:42| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【参考書・問題集】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
記事検索
 

ケイン 基礎生物学
東京化学同人