2014年10月29日

【科博】「ヒカリ展」行って来ました

秋ですね。キャベツが安くなりました今日この頃。
秋といえば紅葉ですが,東北地方では紅葉の名所がたくさんあってもう見頃になってたりするわけですが関東以西では11月以降になりますよね…筑波山が11月半ば,高尾山が11月下旬といったところでしたっけ。京都なんかもここ数年(というか,今世紀に入ってからくらいかな),ちゃんと紅葉するのは12月に入ってからだったりしますからね。

さて,当ブログは生き物関係の事柄を扱うということで,催し行って来ました系のエントリも書いてきましたが,たいてい会期の半ばとか終わりに近づいてからだったりするんですよね(;^_^)。
記事にして公開するんだったら,情報があまり出回っていない早めに行ってこそ意味があるってもんでしょう。早めのほうが大概空いていますし。

ということで,国立科学博物館で開催の「ヒカリ展」,初日に行って来ました。

最近の特別展では,「大恐竜展」(おもにゴビ砂漠の恐竜)や「太古の哺乳類展」が読売新聞共催,「深海」がダイオウイカ推しのNHKと読売新聞共催,2005年の恐竜博が朝日新聞・テレビ朝日との共催でしたが,今回は日本経済新聞と,同系列のBSジャパン共催。渋いです。

入場料は1600円,前売り券1400円ですが,サポーターズパス(年間1000円で常設展や企画展が見放題)を提示すると980円で入れます。

ヒカリ展01_繭アーチ.JPG

最初に「コクーンアーチ」を通って入場。左右を見てもただの黒い壁でなんじゃこりゃと思ったら,上にオレンジや黄緑のカイコのまゆの電飾が。電球にまゆをかぶせただけっぽく見えますが,まゆ自体が蛍光を発しているんですね。(中にLEDが入っていて点滅しています)


この「ヒカリ展」,内容としては「光とはなにか」から始まり,光の科学史,「宇宙と光」,「地球と光」(宇宙の誕生と光,太陽の光,磁気圏とオーロラ等),鉱物の光,光の技術(照明,計測)といった多岐にわたる内容からなりまして,光だけに当然物理学や宇宙物理学のものが中心になるのですが,ここでは生物関連の展示に絞って紹介したいと思います。

ほんとう,望遠鏡の模型などから始まって,宇宙関連の展示も内容濃かったですよ。オーロラの3D映像とか見所もありましたし,オーロラの発生するしくみとかよく読んで磁気圏の成り立ちや「宇宙天気予報」の解説などと関連付けて理解していくと,太陽から送られてくる光や物質(太陽風は太陽から放出されるプラズマ。太陽光エネルギー粒子は数十分から数時間で地球に到達する)が地球に想像以上の影響を与えているすごさが感じられます。光の技術のコーナーも,高性能暗視カメラや赤外線カメラの展示・解説,ノーベル賞のゆりかご・光格子時計など面白かったですよ。

ヒカリ展02_微細物誌.JPG

光の科学史のコーナー。ケプラーやガリレオ,ニュートン,デカルト,トーマス・ヤングからアインシュタインに至るまでそうそうたる科学者の業績・経歴と,その著作の初版本が展示されていたのですが,その中でも異彩を放っていたのが生物の教科書でもおなじみ,「細胞(cell)」の名付け親ロバート・フック。
よく『顕微鏡図譜』と訳される『微細物誌』(Micrographia)が展示されていましたが,シラミ,でかっ!
ぜひ現物を直にご覧ください。


鉱物の光(紫外線を受けて蛍光を発する鉱物の展示,きれいでしたよ)と関連して,化石の光。
ヒカリ展03_アンモライト.JPG
アンモナイトなどの化石がオパール化したものって見たことありますけど,これはまたすごい。宝石の名前としてアンモライトと呼ばれるそうです。


ヒカリ展04_リトープス.JPG
 「光と生物」といえば超重要なのが光合成。このキノコのような生き物はリトープスという植物で,乾燥を防ぐために地中に埋まっている緑色の組織を半透明の「窓」でおおっているのだそうです。けっこう小さいので,直に見るより写真に撮ったものをあとで見たときのほうがぴんとくるというか,なるほどと思いました。


「美しい生物」と題してきれいな光沢をもつ数々の昆虫の標本を展示。
ヒカリ展05_モルフォ.JPGヒカリ展06_宝石ゾウムシ.JPG

昆虫の光沢といえば構造色。タマムシ(ヤマトタマムシなど)やカナブン(キンカナブンなど),ニジイロクワガタなど多層膜干渉によるメタリックでカラフルな甲虫から,モルフォチョウオオムラサキといった蝶の仲間,そしてフォトニック結晶をもつホウセキゾウムシといったものが展示されていました。

このほか,蛍光タンパク質をもつサンゴ類の水槽や,生きたヒカリキンメダイマツカサウオの水槽(マツカサウオはかなりかすかな光でした(;^_^)),2008年にノーベル賞を受賞する下村脩博士のGFP(緑色蛍光タンパク質)の研究などについても展示・紹介されていました。

そして遺伝子組換え技術によって生み出された「光る生物」。
ヒカリ展07_シルク.JPGヒカリ展08_シルク蛍光.JPG

カイコガにオワンクラゲのGFPやアザミサンゴ,クサビライシなど由来の蛍光タンパク質を導入して作り出された,光るシルク。青いLED光を当てるとオレンジやグリーンの蛍光を発します。
この蛍光シルクを使って作られたストールや着物風舞台衣装も見応えありです。

そして同じく遺伝子組換えで光るようになった植物がこちらのトレニア
ヒカリ展09_トレニア.JPGヒカリ展10_蛍光トレニア.JPG

一番右の通常株と比べると光っているのがわかると思いますが,花だけでなく葉もそこそこ光っているので,可視光を光を当てているようにも見えちゃいますね。

展示の解説が詳しいので,じっくり読んでいったら1,2時間はかるくかかります(高校生らしき団体が来ていましたけど速攻で通り抜けていました。もったいない(;^_^))。

そんなこんなで,一通り見終わった後は,今回もまた,買っちゃいましたよ。
ヒカリ展11_図録.JPG
公式図録。2000円。
2000円感が全然ないこの表紙デザインwwwʬʬʬ ぶっちゃけ,ださい。
センスがあるとはいえない私が言うのもなんですが,お役所が作った無料のパンフレットのようなメリハリのなさ。載せたいモチーフが多岐にわたって軽重つけ難かったんでしょうが…ないわー。デザインの授業で素材に使われそうな作品です。
入場チケットも基本は同じデザインで,こっちはそんなに気にならなかったんですけどね…

しかし,展示や解説の内容を復習しようと思ったらどうしても必須ということで購入。
ヒカリ展13_図録中光合成解説.JPGヒカリ展14_図録中昆虫解説.JPG
128pで内容ぎっしり。当然展示品の写真も自分で撮るよりきれいに載ってたりするんで納得はしています。
昆虫標本の一部や,赤外線カメラの具体的解説,ノーベル賞にちなんだ光研究の解説についてなど,展示物のすべてが収録されているとは限らないのがもうちょっと頑張ってほしかったですけどね。

ヒカリ展12_チケット.JPG


ヒカリ展  〜国立科学博物館特別展
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2014/hikari/
http://hikari.exhn.jp/

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posted by ドージマ・ダイスケ at 06:53| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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