当ブログからの漫画単行本,2014年7月18日(金)に無事発売されました!

→Amazon →楽天ブックス
発売初日の7月18日は第1位でした 週間ランキング(7/14〜20)は週のうち対象が3日間だけにもかかわらず14位。ありがとうございます。 |
さらに,7/27午後現在,Amazonで生物学ジャンル3位!
ブルーバックス2位!
奇跡的瞬間風速だと思いますが,上位に入ると,この本の存在を知らなかった人も見るページに表示される機会が増えるのでうれしいですね。
で,発売日のエントリでは生物学としてどのような内容(範囲)を扱っているか書きましたが
教科書に書いてあるような内容を上っ面だけマンガっぽく描いてわかりやすくしました,ってものではなく,より深い内容を掘り下げることでわかりやすくする,なぜそうなるのか・どうしてわかったのか理解できるように努めました。
その具体的な箇所についていくつか紹介しますと
p.82 タンパク質は立体的構造をもつことでさまざまな機能を果たすということとDNAの遺伝情報からポリペプチドを合成することは高校レベル(「高校基礎」よりは少し超えます)の生物学の定番ですが,この漫画は,ポリペプチドからタンパク質になるステップも押さえます。

p.84 タンパク質が熱によって変性してしまうしくみを,タンパク質合成のしくみの知識を受けて4コマで説明。

p103 細胞分裂で染色体が両極に向かって分かれていく際に,紡錘糸はどんな働きをしている?

p.180 動物の初期発生で出てくる「体節」,教科書で出てくる横断面図だけではなぜ「節」というのかわかりませんが,ちょっと切り口を変えるだけで一目瞭然。

ほかにもいろいろ盛り込んでいます。
前に「これを読めば,教科書や参考書で書かれていることの意味が簡単にわかるようになる」と書きましたように,高校生の皆さんにもお勧めしますし(情報量をかなり詰め込んでいるので,一からすらすらとは読めないかもしれませんが),学校の先生方にも是非読んでいただいて,「そうそう,こういうのもあるよね」「あーそのへん教えておいたほうがいいかも」「確かに生徒は知らないよな」など,授業のヒントとしていろいろ思い出していただけたらと思います。
講談社ブルーバックスのサイトで
一部ページが公開されております。
http://bluebacks.kodansha.co.jp/infopage/seibutsunitsuyoku.html
よろしければPDFをダウンロードしてご覧ください。
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待望のマンガ、しかも新課程にあるタンパク質の辺りも詳しく載っており、多くの人に勧められる一冊だと思います。
ところで、遺伝のページにある「くみかえ価が最大50%」である理由は、自分の理解と少々異なるのですがあれでよろしいのでしょうか?
マンガで読みやすく描いたつもりでも世間的には専門性の強い本という位置づけになるようで,読了されて,好意的なコメントを頂けると本当にうれしいです。
組換え価はp219の内容ですね。ごくありふれた説明をしたつもりだったのですが,改めて見てみると,教科書ではもう触れませんし,参考書でも意外と説明していないですね。新課程のチャート式では「組換え価は0〜50%の間で変化する」という文章と,表の中の「連鎖の強さ0%のとき組換え価50%」という値が示されているのみなのですが,このことはp219における組換え価の説明の裏付け(配偶子を生じる際のすべての減数分裂で乗換えが起こった場合でも娘細胞の半分は元の遺伝子の組み合わせなので,組換え価は最大50%までにしかならない)にならないでしょうか。
漫画の中では検定交雑からの流れで説明しているので個体数の分離比と配偶子の分離比の2つの計算方法があると読める内容になっていますが,本来の定義は「全配偶子に占める組換えで生じた配偶子の割合」でそれを求めるために「検定交雑で得た総個体数に占める組換えの起こった個体数」を計算するということですよね。
Kさんの意図される組換え価の説明がコメントからはわからないので,現状では正しいと考えているとしかお答えできませんが,私の気づいていない問題がありましたら改めてご指摘くださいね。
早速コメントいただきありがとうございます。ご指摘の通りそこが疑問に思っているところです。
まず、娘細胞の半分は元の遺伝子の組み合わせ、のところなのですが、両方とも乗り換えを起こす事もあるのではないかと。そうでなければ、組み換え価の最大値は50%にならないと思うのです。
遺伝子型AaBbの生物において、AとBが独立していた場合、AとBが同じ配偶子に入るかどうかは、サンプルさえ十分にあれば配偶子の遺伝子はAB、Ab、aB、abはそれぞれ25%となります。組換え価をあえて求めるなら50%ですね。
同じく遺伝子型AaBbの生物において、AとB、aとbが連鎖しており、かつ遺伝子間の距離が十分に有り極めて連鎖の影響が少ない場合(組み替え価が最大になるケース)を考えると、
(1)相同染色体がいずれも乗換えを起こし、遺伝子Ab、aBの配偶子のみを作るケース、
(2)相同染色体の一方が乗換えを起こし、遺伝子AB、Ab、aB、abの配偶子を作るケース、
(3)相同染色体が乗換えを起こさず、遺伝子AB、abの配偶子のみを作るケース
の3つが考えられます。
(2)のケースは、他の2倍の割合でおきますから、
(1)(2)(3)のケースが1:2:1の比で起こるとすると、サンプルさえ十分にあれば配偶子の遺伝子はAB、Ab、aB、abはそれぞれ25%となります。これで組み替え価50%となります。
このように理解しているのですがいかがでしょうか。
そうですね,私の知る限りでは
組換えの説明をする際にほとんどの教科書や参考書,文献は(2)と(3)について図入りで説明するのですが,(1)について触れている本は見たことがありません。
(1)(2)(3)が1:2:1の比率で起こるというのはどのような資料で示されていたのでしょうか。恐縮ですがそちらのほう確認したいのでご呈示いただけるとありがたいです。
http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/html/education/kumikae.html
時間がかかると思いますが読ませてもらいます。
読みました。
この記事の主旨は,“学校の先生でも勘違いしている人がいる。それも熱心な先生が自己流の解釈で一生懸命考えた結果や怪しげな解説に頼った結果,陥ってしまっている”ことを解決したいというものですね。そのため“間違えている人が陥っているであろう誤った考え方”をわざわざ考えて,その誤解を解くための反論や説明をするという内容になっていて,とてもややこしい話になっています。
ですが,「組換え価が50%を越えない理由」と題された段落の中で
【組換え価が50%を越えないのは、実は乗換えが染色体の複製後に、4本の染色分体のうち2本の非姉妹染色分体の間で起こるからである。】
とはっきり書かれていますよね。
布川先生が一番伝えたい【結論】はこの一言で,本書のp.219で描いている説明そのものと言えるのではないでしょうか。
この記事では,その後に「組換え価0%、50%、100%の可能性が4:8:4(中略)平均組換え価は、0/4+1/4+1/4=2/4=50% になる。」という記述がありますが,これも(Kさんが前の書き込みで示された(1)(2)(3)の話と見た目が非常によく似ていますが)前述の【結論】を前提に二重乗換えや三重乗換えについて語られています。話の筋としては,p220で「遺伝子地図の目盛り(離れた遺伝子間では50を超える)と実際の組換え価が合わない」ことについて二重乗換えがあるからと説明していることと同じ方向性(主旨・目的)の解説と言えます。
先に(1)(2)(3)の話を書かれたのを読んだ際,実は(1)のケースについて二重乗換えの結果そうなる場合を考慮されて書かれているのか,4本の染色分体のうち2本と2本が同時に交差することをイメージされてp219は誤りと仰っているのか迷いました。後者は論外としても前者の場合どう考えると正しいのか答えようがなく,Kさんの追加説明を待つ回答とさせていただいたのですが,その多重乗換えの場合の考え方についてこの布川先生の記事で渾身の説明がなされており,勉強になりました。ありがとうございます。
ここでは二重乗り換えについて書いたつもりでした。説明不足ですみません。
自分自身の「引っかかり」がうまく伝えられたかわかりませんが、ともあれ書きたいことは書けたと思っております。また引用したサイトも読んでいただけたのでしたらもう十分です。
この本は私の周囲ではよく知られているようです。持ち歩くとよく声をかけられます。個人的には続編を希望しております。失礼いたしました。
拙い回答で自分でももどかしく思いながら書いたのですが,伝えたいものを汲み取っていただけたとて嬉しく思います。このコメントを書くのに30分以上かかっているのですが(w)言葉に表そうとして結局言葉が見つからなかったのですが,得るもののあるありがたいやりとりでした とまとめさせていただいてお礼申し上げます。
発売2週間で身の周りにこの本を知っている人が何人もいるとのこと,すごく嬉しいです。続きが読みたいという声も本当にありがたいです。またどうぞよろしくお願いします。