Mark J. Grygier先生,楠岡泰先生,ありがとうございました。
できあがったのがこんな漫画でがっかりしないで下さいね。
さてさて,約1月も間が空いてしまいました。
描きたい内容は先月のうちから決まっていたのですが
前回分を描いたところでなんかエアポケットにはまってしまって
絵コンテを描き始めるまでにすごく空白が空いてしまいました。
第6話ということで切り口を変えてちょっと屋外に出てみましたが…
当然のごとく画力の拙劣さに直面することに(だからなかなか
描き出せなかったんだな)。
そのへんは目をつぶっていただいて,これを読んで
近所の田んぼに目を向けてくれる人がいたら嬉しいんだけどなぁ…。
※
どうぞよろしくお願いいたします。

「こいつら誰だよ?」という方は
→こちら「キャラクター紹介」
>>>PDFで読む
■p.2

■p.3

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■p.5

■p.6

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※今回の知識・情報の大部分は秋田正人著『カブトエビのすべて−生きている化石<トリオップス>』(2000八坂書房)→Amazonに依拠しております。
コンパクトながらハードカバーの立派なつくりで125ページと意外にページ数は少ないのですが世界に4種類,うち日本に3種いるカブトエビの解説(かつては数十種類にも分類されていたが整理・統合された。その経緯・分類基準など)と分布,体内のしくみ・生態から名前の由来,水田での除草効果,起源への考察,飼育・観察の方法などについて述べた内容の濃い本で,カブトエビ関連の本としては現状で決定版といえます(89年刊「カブトエビ」の改題増補版)。
ただ,図と本文,本文どうし関連している箇所の配列が離れたり交錯したりしていて互いに参照するのに本の前後を行ったり来たりちょっと不便だったのと,カブトエビの形状を知るのに背面図しかない(幼生の図や分類の基準になる背器官の形やら尾節・尾鞭のとげなど局所的な詳細図,極めてアップな顕微鏡写真はある)のでカブトエビそのものを漫画で描くにはちと苦しい。
というわけで,後日,今シーズンのカブトエビを観察したりさらに踏み込んだ勉強をして続きを描きたいと思っています。
【p1】
・ホウネンエビは甲殻類(綱)のミジンコ亜綱(鰓脚亜綱)に属する小型の動物。
アルテミア(ブラインシュリンプ,シーモンキー)が飼育動物や
熱帯魚の生きエサとして売られているけれど
水田に普通に見られる生物なので,水が入る前の水田の泥を貰ってきて
暖かい条件で水を加えれば勝手にふ化してくるんだけどなぁ…。
・田植え画像 参考…大手荘HPより http://www.ootesou.com/info/yado-info.html
【p2】
・カブトガニは節足動物門カブトガニ綱カブトガニ目カブトガニ科
カブトガニ属…ってことで甲殻類ではなく,カブトエビとは系統的には
かなり遠い。よくカニよりクモに近いと表現されるが,クモとはまた
別物なんで,教科書や参考書ではそういう書き方をすることはまずない。
・カブトエビの分布
『カブトエビ通信』で知られる井口巌氏(浦和第一女子高校教諭〜元埼玉県立自然史博物館)の
「埼玉県に生息するカブトエビ類の分布」(埼玉県立自然史博物館研究報告
第20・21号…dated 2003年12月 pp.49−52)に,
琵琶湖博物館のマーク・ジョセフ・グライガー博士がその後の報告などを加味し
まとめたものです(Anostracan Newsにて発表)。
グライガー先生,楠岡先生,ご提供ご指導ありがとうございました。
滋賀県立琵琶湖博物館 http://www.lbm.go.jp/
【p4】
・高田総統 http://www.hustlehustle.com/free/fighters/?id=1089960201
(ハッスルオフィシャルウェブサイト)のパロディというよりは
パロディ(『毎月父さん』の片田統括本部長)のパロディ…?
http://spi-net.jp/tousan/004/finalize05.html
・禁煙パイポ(マルマン)
http://www.maruman.co.jp/paipo/index.php
・日本学生科学賞(主催・全日本科学教育振興委員会,読売新聞社,独立行政法人科学技術振興機構)
http://www.jssa.com/
・神奈川大学 高校生ひろば_理科・科学論文大賞
http://www.kanagawa-u.ac.jp/koukousei/ronbun.html
・モンドセレクション(MONDE SELECTION 所謂「世界食品オリンピック」)
http://www.monde-selection.com/
・アウエルがビンビンでバッハバッハ→第3話参照
【p5】
●楽天
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・『本草綱目』のカブトガニ…
佐藤義明、惣路紀通『カブトガニ』(1993山陽新聞社)より模写
・『訓蒙図絵』の絵…
http://record.museum.kyushu-u.ac.jp/kinmou/top.html
巻七 巻之十四・十五より模写。
(九大デジタルアーカイブ http://record.museum.kyushu-u.ac.jp/
ケンペル『日本誌』,シーボルト『NIPPON』,『伊能大図』など
貴重な資料が盛りだくさんで見応えあります)
すごい!文化デジタルライブラリー
電子図書 劇場訓蒙図彙(日本芸術文化振興会)
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/ebook01/atatte.html
・ホウネンエビについては尾張藩の高田高憲『雀巣庵蟲譜』
に載っているそうなのですが,残念ながら資料入手できず。
【p6】
・イネの稚苗を食べる…これも『カブトエビのすべて』より。
日本では直播きではなく苗を植えるのでこのような
被害をカブトエビから受ける心配はありません。
・近親交配を重ねると害のある劣性形質が発現したり
生命力が衰える,遺伝子の多様性が失われ環境の変動に
対応できなくなるということはよく言われますが
逆に同じ種類の生物でも遠く離れた地域の別個体群から
持って来た個体を交配しても「異系交配弱勢」で
今住んでいる環境への適応性が落ちてしまう可能性があるわけで
メダカなど魚類の勝手な放流は遺伝子汚染と批判されることもあります。
天然記念物にしたって生き物そのものというより
本来生息地域を保護する制度なわけですから。
・安易な放流を痛烈に批判されているコラム
鉄崎幹人「生涯野人」ラディカルエッセー
http://www5.ocn.ne.jp/~tetsu/rad070305.htm
名古屋を拠点に活動しているアウトドア派のタレントさんですが
環境問題に関しては清●国明氏より自然の現状に即した
知識と意識を持っておられると思います。
・正直なところ,既に国内に定着しているカブトエビを
田んぼに放すこと自体は害はないと思いますけどね。
もともといないところには放しても無事に発生して
繁殖・定着する条件が揃っていないのかもしれませんし。
所有者の了承無く勝手にやっちゃうとか,
自分で放しておきながら「発見」としてしまうのは
人として問題だと思いますけど。
自分で放すならカブトエビを用いた有機農法の研究など
の目的で堂々とやればいいんですよね。
*****以上***************
いかがでしたでしょうか?
感想・ご意見・誤りなどのご指摘・ご質問・ご要望など
なんでも結構ですのでコメント・トラバいただけると
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これまでに比べたらかなり無駄なく作業できたと思うのに
トーン貼りだけで日曜まるまる一日食っちまったし,
もう次からは極力トーン使わない絵にするぞ。
データ化(画像読み込み・文字入力など)が一晩(火曜早朝)で
済まなかったし。時間かかりすぎ!
ペンの運びがまずい!ひっかかる!紙のせいだペン先のせいだ!
きぃぃぃぃい!パースがとれないのも道具のせいだ!
…って,んなわきゃない。全ては己の力不足よの。
1日も早く更新して数こなして克服するしかないですね。(^_^;)
■関連図書■
『カブトエビのすべて−生きている化石<トリオップス>』
秋田正人(2000八坂書房 税込1,680円)→Amazon
『カブトエビの飼育と観察―ふしぎな生き物“トリオプス”』
谷本雄治著, 佐藤智子絵(1998さえら書房 税込1,365円)→Amazon
『カブトエビの寒い夏』
谷本雄治著, 岡本順絵(2001農山漁村文化協会 税込1,400円) →Amazon
※児童向け小説。主題は農家の少年から見た93年冷害による「平成の米騒動」
カブトエビが重要な役回りを。
秋田正人…1918〜2007/2/19 長野県松本市出身。母校の深志高校教諭として
長野の市民レベルから盛んなカブトエビなど水田の生物観察・調査をリード。
カブトエビ研究の業績が認められ,
83歳にして2003年信州大学大学院工科系研究科にて博士号取得。
谷本雄治…自称「プチ生物研究家」。1953年名古屋市生・岐阜大学卒。
新聞記者をしながら自らの飼育・研究の成果を盛り込んだ
数々の児童書を著す。
カブトエビについて記載を見つけたので、早速連絡させていただきました。
私は、小学校の頃学研の付録にあったカブトエビ飼育セットでカブトエビと出会
いました。
その後、二十数年手を着けていなかったのですが、数年前ふとしたきっかけで再
びカブトエビと出会いました。
飼育セットで何度も実験してようやく成体に育てることに成功しました。
しかし、自然に生息しているカブトエビを見たことがありません。
そろそろカブトエビの時期です。(少し遅いくらいかも…)
以前埼玉県立自然史博物館のカブトエビの調査をされている井口さんにメールを
いたしました。
しばらくして、その方から『今度お連れしましょう』とお誘いのメールをいただ
いていたようなのですが、(私が忙しく)しばらくメールチェックをしていなか
ったので、そのままとなってしまいました。
その後、自然史博物館に連絡をしたところ、その方は、県の別の組織へ移動され
たとのことでした。
井口さんの情報では埼玉県に生息場所があると記載されておりましたが、どのあ
たりへ行けば見ることかご存知でしょうか?
現在、家では飼育3年目(3代目)カブトエビ3.7pがおあります。
3代目カブトエビを飼育とのこと,底の土を大事に保存されて,翌年も無事孵化・成長させているのですね。すごい!今の時期に4cm近くという大きさも。栄養状態も超良好に育てられたんですね。
お問い合わせの件ですが,基本はp3に書きましたように,お近くの田んぼを片っ端から見て回ることだと思います。今くらいならまだ田んぼに水が入って1ヶ月以内くらいですよね?今から始めても十分大丈夫なんじゃないかと思います。
(去年6月下旬に京都でこの程度http://ddaisuke.seesaa.net/article/45564894.htmlですし)
絶対に空振りしたくない,過去に発見された地域を確認しておきたいということでしたら県内の生物関連の施設に問い合わせされたらどうでしょう。僕の場合は琵琶湖博物館のHPをチェックして水生動物の先生に問い合わせメールを送りましたが,実際にお会いしてみると地元小学生たちも参加して調査されたデータもお持ちでした。
そちらでいいますと,さいたま水族館ということになるでしょうか。こちらには研究施設はないようですが飼育ノウハウ上,資料や知識を持ったかたがいらっしゃるはずですし,問い合わせてみれば,その道に詳しい方を知っている可能性はあるのではないかと思います。
埼玉県でも過去に地元の子どもたちが参加する環境調査イベントなどが行われている可能性は十分あると思いますし,そうであればその結果は役所で配布されたりとか学校に配られたりするはずですから,その資料を持っている方もいらっしゃると思うんですけどね…。
学校の先生でいえば埼玉ならまず思い浮かぶのが森田保久先生でしょうか(検索すれば先生のHPはすぐヒットします)。先生ご自身はカブトエビの研究はされたことがなさそうですが,資料をお持ちであるか,詳しい方を知っておられる可能性はあるのではないでしょうか。
※私は森田先生と面識があるわけではないので,あくまで参考ということでよろしくお願いします。
というわけでお役に立てる情報は手元には全くございませんで,申し訳ありませんが,以上のような回答でご容赦ください。
情報ありがとうございます。さいたま水族館に連絡してみようと思います。
現在飼育しているカブトエビは、5/1に孵化した成体となります。これまでの経験では、生存期間で6〜8週間程度、孵化後2週間ほどで、産卵を開始。
生存期間中、カブトエビは、産卵(+徐々に産卵回数が減ると思われる)し続けておりました。
脱皮もほぼ毎日行い、産卵と同様に徐々に回数が減ってきていました。
今回は、これまでのものと異なり、卵を一度も抱いていないようです。
これまでとの飼育方法の違い
1.光
前:ふ化直後から間接光(日光)が当たるようにしていた。
今:孵化後2週間の間ほとんど日光に当てていない。
2.水
前:カブトエビで2〜4匹ほどが成体となったため、1〜2日に一度水を入れ替えていた。
今:孵化後3週間ほど水を変えていなかった。
3.カブトエビ
前:水槽底にいても餌(水面)にまくと水面にやってきた。
今:2世代目から徐々に複雑な泳ぎ方やえさへの反応が悪くなってきてる。
世代継承によるものなのか、飼育条件であるのかはわかりませんが、今後も観察を続けていきたいと思います。
また、何かご相談することがあるかもしれませんがその際は、ご指導いただければ幸いです。
まずは、お礼と報告まで。
世代を経るごとに生命力が落ちているような様子とのこと,私が先生に聞いた話や本の記述では個体密度が低いほど成長がいいということ,底に土を入れておくと水質維持に有効ということ(何かと濁りますから観察には邪魔ですが)があるそうです。前世代が2〜4匹ということでもともと個体密度は低くて十分に成長していたかとは思いますが,参考になればと思います。
飼育に関しては私なんかよりうしろがたさんの方がずっと上級者だと思いますので,こちらこそ色々教えていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
さまざまなHPよりいそうな地域を求めて、日曜日に埼玉県北部までカブトエビを探しに行きました。
車に揺られること1時間半、子供に『あと10km、あと五分』だのとだましだましようやく目的地へ到着。
最初に付いた田圃で豊年エビに出会いました。
一方、カブトエビはというと、見つかるのは死骸ばかりでしたが、2反先の田圃で娘が発見してくれました。
手を伸ばすと、ものすごい速さで水中へもぐっていきます。 この速さが自然の動きなのでしょうか?
ここのカブトエビは、自分の育てていたものとは明らかに異なる種類で足の色は緑掛り目が大きく甲羅の形がやや細長い・・・
おそらく、秋田などで見られるヨーロッパカブトエビ?だったのではないでしょうか。
また、捕獲したカブトエビの甲羅の裏側には、卵が詰まっているのが確認できました。
カブトエビのいた田圃の泥を持ち帰ったので、来年孵化するかテストしてみます。
なお、飼育していたカブトエビ(尻尾の先まで47o)は、土曜日に脱皮に失敗して死んでしまいました。
埼玉県内の生息地について触れていたHPがあったんですか。
車で1時間半とは結構な遠征でしたね。
カブトエビの種類は目の大きさや甲羅の形といったはっきりとした形態では見分けられないそうです。一番のポイントは口の中の小顎の有無とのことなのですが,それでは素人には無理なので,教えていただいた基準は,2本の尾鞭が出ているつけ根の部分・尾節のとげでした。背側の中央にはっきりと棘が3つほど並んでいるのがアメリカ,尾節の背側の棘は小さくまばらで,後方に向かった棘が生えているのがアジア,ないのがヨーロッパだそうです。(ほかにも,アジアには血液が赤いため裏から見ると赤いものがいるとか)。
足の色が緑色というのは,足がえらになっているホウネンエビと同じで藻類を共生させて光合成しているのかもしれませんね。カブトエビは甲羅が日光を遮ってしまって光合成には不利のようにも思えますが,どうなんでしょうね。
だいぶ経ってしまいましたが…
ドージマさんにご説明いただいた見極め方をもとに種類を確認していました。
この間捕まえてきたカブトエビは、すぐアメリカカブトエビであることが、確認できたのですが…死骸を高画質のカメラで撮り引き伸ばしたところはっきり3本の棘がありました。
しかし、うちで飼っていた種類がなかなか判別できませんでした。
過去の写真を引っぱり出しながら探してみたのですが、なかなか良い写真がなく苦労しました。結局はっきりしたことはわかりませんが、尾節の棘から判断するとアジアかなあというところです。
ドージマさんよりこの様な見極め方を教えていただいたので、今後は必ず確認するように致します。
実は、これから暑くなるので心配ですが、先日捕まえてきたもののU世代目を飼育中。
7/14よりスタートさせ、現在1p弱程度となりました。また、何かの際にご報告いたします。
ありがとうございました。
まずは、お礼まで…
なるほど,田んぼじゃなくて水槽で飼う分には季節関係なしに育てられるんですね。
またいろいろ教えてください。
カブトエビの分類法ですが,コメ欄では図で示せず,言葉だけの説明になって申し訳なかったです。今描いてるプラナリアの話の次にカブトエビの続編を描く予定で,その際にはこの分類法についても描きたいと思ってるんですけどね…。実際にチェックされたとのこと,埼玉にアジアもいたなら新発見かもしれませんね。