2014年05月31日

手塚治虫漫画賞贈呈式行きました2014

5月最後の日に真夏日を記録する関東地方,
きてますねー。朝晩は涼しいのでまだこたつ布団を残している私ですが
週末日中に自室にいるとさすがに暑い(;^_^)。
140530 手塚治虫文化賞バッヂ.JPGそんな5月末の30日,「手塚治虫文化賞」受賞式の参加証ハガキが当たりましたので行ってまいりました。
いや〜,ああいうハッピーとリスペクトに満ちた空間というのは本当にいいもんですね。


140530 手塚眞先生.JPG
かわいい恒例のオープニング,手塚眞先生の挨拶。
各受賞作・受賞者の紹介と,賞の名である手塚治虫先生が生前から願った漫画の地位向上が,国も認めるところまで叶ったことに触れ,その貢献者である受賞者や支援する皆への祝福と感謝。
読者にとってはもともと「マコとルミとチイ」のマコであり
若いビジュアリストのイメージがずっとあったのですが
気がつけばそういえばもう50代なんですね。
手塚治虫先生が七色いんこ,陽だまりの樹を描かれてた歳なんだよなぁ…

演劇選考委員のヤマダトモコ先生より先行経過報告。マンガ大賞について,選考委員の投票段階で各委員が一番に推す作品は割れたが,最高得点を得,かつ3年連続候補に挙がり続けた『3月のライオン』を外すわけにいかない(安定した力を維持させることは並大抵ではない,ダメ出しを続けるのはかわいそう),今年は血の流れない作品に獲らせたいなどの意見が出,最終的には文句なしの受賞となったとのこと。


ひらめきそして賞の贈呈。チタンのようなシンプルフォルムのアトムのブロンズ像
140530 羽海野チカ先生.JPG
かわいい【マンガ大賞】羽海野チカ(うみの・ちか)先生
『3月のライオン』ぴかぴか(新しい)
初めて買った漫画が手塚先生の『リボンの騎士』で,友達とわいわい遊ぶ性格でなく小さい頃からひたすら
絵をまねて書き続けてきたことが自分の原点になりました。この賞をいただけて本当に胸がいっぱいです。かつての私に手塚先生の漫画が道を開いたように,ひとりでいる子たちのためにも描き続けていきたいと思います。


140530 今日マチ子先生代理.JPG
みつあみの神様 (愛蔵版コミックス)
かわいい【新生賞】今日マチ子先生
『アノネ、』『みつあみの神様』『mina-mo-no-gram』『U』
ぴかぴか(新しい)
代理受賞として,先生作の『cocoon』の主演もされた女優で友人でもある青柳いづみさんが登壇。
今日マチ子という名は本名ではなく女優の京マチ子さんから頂戴したペンネームです。この授賞式の関係者の方に今日は青柳いづみを今日マチ子と呼んでもらうようお願いしましたが,「嘘はだめ」と言われました。虫の字の入ったペンネームの手塚治虫という偉大な作家の賞を頂き,嘘をつきながらその後を追い続けたい。


※すみません,撮影・録音禁止の会場で,スピーチの要旨というよりオチ的なところばかりメモしていたので,文章が支離滅裂になっています。なんとなく程度でお読みください。以下の記述も同様です。m(_ _)m
ひらめき正しい内容が公開されておりました→http://juicyfruit.exblog.jp/19853444/ exblog手塚治虫文化賞新生賞・あなたはどこにいるのか

140530 施川ユウキ先生.JPG
オンノジ
かわいい【短編賞】施川ユウキ(しかわ・ゆうき)先生
『欝ごはん』『オンノジ』『バーナード嬢曰く。』
ぴかぴか(新しい)
『オンノジ』はブラック・ジャックとピノコのように名カップルになれたらとおこがましいことを考えながら描いていました。その『ブラック・ジャック』を世に出した秋田書店に,落書きのような漫画を投稿したのが16年前です。今も落書きのような漫画を描いておりますが今回手塚先生のお名前を冠した賞をいただけて漫画家人生最上の栄誉となりました。


140530 藤子不二雄A先生.JPG
愛…しりそめし頃に…―満賀道雄の青春 (1)
かわいい【特別賞】藤子不二雄(A)先生
『まんが道』『愛…しりそめし頃に…』
ぴかぴか(新しい)
昔は漫画を描いてほめられるなんてことはなかった。ノミネートされてるなんて全然知らなくて,まさに青天の霹靂。
今年80歳になって,このような賞をもらえてこんなうれしいことはない。そろそろのんびり田舎暮らしでもしようかと思ってたが,これを励みに,ひとつもっと頑張ってみようかと思います。

むかっ(怒り)もう会場は歓声のような拍手の嵐!
A先生,すごく元気!もちろんマイクを通して喋ってるんだけど,すごく張りがあって生命力をびんびん感じました。いやもうすごいとしか。


140530 小山宙哉先生.JPG
宇宙兄弟(23) (モーニングKC)
かわいい【読者賞】小山宙哉先生
『宇宙兄弟』
ぴかぴか(新しい)
現在連載は中断しており申し訳ありません。アニメ映画化の準備のためなのですが,マンガが描けないつらさを感じたのは以前,サッカーで腕を骨折して以来のことです。そのときは治ったあと,なぜか骨折する前より絵がうまく描けるようになっていたので,今回も,皆さんには申し訳ないですが戻ったときにいい機会だったといえるよう頑張りたいです。

※今回新たに設けられた賞。ノミネート20作品の中からインターネット投票で決定。
この式でも,読者代表の男女2名が花束贈呈し一言ずつ祝福のスピーチをして暖かい空気が広がりました。



ひらめき 贈呈式のあとは,記念イベントとして豪華トークショー2本手(パー)

140530 永井藤子A対談.JPG

ひらめきまずは藤子A先生に選考委員の永井豪先生が聞き手となって,受賞2作品の舞台となったトキワ荘時代の思い出を語っていただきました。
・手塚先生に藤本氏と書いたファンレターは,全国から殺到しているであろう中から目立つため付録をつけた。油絵を描いたこともないのにキャンバス買って,資料になる写真も手に入らないのに漫画の中の自画像とベレー帽を被らせた藤本氏をもとに手塚先生の肖像画を描き上げてファンレターとともに送り,見事手塚先生から返事をいただいた。
・当時トキワ荘に住んでおられた手塚先生を初めて訪ねたとき,「ちょっと待ってて」とテラさん(故寺田ヒロオ先生)の部屋に通されて,夜になっても手塚先生に呼ばれない。テラさんいい人なんで,帰ると言っても「いいじゃないか」と引き止められて,結局手塚先生に会えるまで3泊4日
・手塚先生が引っ越す際,空く部屋に藤子不二雄が入らないかという話が。家賃が月3千円に対して敷金が3万円もして,これはとても用意できないと言葉を濁してると手塚先生が「僕の敷金置いていくからそれで入りなよ」と仰っていただいて,「ありがとうございます」。
・とにかく仕事がなくて昼間からテラさんの部屋とかに皆で集まってわいわい騒いでた。私は新聞社に2年ほどいたので飲めるけど,ほかはテラさん以外全然飲めなくて「酎ダー」というもの(サイダーに焼酎をたらした飲み物)をつくって飲んだりしてた。金はなかったがとにかく楽しかった
・テラさんいい人伝説その2・赤塚不二夫氏が仕事がなくて,漫画家やめてキャバレーのボーイになると言い出した。当時彼はすごい美少年で「それもいいんじゃないか」と言ったんだけど,テラさんは当時自分もまだ売れてなかったのにたんすの引き出しから3万円出して「これを使い切るまでは続けろ」と言ってくれた。その後,手塚先生が逃げて穴の空いた雑誌の16ページを埋める描き手の声がトキワ荘の若手にかかって,何を描いてもいいからというので赤塚氏がそれまで描きたくても描かせてくれる場がなかったギャグマンガを描いたら評判になり,それから3年とたたずに『おそ松くん』。
・手塚先生がさまざまなジャンルに手を広げてどれも人気になるので,とにかく手塚先生の描かないジャンルを描いてものにしようと頑張った。
・(『愛…』というタイトルはやはり女性関係も描きたくて?)いやいや私は真面目ですから(笑)。
(石ノ森先生のお姉さんも出てきます。永井先生が石ノ森先生のアシスタント時に写真を見たことがあり,すごい美人だったとのこと)年上ですから私は恋愛感情なかったです。奥さんも来てますし。石森氏の描く女性は皆お姉さん(がモデル)なんですよ。私は全部奥さんですけど。

「とっくに受賞されていておかしくないのに遅くなって申し訳ありません」
「いえいえ今いただいたほうがずっと嬉しいです」という会話で始まったトーク,
お宝エピソード連発のレジェンド対談に会場はドッカンドッカン爆笑の渦
オーラがあるというか,空調が完璧な会場で温度的には快適でしたが
気持ち的にはあったまりまくりでした。

140530 ヤマザキ羽海野対談.JPG
ひらめき続いて大賞受賞者の羽海野チカ先生と,友人で3年前の「短編賞」受賞(『テルマエ・ロマエ』)のヤマザキマリ先生トークショーぴかぴか(新しい)

自分たちが先かと思ってたら大先生が無茶苦茶面白い話をされてて大プレッシャーを感じながら始まったという対談ですが,日本屈指のストーリーテラー・羽海野先生にレポーターとしてもプロのヤマザキ先生が友人の距離感で話を聞くのですから退屈な話になるわけがない!

・イタリアから朝11時に着いて,かろうじて仕事場で汗だけ流してきたという超多忙ヤマザキ先生。トークの相手をしてほしいという羽海野先生の求めに「いいよー」と即答。
・とにかく羽海野作品は登場人物の造形がすごい。大勢の人物がそれぞれいくつもの側面を見せて。→すべての人物には好きな物・嫌いな物などのプロフィールをまとめてからマンガに登場してもらう。ただその時のストーリーの都合で悪い事をするためだけの(使い捨ての)キャラクターを出すなんてことはできない。
・「こんなによく考える2人がこんな理由で喧嘩するはずがない」など,予定していた出来事とキャラクターが矛盾するときはストーリーのほうを変えるので,話が(想定していた流れから)一転二転してしまい,苦労しています。
・主人公の零に暖かく接する3姉妹が昭和の和菓子屋というのが重要。マンション住まいだったりパティシエだったりしたらこんな話にならない。『テルマエ・ロマエ』も時代設定は1977年。→高校時代の同級生の家がモデルで,連載開始にあたって写真撮らせてもらった。藤子不二雄A先生が『まんが道』でかつて過ごされた時代の記憶を私たちに伝えられたように,自分も自分が過ごした時代の記憶を若い人たちに残したい。
食べ物の描写が殺人的に美味そう→マンガの中で登場人物が苦しくなって,私も苦しくなって,読者の方も苦しいだろうなぁって頃に「おいしいものをどうぞ」という気持ちで入れる。取り上げる食べ物は,皆が必ず食べたことあるものにしている。
・藤子A先生がトキワ荘時代お金がなくても楽しい時間を過ごされたとおっしゃってたように,幸せはお金と関係ないってことを知ってほしい。
・自分の想像力が足りなくて疲れている人に追い討ちをかけ(るようなことを作品に描い)てしまったとき「なんでもっと気遣いできなかったんだろう」と悩む。
・一度連載が終わって,次の話を始める時に,描き方忘れてません?私は,道具を広げて,刷り出しを見て,思い出すところから始めます。←「ふだん考えすぎなんだよ(習慣や癖でやってない)」
・同業の方とお会いすることもあるけれど,ふだん本人が話することと作品で描かれていることが一致する,つながっている人の作品は面白い。作者本人と作品が違っている人の漫画は読んでて入り込めない。
・漫画って,自分の描いたものが紙になって,自分がいなくなった後もずっと残る。すごいことだと思う。

わーい(嬉しい顔)ヤマザキ先生はとにかく明るい!「私なんか風呂入ってる爺さん描いてるだけ」「テルマエ・ロマエは出版社に100巻でも続けてください!と言われて6巻まで延ばしたけど,ハチクロと違って終わるときファンから"ルシウスと別れるの寂しい"なんて声全然なかった。バイバイ!って。私も3月のライオンが終わって作中の彼らと会えなくなることを想像するほうが寂しい」等の自虐トークがテンポよく羽海野先生へのリスペクト話につながって遠慮なく笑える。この「動」「陽」のヤマザキ先生と,とにかく考える・すみずみまで心を配る「静」「深」の羽海野先生が本当に互いを尊敬しあってて気持ちがよく,チカ先生の言葉が巧みに引き出されて羽海野作品の真髄を垣間見れた貴重な対談でした。

手(チョキ)こうして約2時間の受賞式イベントは瞬く間に終わりを迎えました。
会場にはちばてつや先生や呉智英先生,いしかわじゅん先生など漫画業界の著名人が来られていて
関係者やファンたちから声をかけられていました。
ほかにもけっこうプロの先生方が来られていた(かなりの有名どころ含む)のは
間違いないのですが顔がわからなくて残念…

140530 今日マチ子先生.JPG
晴れ 贈呈式には代理を立てられていた今日マチ子先生,スピーチでも言われていましたが,会場に来られていたんですよね。透明感のある作品によく似合う「今日マチ子」の代役を立てて(友人でかつ実績のあるプロですからもう完璧ですね),その受賞を客席から見るって刺激的な発想だなぁ…。おそろいの服でまさに代役・分身ですね。
かわいらしいお子さんと一緒の小山先生,友人と談笑される施川先生の姿も見られ微笑ましい雰囲気がしばし続きました。


晴れ本当にすばらしい,楽しいイベントでした。
それにしても表彰式とかサイン会のように,リスペクトと喜びにあふれる空間・時間って本当にいいですよね。手(パー)

※当記事に勘違い・事実誤認があり,それを信用することによって損害を被ることがございましても責任は負いかねますが
 お気づきの点についてご指摘いただけるとありがたいです。m(_ _)m
 

【関連記事】
前回参加したのは2011年の第15回贈呈式でした。
ペン手塚治虫文化賞2011贈呈式行ってきました(2011年06月05日)

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羽海野チカ先生 @CHICAUMINO https://twitter.com/CHICAUMINO
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ヤマザキマリ公式HP http://yamazakimari.com/

演劇第18回手塚治虫文化賞 贈呈式
http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/#n07

ペンMSN産経ニュース 手塚治虫文化賞受賞対談/藤子不二雄(A)×永井豪「トキワ荘で運命変わった」/羽海野チカ×ヤマザキマリ「いろんな方向から見た人間を描きたい」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140531/ent14053107000004-n1.htm

ペン羽海野チカ「マンガはいつも側にいた」手塚治虫文化賞受け コミックナタリー
http://natalie.mu/comic/news/117766

ペントキワ荘の思い出に『3月のライオン』秘話まで! 「第18回手塚治虫文化賞」贈呈式レポート おたぽる
http://otapol.jp/2014/06/post-1006.html

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posted by ドージマ・ダイスケ at 17:55| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
選考委員はマンガ研究者のヤマダトモコ氏です。
ヤマシタトモコさんという漫画家さんがいらっしゃいますが全く別人です。
記事の訂正をお願いいたします。
Posted by 訂正後消してください at 2014年06月01日 08:01
ご指摘ありがとうございます。配布資料を見ながら書いたはずなのに我ながら驚きです。訂正しました。
Posted by ドージマ at 2014年06月01日 09:42
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