2007年04月03日

Z会「参考書の参考書」を斬る(3) 文英堂『理解しやすい生物I』

Z会の2007年版「参考書の参考書」では
文英堂『理解しやすい生物I』(以下『理解しやすい』)が
推薦されているが,もう1つ,有名なあの参考書はどうなのだろうか?


    
理解しやすい生物I―新課程版

水野 丈夫, 浅島 誠
文英堂 288p 1,785円(税込)
    チャート式新生物I 表紙
新課程 チャート式シリーズ 新生物1

鈴木 孝仁, 本川 達雄
数研出版 288p 1,544円(税込)

まさに双璧・どちらもお薦め
『理解しやすい』についての「参考書の参考書」の紹介文。
 図版や写真が多いので見やすく,内容も充実している。
 学校の予習・復習として利用するのに適している。
 例題も多いので,上手に利用して内容を確認しながら進めるとよいだろう。 


まさにこの説明で私も同意。
参考書を出せる力のあるライバル出版社が数少ないとはいえ
長年著者を務めてきた水野丈夫・浅島誠両先生による
解説のわかりやすさ,図版の見やすさにおいて信頼性は折り紙付き。
本文にごてごて色がついていないので色線を引くなり
書き込みをするなどして自分なりに使いこなせるし
内容も十分受験に対応できる範囲までカバーされている。
浅島先生1コマ
※水野丈夫 東大名誉教授
 帝京大学薬学部・生命薬学講座・生命プログラム教室特別研究員
  http://www.pharm.teikyo-u.ac.jp/

 浅島研究室(東京大学大学院総合文化研究科・発生生物学)
  http://xenopus.c.u-tokyo.ac.jp/
 研究総括・略歴 http://www.jst.go.jp/pr/info/info45/jryakureki.html
 プロフィール(東京大学教養学部 生命・認知科学科) http://bio.c.u-tokyo.ac.jp/ninchi/profile/asashima.html


一方,『チャート式シリーズ 新生物I』(以下『チャート式』)は
微妙に紙面に懲りすぎの感がなくもないが
新しいといえば新しく,オシャレといえばオシャレ。
長年著者を務めてきた小林弘先生の死去により
新課程から同社教科書の著者である鈴木孝仁先生と
『ゾウの時間ネズミの時間』で知られる本川達雄先生のコンビに変わり
本川生物学ならではを思わせるコラムや
教科書等の内容より大きく踏み込んだ興味深い事例などの読み物が
よりいっそう充実。本文の解説内容も細かく詳しい。
本川先生1コマ
※本川研究室(東京工業大学大学院生命理工学研究科
 生体システム専攻 進化・統御学講座 生体統御学分野)
 http://www.motokawa.bio.titech.ac.jp/

 鈴木孝仁
 奈良女子大学理学部生物科学科・分子生物学分野教授
 http://www.nara-wu.ac.jp/rigaku/bio/molbio/
 プロフィール http://www.nara-wu.ac.jp/rigaku/bio/molbio/suzuki/suzuki.html


288頁と『理解しやすい』と同じページ数でこちらのほうが詳しいのは
字が小さくて1ページ字数が多いのと,章末問題がないため。
しかも内容が詳しいのに値段はこちらのほうが安い!

※『ゾウの時間ネズミの時間』(1992年)は,ベストセラーになっただけあって
 すごく面白い本。生物の形態や進化・系統について
 あまりにも話ができすぎているっていうくらい
 見事に謎解きストーリーが組み立てられていて
 生物の世界の不思議さに魅了させられるお薦めの1冊だ。




生物2まで合わせて考えると
値段について,
生物IIも含めて考えると逆転するんだこれが。
『理解しやすい』は生物Iと生物IIが1冊になった『理解しやすい生物I・II―新課程版』→Amazon)が出ていて,生物I部分はまったくそのままで生物2分野が加わった480pなのに,お値段は生物Iだけのものと315円しか違わない2,100円(税込)。
『チャート式』の方は生物Iと同じ1,523円(税込)の 『新課程チャート式シリーズ新生物2』→Amazon)をもう1冊買うことになる。


前述のように,詳しさ・掲載内容の量を比べれば『チャート式』の方が上なのだが,一から勉強する生徒には『理解しやすい』のほうがやや読みやすく取り組みやすいし内容も十分。『チャート式』でも情報の絶対量でいえば図録にはかなわないところがあるので,生物IIを多分とらないだろうという生徒でも,300円程度の違いなんだから『理解しやすい』の生物I・IIを1冊買っておけばまず損はないだろう。それで物足りなかったとしても図録で補えばいい(学校採用で図録を購入しないという人は→前回のエントリーを参考に)。
もちろん,『チャート式』生物T,生物IIを買って現状のベスト水準を期すのも可だ。



※関連教材
『シグマ基本問題集生物I―新課程版』(777円(税込)→Amazon
『シグマ基本問題集生物II―新課程版』(777円(税込)→Amazon
新生物1・2要点別問題演習 実戦編
(930円(税込)→Amazon)



※類書
文英堂『高校これでわかる生物I―基礎からのシグマベスト』
文英堂編集部 208頁 1,470円(税込) (2003/04) →Amazon

学研『基礎からベスト生物I+理科総合B生物分野
―教科書の要点をおさえた』

千原 光雄, 押田 全人, 臼田 浩一
324頁 1,785円(税込) (2003/03)
→Amazon



「参考書の参考書」掲載教材(高校コース高校基礎科)

理解しやすい生物I―新課程版
  〔文英堂〕 1785円 (本体\1700)→Amazon
改訂版 視覚でとらえるフォトサイエンス 生物図録
  〔数研出版〕 924円 (本体\880)→Amazon
  ※07年2月改訂版発行。→Amazon
はじめる生物50テーマ 〔Z会出版〕 1,050円 (本体\1,000)
大学入試にでる 生物[遺伝]が面白いほどわかる本 新出題傾向対応版
  〔中経出版〕 1,260円 (本体\1,200) →Amazon
新課程 トライアル 生物I <教科傍用>
  〔数研出版〕 660円 (本体\629) →Amazon
  ※07年3月改訂版が出ています(680円税込)→Amazon
解説が詳しい 生物I 頻出重要問題集 大町 尚史
  〔旺文社〕 840円 (本体\800) →Amazon
サブノート 生物I 〔旺文社〕 935円 (本体\890) →Amazon


文英堂(京都・東京) http://www.bun-eido.co.jp/
数研出版(東京・京都) http://www.suken.co.jp/
学研(東京) http://www.gakken.co.jp/

バッド(下向き矢印)少しでも参考になったと思っていただけましたら
 クリックしていただけるととても嬉しいです。
 よろしくお願い申し上げます。<(_ _)>
にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ人気ブログランキングバナーくつろぐバナー
posted by ドージマ・ダイスケ at 04:49| 東京 🌁| Comment(5) | TrackBack(0) | 【参考書・問題集】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これでわかる生物を既に持っているのですが、もう少し勉強したいので理解しやすい生物Iを購入しようかなと思います。ですが同じ出版社
という事もあり、内容的にはこれでわかると理解しやすいは似たり寄ったりという感じでしょうか?
Posted by さえ at 2008年01月14日 00:53
こんばんは。
ご質問の件ですが,『これでわかる』と比べると『理解しやすい』は格段に掲載内容や解説文が詳しくなりますので,別物と考えていただければ良いでしょう。
同じ出版社ということでいくつかそっくりの図が載っているということはありますが,基本的な内容は他社の本とでも共通になりがちですし,同じ出版社であることで用語が揃っている(生物の場合,教科書でも同じ意味の言葉で出版社によって表記が違うことがあります)などの一致点は勉強しやすくてかえって良いと思います。
Posted by ドージマ at 2008年01月14日 01:13
お返事有り難うございます。
私は高卒認定試験を受けるのでその勉強の為にこれでわかるを購入しましたが、高認レベルに対応出来る参考書はこれでわかるの他に何かあるでしょうか?http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/kakomon/071119/mondai/015.pdf
(高認の生物です↑。)
Posted by さえ at 2008年01月14日 18:55
さえさん再度コメントありがとうございます。
「高認」対策の勉強なんですね。
それでしたら『これでわかる生物I』で十分カバーできます。(貴方が張られたURLの問題も,すべて『これでわかる』に載っている内容ですよね)
「高認」の出題科目は「生物」となっているので生物IIの範囲が含まれるかどうかがちょっと気になっていたのですが,問題を見る限り生物Iだけなので『これでわかる生物I』で全く問題ないですね(生物IIは高校卒業に単位が必要な科目ではないですから当然といえば当然か)。

ですので『これでわかる生物I』を既にお使いなら,他の参考書を買われるよりその1冊をしっかり勉強したほうがいいです。そして,日常学習用の問題集を買って解いてみることが重要です(大学受験用は必要ありません)。

生物Iの問題集についてはこちらで紹介しています。
http://ddaisuke.seesaa.net/article/47255171.html
この中では同じ出版社の『シグマベスト基本問題集生物I』がいいと思います。

実は『これでわかる生物I』に合わせた問題集(傍用)としては,これとは別の『これでわかる生物1基礎反復問題集―高校 基礎からのシグマベスト』という問題集があるのですが,これは本当に基礎の基礎から勉強する人のためのドリル的な問題集(これでも完璧にこなせるなら高認通過レベルには到達できますが)なので,このような書き込み式の問題集なら『生物Iの必修整理ノート』のほうがおすすめです。こちらについては↓↓ここで紹介しています。
http://ddaisuke.seesaa.net/article/36960853.html
Posted by ドージマ at 2008年01月14日 21:53
レベル的には高認と同じくらいなんですよね?有り難うごいます。では文してみます。
Posted by さえ at 2008年01月14日 22:59
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
記事検索
 

ケイン 基礎生物学
東京化学同人