毎週ユニークな話題を扱っているJ-WAVE『東京REMIX族』,
昨日5日土曜日放送メインコーナーは「カメの極み」と題して
カメの飼育について語られていました。
http://www.j-wave.co.jp/original/tokyoremix/report/contents.htm
http://www.j-wave.co.jp/original/tokyoremix/report/791.htm
このときの放送,
ゲストで登場,カメの病気について解説されていた
田園調布動物病院院長・田向(たむかい)健一先生は
他の獣医で断られた患畜ペットがひっきりなしに持ち込まれる
オールラウンドのエキゾチックアニマル(も診る)獣医先生。
この年末に出されたこの田向先生の著書がすごく読み応えあるんで
ぜひお薦めしたいと思います。
_![]() | ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
などでかなり知られてきてるかと思いますが,
この『珍獣の医学』では盛り沢山のエピソードと知識がすごい密度で語られています。
そもそも大学の獣医科では経済動物である牛や豚,馬,あとはニワトリや
養殖魚について少しやるくらいで,それ以外の動物については全くと
いっていいほど教えてくれない。ペットについても犬や猫以外は
すべて「エキゾチックアニマル」。そんな動物でも飼い主は
獣医ならその道のプロなんだから治して当然と思って持ち込んでくる。
先生はどうするか。「がんばる」(海外の情報を調べたり自分で病気を
探り治療を工夫する)しかないと言います。
動物は小さくて病状を言葉で説明できないし,死ぬ寸前のぎりぎりまで
病状を見せないからちょっと診察・治療をしくじれば死んでしまう。
イギリスでは1万5千人いるうち年20人も自殺しているという
厳しい職業だったりする獣医。飼い主のほうは野生では昆虫とか
食ってるロリスをリスの仲間だと思って植物性のエサやってるとか
無知だったり無責任だったり,そもそも自分で飼えるかどうか考えず
合わなかったり無理のある動物を安易に入手してるケースがあまりにも多いと。
そして様々なケースについて実際の症状と治療過程を
カラー写真つきで紹介。水槽の底の石を飲み込んじゃうカエルとか
いるんですねぇ…。東京REMIX族で語られたカメの病気も,
甲羅に穴をあける手術の写真とかばっちり載ってます。
以前は四角く切り取って手術後戻して蓋してたのが
四角のうち一辺を切らずにめくるように開けて戻すやり方をあみ出して
予後がいいそうで,その接着方法(金属用ボンドがいいとか)も色々
自分で研究・試行錯誤されるんですねぇ…。その成果についてレポートし
世界で評判となった「PE法」,語源は別にあるのですが先生は
治療中の様子がピップエレキバンを貼ってるみたいに見えるからとも
言ったりしてるそうです。
とにかくディープな獣医の現場。
300ページ近い分量で密度高く,濃い内容の1冊。
税込1575円はお買い得だと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

クリックしていただけるととても嬉しいです。
よろしくお願い申し上げます。<(_ _)>
![]() | ![]() | ![]() |
―――――――――――――――――――――――――――――――――――


![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
_![]() | ![]() |
いきものの先生〜野村潤一郎(ほぼ日刊イトイ新聞)
http://www.1101.com/nomura/index.html