クリスマスシーズンを控え,もうイチゴが安いお店では1パック298円で買えたりする今日この頃。
今月に入ってキャベツやレタス,それに高いときにはかなりお高い白菜なんかもけっこう安くなってきましたが,今週あたりブロッコリーも安く出回っているように思われます。シーズンなんでしょうか?
さて,今回ご紹介しますのは,
昨日アリのニュースについてUpしたからというわけじゃないですが,
こちら。
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いもむしが日本を救う? めったに見つからないカブトムシ?
(サイエンス・アイ新書 64)
森 昭彦/ソフトバンククリエイティブ(2008/5/24)
→Amazon
虫に関する本を紹介するんなら,読んだ人が
虫を観察してみたくなるような暖かい季節にしたほうが
よさそうなもんですが,しょうがないですわね,
私が読んだのが今週なんだから。
虫の生態に関する雑学的知識を集めたことがわかるタイトルと
手にとるとボリュームを感じる厚さと重さ。
雑学本というものは,載ってる内容がとっくに知っているような
陳腐なものばっかりだと買う価値まるでナシなわけですが
この本についてはまったくそんな問題はありませんでした。
寄生昆虫(狩りバチなど)に対する二重寄生の話とか
昆虫たちの“樹液酒場”ではスズメバチよりもオオムラサキ(♀)が,
カブトムシよりチビ甲虫やハエのほうが強いとか,
一見そっくりだけど一方は害虫・他方は益虫のコガネムシと
カナブンの幼虫の見分け方とか,
ハエのウジに壊死した組織を食わせると予後が良好になるという
マゴットセラピーの話などなど,
フィールドでの体験と文献などからの知識がバランスよく結びついた,
地味で普段気づかれないような虫とか
世間で嫌われたり怖がられているような虫についても
見かけたら観察してみたくなる,興味がわく,
見る目が変わるような面白い「新常識」が満載です。
そりゃ,もちろん載っている知識の中には,
どこかで聞いたことのあるものもなくはないですけど
左ページに解説文,右ページに写真・イラストが配された
見開き2ページの各項目はどれも内容が濃いんで,
知っているような事が書いてあっても改めて納得できるとか
文の面白さに跳ばさずしっかり読んでしまうものばかり。
紹介する虫の姿や行動を人間に例えたり,
観察や遭遇する人間の立場ならではの体験談やムシ評。
「ガーデナー」という言葉が出てくるこの文体,
どこかで読んだことがあるなと思ったら,
やはり,『身近な雑草のふしぎ』(→レビュー(8/21))
の著者その人でした。
読んで面白く,何かどこかで役に立ちそうな,
いつかまた調べることがありそうで手放せない,
決して買って損は感じない本だと思います。
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