2009年08月28日

news◇買ってはいけないオゾン発生器

ちょっと目に留まったニュース。
高校生物(あるいは化学)の知識があれば,
ちょっと考えれば「買うのがバカ」という話なのですが…

お父さんやお母さん,まさか買ってないでしょうね?!

ペン「オゾン発生器買わない方が」国民生活センター : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

ペン家庭用発生器から高濃度オゾン 製品テストで注意呼び掛け - 47NEWS(よんななニュース)【共同通信】

iモード家庭用オゾン発生器の安全性(商品テスト結果)_国民生活センター
 報告書(PDF)

基本的に,オゾンは人体にとってです。

古いコピー機やプリンタのそばにいると,生臭いような
こげくさいような臭いを感じることがありますが,
これは機械の中の火花でオゾンが発生するから。
オゾンが臭いのは,オゾンが鼻粘膜を“焼く”からです。

高校生物では「生物II」の「生物の集団」,その中の環境問題のところでやります。
工場や自動車からの排気ガスに含まれる窒素酸化物や硫黄酸化物が
元となって起こる酸性雨や光化学スモッグ。
このとき太陽からの紫外線によって生じる健康被害の原因物質が
光化学オキシダントでありオゾンなわけで。

高校化学でも無機物質の元素,酸素について勉強する際に
オゾンもやるはずです。フッ素の次に酸化力の強い物質,
腐食性の強い物質,脱色性まである物質なんですから
脱臭はともかく,空気の除菌効果があるというのなら
人体にもなんらかの悪影響があると考えないとおかしい。

まあ,高校でやるレベルの話だから逆に作る側も知っていて当然のこと,
オゾンをつかった空気清浄機というのなら,
機械の中で空気を浄化してオゾンは機械の外に出さない構造
なのかなと思ったら…

> 酸素を取り込んで吹き出し口からオゾンを排出する家庭用の発生器7銘柄を

本当に馬鹿かよという話。

090828 オゾン発生器O3濃度.jpg

上記リンクの国民生活センター報告書を見たら
見事に知らないメーカーの名前がずらり,
さすがにこんなトンデモ商品は,大手家電メーカーは
(「マイナスイオン」商品をバンバン出しているようなところでも)
作らないようです。

090828 オゾン発生器O3濃度(水).jpg

今回の調査対象となったのは楽天市場やYahoo!ショッピングで
取り扱いの多い銘柄を選んで行われたそうですが,消費者からの
相談の中にはテレビの通販番組で買ったら室内の観葉植物が枯れたという
ものも。ほかならぬ健康に関係するものは放送局やネットショッピングモール
側も内容に責任をもつべきです。

買う方も,こんなデタラメなひどい商品が
ときとして堂々と販売されていることがあるんですから
決してひっかかることのないように,
基本的な理科の知識を身につけて
それが日頃の生活に生きるよう,結びつけていってもらいたいと思います。


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ラベル:オゾン 健康被害
posted by ドージマ・ダイスケ at 23:21| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | ◇生物番組・ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
拍手 パチパチパチ!

随分前に何故男性より女性の方が長生きなのかと言う記事を読んだ事があります。
病気は細胞などの酸化が原因なので男性は身体が大きい分女性より吸う酸素の量が多いからではないか、と書いてありました。
本当にそうかどうかは分かりませんが一理あると思ってました。

なのに何故、人は酸素バーなどに行くんだろう?
ハンカチ王子が酸素カプセルに入って大丈夫なのか?と疑問に思ってましたが誰もその事について反対意見を述べた人はいませんでした。

だからパチパチパチです。
さすが生物研究の第一人者です!
Posted by 青い風 at 2009年08月31日 12:50
コメントありがとうございます。ひさしぶりですね。

酸素O2とオゾンは別の物質ではありますが,酸化力が強い
という点では生物にとって毒にもなるのは確かです。
もともと地球上に最初に誕生した生命は嫌気性で
酸素も毒だったわけですからね。

『ゾウの時間ネズミの時間』などでも広く知られるようになった
哺乳類は,体の大きいものほど長生きだが,一生に打つ心臓の拍動や
呼吸の数はほぼ同じ,という説がありますが,
これも酸素を体に取り込んで全身に回すことだと考えれば
酸素を利用した生命活動はエネルギー効率が高くて高度な運動や
精神活動を可能にするものの,害のある活性酸素が体内に生じたりして
激しく利用すればするほど寿命に近づいてしまうといえるのかもしれません。

ハンカチ王子たちが利用したという“ベッカムカプセル”は
短期的にはとても体にいいものだと思います(体内の老廃物を
分解したり処理するのにも酸素は必要ですし)。
ただ,激しい運動をして,その疲労を高濃度の酸素吸入で
急速に回復させるというのは,その分老化を早めないかなと
私も思いました。まあ,毎日何年間も続けたら何か起こるかもしれない
程度の“予感”ですけどね。
Posted by ドージマ at 2009年09月02日 12:28
お久しぶりです。私は理系のくせに物理が嫌いで生物と化学を選んだのですが、
化学を勉強してたらオゾンと言うのはかなり酸化力が強い物質だと知りました。
化学の先生が、オゾン脱臭装置って言うのがあるけど、あれは酸化力が強すぎて危険だから、使わない方がいいし、生臭い匂いがしたら、それは嗅覚細胞が酸化されている証拠だから危ないよって言ってました。
そう言えば、少し違う話なのですが、第一学習社のスクエア最新図説化学には、
ニセ化学には気をつけようと言う特集ページがありました。健康効果を謳ったゲルマニウム製品とか○○水とかがそのインチキ例として載っていました。高校の化学を勉強していれば簡単に見抜けることだとも書いてあったような気がします。
Posted by 長十郎 at 2009年09月02日 22:51
長十郎さん ごぶさたです。
理科離れなんて言われてますけど,
身近な話題を交えてわかりやすくて面白い話はいくらでもできると思うので
学校の先生の影響は大きいですよね。
第一学習社はほぼ学校採用専門なので採用校以外ではなかなかなじみのない出版社ということになるのですが,「ニセ化学には気をつけよう」,いいですね。「水の伝言」には学校の先生も騙されて道徳の授業に使ったりする学校が続出して問題になりましたし,先生が騙されても親や生徒自身が騙されないよう本などから教養を身につけておきたいものです。
Posted by ドージマ at 2009年09月06日 00:12
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