2009年06月09日

東大行って来ました・駒場先端研・生研公開キャンパス(3)

さて,東大行って来ました・駒場先端研・生研公開キャンパス(1)
東大行って来ました・駒場先端研・生研公開キャンパス(2)
の続き,今回で完結です。

認知科学・福祉工学の展示・体験のあった先端研1号館,
ぶらっと上の階に上がっていきますと,
インテリジェント材料学:橋本研究室の
「光に応答する材料でエネルギーをつくって,環境もきれいに」。


090530 バイオ電池

ビル東京大学橋本研究室


光を対象にした研究テーマがずらりと並ぶこちらの研究室,どうもメインは酸化チタンの光触媒(親水性と撥水性が切り替わる光触媒とかかなり面白いです)とか太陽電池などの研究のようなのですが,私ががぜん興味を引かれたのが,こちらのバイオ電池

発表の正式タイトルは「カセット電極微生物燃料電池による高効率発電時の微生物叢解析」
ぶっちゃけた説明をいたしますと,田んぼの泥の中にいる微生物を栄養分とともに容器の中にぶちこみ嫌気条件において電極を差し込んでおくと,嫌気呼吸の際に生じたH+を電極が拾って電流を得ることができるというもの。

田んぼの微生物,田んぼの泥に電極を突っ込むだけで電流が得られる(一方を泥の上,他方を深さ5cmくらいのところに突っ込むそうです。誰か,実験やってみて〜!)くらい発電に生かせるポテンシャルは高く,培養の技術的にも,今のところはわざわざ研究する必要がない(たとえば栄養分を変えたらそれに適応した系ができて同じように嫌気呼吸が行われるくらい)状況で,研究の対象はもっぱら効率的に電子を拾える電極や層のシステムとのこと。

田んぼと言えば,地球温暖化の原因となるメタンの主要排出源の1つとしてけっこう知られた存在ですが,このバイオ電池では,田んぼのメタン細菌を含んだ生物系でも,その嫌気呼吸で生じたH+をメタン合成に使う前に電極が拾っていってしまうのでメタンが出ないんですね(これは微生物にとっても都合がいい話なのだとか)。代わりにCO2は出ますけれど,温室効果はメタンのほうがはるかに高いので,もし水田土壌を利用した大規模な発電が実用化すれば地球温暖化対策にもなるわけですね。

インタビュー〜所長 橋本 和仁(ページ1) | 東京大学 先端科学技術研究センター


あと,いくつか展示発表などを見ましたが,生物関係でいうと
あと1つ,生研のほうへ行きまして,
こちら。
090530 ナノ流体・ES細胞  


応用マイクロ流体システムの展開/深海現場計測から受精卵まで
「マイクロ・ナノ流体デバイスの基礎技術」
「細胞培養に関連するセルエンジニアリングデバイス」
「深海調査のための現場計測システム」
の3本柱に加え
「分子エンジニアリングデバイス」を研究しているそうです。

液体を非常に細く流すと粘性がすごく高まり,2つの液体を混ざり合わずに一緒に流すことができるなど,ミクロの世界ならではの特殊な性質が現れるそうです。それを利用したさまざまな研究が行われていると。
たとえば深海では,海底の土などほんのわずかの資料があれば,その中の生物量のみならず活性(ATP量)などさまざまなデータが計測できるのだそうです。資料はほんの少しで済むのですが,装置全体は1mくらい,けっこうかさばるみたいです。マイクロで液体を流すためにはかなり強い力が必要とのことで,また,液体を攪拌したり混ぜ合わせるのにも工夫が必要(逆に言えば,研究開発者の腕の見せ所)だそうです。

ビル藤井(輝)研究室 | 東京大学

ビル今回見た発表とは違いますがマイクロ流体システムの大島研究室|東京大学生産技術研究所


090530 チューブワームこれも研究の本筋と直接関係ないのですが,深海調査に携わっているからみで,深海で採取されたチューブワームが無造作に展示されていたので記念に1枚。細さといい形状といい,どこでもそこらへんに落ちてそうな外見ですね(;^_^)


いや,前回のくり返しになりますけど,
ほんと面白かった。

お子さんのいる方は小さいうちからでも連れて行くべきですよ。
幼稚園や保育園くらいの子でも参加可能な体験ラボとかもありますしね。
子供向けの野球教室やサッカー教室で一流選手を生で見た
少年少女が少なからずプロまで成長するように,
大学の先端研究を小さいときから身近に感じる経験って
悪いもんじゃないと思うんですよ。
説明してくれる人たちも普通のやさしいおじさんや学生さんたちですし
大学が大きくて人もたくさんいるってことは
決して狭き門じゃない?ってことですからね。

東大に限らず,お近くの大学の公開キャンパスがあったら
気軽に参加してみてはいかがでしょう。

※東京大学生産技術研究所 千葉実験所(JR西千葉駅から5分)の実験所公開は
 平成21年11月13日(金)に行われます。(平日だ…)

先端科学技術研究センター
バッド(下向き矢印)少しでも参考になったという方はクリックいただけるとうれしく存じます。<(_ _)>
にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ人気ブログランキングバナーくつろぐバナー

室内対応型光触媒への挑戦―技術革新が実現する世界 (ケイ・ブックス)
橋本 和仁,砂田 香矢乃,入江 寛
工業調査会

→Amazon
posted by ドージマ・ダイスケ at 06:12| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
記事検索
 

ケイン 基礎生物学
東京化学同人