昨年9月に京大チームが取得した特許は05年12月に申請したもので特許の範囲は作成に遺伝子を4つ使う手法に限定されてるんですよね。
今回明らかになったバイエルの申請(大阪の「バイエル製薬」
研究チームが開発に成功した研究成果らしい)は2007年6月で,
●作り出したiPS細胞そのものを特許として出願
●主な作製法として
(1)山中教授が使った4遺伝子
(2)がんに関連する遺伝子を除いた3遺伝子
(3)3遺伝子と化合物で作る方法
を記載
●もとになる細胞として
いろいろな組織の細胞に分化していない状態の幹細胞
(ヒトの新生児の臍帯(さいたい)や骨髄,皮膚などから採取)を記載
※山中教授の京大チームは分化した細胞から作製
といった違いがあるとのこと。
前々から当然来るべき事態と考えられていた
特許取得競争がいよいよ火ぶたを切ったかというニュースですが
難しいというか,よくわからないところも多々ありますね…。
特許を押さえていると,以後その技術なり製品を使う
研究では特許料の支払いが発生するということで
後出しっぽくも見える“実用面”での特許が成立しちゃうと
そっちに実利をもっていかれちゃうのかとか
逆の立場で考えると,先に基幹技術を押さえてある状態で
そこを避けて研究を進めるのか,踏まえた上でさらに特許を
とれるような成果をあげるのか,
さらには申請の巧拙で,一番苦労して基幹技術を成立させた者が
特許の効力としてちゃんとした見返りを受けられないなんて
ことがあるんじゃないかとか,わからないだけに怖かったり
心配になったりします。
2008年のiPS細胞技術の進展について
山中伸弥教授も「日本は1勝10敗のような状態。
1年間の研究の進展はほとんどが米国の研究チームの業績」
と語っていただけにね…。
単純に,より多くの人に利用される,
応用が効き使いやすい技術を開発したところに
多くの特許料が入るという結果になればいいんですけどね。
単純に考えれば,分化した細胞から“万能”幹細胞をつくるより
最初から幹細胞を使ったほうがつくりやすいと思われますが,
バイエル側の申請が通ったとして,応用範囲から考えると
臍帯の幹細胞からのものは,iPS細胞の大きなメリットの1つ
「本人への」臓器移植への利用は応用範囲や機会が限定される気もしますしね。
08年には米ウィスコンシン大やマサチューセッツ工科大
チームの特許出願も明らかになっており,
これからますます激化する国境を超えた特許競争
の続報が相次ぐことでしょう。
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