2008年07月11日

生物学オリンピック国内予選過去問(5)

未成年のための生物学力コンテスト「生物チャレンジ」
(兼国際生物学オリンピックの国内予選)7月20日(日)の第一次試験開催日まであと10日を切りました!

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というわけで,国際生物学オリンピック国内予選の過去問紹介第5弾。
当ブログきっての不人気シリーズとなっておりますが(^_^;)
あなたも面倒がらずにちょっと挑戦してみませんか?

今回は2005年開催の第1回国内予選問題の第18・19問。
宇宙空間での生理反応についてです。
さっそくどうぞ!


080711jbo1次予選問18

問18)〜19)地球を周回するスペースシャトル内や国際宇宙ステーション内などの微少重力下(一般に無重力といわれる環境)での生理反応について答えよ。

問18)スペースシャトルに搭乗する宇宙飛行士には,微少重力下の宇宙空間に到達してしばらくの間は,顔が丸く大きくふくらむ症状が現れるが,環境に適応することによって顔のふくらみも減少してくる。これに関連する正しい記述はどれか。
   A. スペースシャトル内の気圧が低いため,
     特にやわらかい顔が丸く大きくふくらむ。
   B. 微少重力の影響で顔の筋肉が増し,丸く大きくふくらむ。
   C. 地上より使用する機会が多くなるため顔の筋肉がひきしまり,
    ふくらみは小さくなっていく。
   D. 地上より筋肉を使用する機会が少なくなるため,
     数日で顔の筋肉が落ちてふくらみは小さくなっていく。
   E. 血圧の変化が感知され,体液の量や血球数も減ることで,
     顔のふくらみは小さくなっていく。

問19)微小重力下では平衡感覚の混乱などが原因で,宇宙空間に到達してから数日の間「宇宙酔い」と呼ばれる症状が現れることがある。平衡感覚を受容する半規管,前庭器官の微少重力下におけるはたらきについて述べた次のうち,正しいものを答えよ。
   A. 慣性によって内部のリンパ液がとどまり,器官全体が
     動くことで有毛細胞が興奮するため,半規管は正常に機能する。
   B。慣性によって平衡石がとどまり,有毛細胞は体の傾きに
     対して地上と同様に興奮するため,前庭器官は正常に機能する。
   C.器官内部のリンパ液の慣性が微小になり,有毛細胞が
     興奮しないため,半規管は正常に機能しない。
   D. 体が傾いても平衡石が動かず,有毛細胞は体の傾きに対して
     興奮しないため,半規管は正常に機能しない。
   E.半規管,前庭器官のいずれも有毛細胞は興奮するが,
     シナプスにおける伝達物質の移動が微少重力の影響を受けるため
     平衡感覚が生じない。


答えはこちら(反転文字です)
  問28)…
  問29)…



どうでしたか?わかりましたか?
問18…顔のふくらみの原因は筋肉の量やしまりではなく血流量や体液量。短期的には交感神経による毛細血管の収縮も血流量に関係しますけど,この場合は顔のむくみというよりは顔色に現れることを習いますかね。  
問19…半規管は回転を感知するので重力に関係なく働き,前庭器官は傾きを感知するので微少重力下では正常に機能しないということになります。
※半規管はかつては「三半規管」ともいわれ,3つの器官がセットではたらくことで三次元の方向を感知しています。


微重力下という特殊な状況設定での問いなんでとっつきにくそうな感じがしますが,落ち着いて読めば,高校で習う「生物I」の基本知識があれば一応解ける問題でした。

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posted by ドージマ・ダイスケ at 05:25| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆イベント・生物オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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